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60〜90代に勧めたい!若く綺麗に写すならシニア写真館よりも『 プリクラ 』

以前、シニア専門の写真館が人気を集めていることを知った。そこではシニア世代の方が綺麗にお化粧してもらい、最高の写真を撮ってそれを遺影にしたい人が来るらしい。つまり、少しでも今の自分よりも若返った状態、いつもより綺麗な自分の写真を残したいと考える人が多いそうだ。

私としてはプリクラの写りがそれに近いと思う。プリクラを遺影にしましょう!という訳ではないけど、変身願望があるのだったら、是非プリクラをオススメしたい。たった1枚の写真に魂込めるのも良いが、普段から楽しい思い出を作ることも心にとって健康的な気がする。

スマホのアプリを使って撮ればいいのでは?と思う人もいるかもしれない。30代の私は自撮り、他撮りを全くしない。そして、スマホの顔面加工のアプリを使ったことがない。使ったとしても、どんな顔が正解でゴールになるのかも分からない。私より上の世代の人なら、なおさらそうなるのではないだろうか。

こんな分からない人にも答えをくれるのが今のプリクラだ。確実に普段の自分よりもなんかいい具合に盛ってくれる。ちなみに盛るというのは、実物より良く写ることを言う。

私は絵を描くためにプリクラを研究している。今年の夏、実家に帰省した際に私から誘い、祖母と母と妹と一緒にプリクラを撮った。4人で撮るのは初めてだった。

祖母はもうすぐ94歳になる。そして母ももうすぐ59歳で還暦にも近いが、プリクラ越しに見ると全くその年齢には見えない。プリクラシートは私がもらい、妹は携帯で見れるデジタル画像だけで満足した。そして祖母と母には家のプリンターで写真用紙に拡大コピーしたものを渡した。

プリンターで拡大コピーされたプリクラは、母も祖母も枕元に飾っているそうだ。祖母からは「シワがなくてみんな綺麗、すごく若く写ってる」と感想をもらえた。母からも「家族で撮るのはとても良い記念になった、ありがとう」と喜びの声をもらった。そして毎晩眺めているらしい。

普段会えない人に会う時にもプリクラはおすすめだ。街中のショッピングモール、主にゲームセンター内に設置してあるから、何かのついでに撮りやすい。その上、写真館よりも金銭的、心理的にも気軽に行きやすい。そして加工がよく分からない人も、メイクが苦手な人でも、機械が勝手に今時の顔に仕上げてくれる。

そして、プリクラ自体もアナログなプリクラシートできちんと出てくる。データではなく手元で印刷されたものがすぐ見れる。スマホの写真はデータが消えてしまったら何も残らない。その点プリクラはきちんと形として存在するので、自分で捨てたりしない限り手元にある。更にデジタル画像ももらえる。

プリクラはその時代の流行や、目には見えない空気感を写しているとも言える。プリクラはその時代を楽しむエンターテイメントなのだ。プリクラを若い子だけが楽しむのは勿体無い。正直、大人こそプリクラを楽しんでも良いのではないか、と思っている。

また、プリクラはいつの時代も本人を写しているようで、本人を写していない。初期は技術的な面で顔が違う写りだったが、次第に加工技術が加えられた。それによって通常の写真とは全く違う写りになる。

その顔は確かにそこに有るのだが、有るようで無い。プリ機を通した顔は現実世界には存在していない。しかし、プリシートや携帯画像を見るとそこにはプリクラを通した顔が存在している。無いようで、有る。

プリクラは色即是空である。

色即是空▶︎色とは現象界の物質的存在。そこには固定的実体がなく空であること。

外国にもプリクラは存在はしているが、日本のような加工は無く、全く盛れないプリクラだ。そして日本ほど流行ってもいない。他国の人から見ると、実態の無いものに意味を見出せないらしい。

つまり、プリクラに写る自分ではなく、実物を良くすることの方が重要で有ると考えている。要するにプリクラの中にしか存在しない自分の姿に意味を感じないらしい。そうなると加工も必要がなくなる訳だ。

外国とは逆に、日本は若い女の子達を中心に”有るようで無い、無いようで有る”プリクラを受け入れ、加工技術もどんどん進化している。自分で有るようで、そうでは無いものを求めている。不自然なほど目が大きくなった時代もあったが、今は技術が進歩し、いつもの自分よりナチュラルに綺麗に写すことができる。

今回はシニア写真館とプリクラの写りが似てると思い、思ったことを書いてみた。少しでも綺麗に写りたい、いつもの自分より良く写りたいと思うのは、老いも若きも関係なく、日本特有のものなのかも知れない。


ELIE


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