コーチングと精神分析

新社会人になり、研修を受ける中で、いわゆる自己分析を進めるために「コーチング」を受ける機会が非常に多い。

コーチングとは自分自身の軸や考え方の背景を知ることで今後のモチベーションやキャリア路線を考えていく手法の一つであり、いわゆる人材開発の1手法として使われるものだ。

一般的な手法として、「なんで」「ほかには」「とはいっても」などを利用して質問を重ね、相手の原体験や価値観の本流に迫り、いろいろなことを暴いていく。

まぁそんなことを自分自身研修の中で受け続けてきたのだが、ふと、(あれ、これ精神分析じゃね?)と思った。

実際、コーチングとは5W1H(5回のWhy?と1回のHow)で構成され、その人の課題性や価値観をどんどん深掘りしていく様は、精神分析の徹底操作に非常に近い。

と思ったら、僕の心の師匠である東畑先生も以下のようなツイートをしていた。

やっぱり僕の発想の本質はこの人の後追いをしているような気がするのだが、まぁそれはさておいて、コーチングやマネジメントの考え方は本当に面白い。

精神分析は、ある種不健康といわれるような方々(神経症水準、境界水準)を対象にしたコーチングともいえるし、コーチングはある種健康といわれるような方々(防衛機制が適切に働いている)を対象にした精神分析ともいえるのだろう。

そうなると、コーチングは暗い精神分析ともいえるし、精神分析は明るいコーチングともいえる。その源流は全く異なっているのに、本質は同じであるような気がする。

どうしても個人的に笑ってしまうのは、ベンチャー企業に勤めているようなコーチングが大好きな人は、精神分析心理療法家を嫌うであろうし、精神分析療法家が一番嫌いな人種はベンチャー企業の明るい人種なのであろう(偏見も入っているが)。

結局は同族嫌悪、というところが本当に発揮されるのだなぁと思うばかりで、逆に言えば折衷したら本当に面白いものも生まれうるのでないだろうかなぁと思った次第だ。

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