まだ間に合う、M-1グランプリ2020 1回戦TOP3YouTube動画全日レビュー①

2回戦動画がそろそろ全て公開されようとしているのに。今更感100%でお届け。

記念すべき初日のトップ、真空ジェシカ。お笑いマニア、いや、お笑いドスケベには、その実力は充分に知られているので、あとは「大衆にいかにアジャストするかどうか」の段階まで来てるんじゃないでしょうか(本人たちはこの作業を「梱包する作業」と呼んでいるらしい)。エッジの効いたボケで評価されているコンビなので、ここの調整が難しいとは思うのですが。。。ラジ父リスナーとして応援しています。

タイタンの漫才師、僕はまんじゅう大帝国よりもキュウ派です。最近は「めっちゃええやん」を封印?して、トリッキーな仕掛けのあるネタを用意している気がします。キュウ好きなら分かってくれると思いますが、ツッコミの清水さんが表情筋を動かしただけで面白いあの「確変状態」が、いつか大舞台で見られると信じています。

怪奇!YesどんぐりRPG、一昨年の3回戦(プレイヤーチェンジ)、昨年の1回戦(今年の1回戦とほぼ同じ)と、M-1動画でネット上のお笑いドスケベ達にインパクトを与え続けるトリオ。今年も期待。ナミダバシ、こういうシステマティック、スタイリッシュな漫才は、もっと一目置かれて然るべき。フレンチぶる、加瀬部さんのハートウォーミングなことを言うけど気持ち悪い感じは、意外と競合のいないキャラでは。

ブラゴーリ、分かりやすいのにベタじゃない設定なのが良い。終盤のたたみかけフレーズが聞き取りやすいともっと良い。ふぁのシャープ、即席コンビかなと思いきやしっかりプロダクション人力舎所属。年末年始ネタ番組のショートネタコーナーで見かけそう。「大宮セブン」の中では賞レースに弱い印象のあるタモンズ、今年は波に乗れるか?

関東にいると、「コンビ名は見た/聞いたことあるけど、ネタはおろかコンビのビジュアルすら知らない」って関西芸人さんが多数いるのですが、そういった組のネタ動画を見られるのがM-1動画のいいところですよね、と、ダブルアートを見て思う。この方が、関西芸人のトークでよく耳にする、あの真べぇさんなのかー、と。

コウテイ、1回戦はボケ・ツッコミを入れ替えるのが最近の恒例だそう。それでも堂々、この日の1位通過。2、3年前あたりからその奇天烈な芸風が既に知られた存在ではあった(関西ではもっと前から知られていたと思う)んですが、今年の『ABCお笑いグランプリ』で披露したネタ2本は、確実に「大衆にアジャスト」していた、と思うんです。奇天烈さはそのままで、われわれ観客側に「寄せてきていた」というか、「降りてきていた」というか。観客側にコウテイの耐性がついた、コウテイを読み取るリテラシーができた、って可能性もあるのだけれど。

注目の大阪若手3組がズラリと並んだ回。ブルーウェーブは完全な初見でしたが今後もハネそうな芸風。コントの印象が強いチェリー大作戦、漫才も器用にこなせるのか。そして滝音。キングオブコントで先に世に出た形にはなったものの、本業は漫才なはずなので、本人たちとしては今年に気合が入っているはず。銀シャリや霜降り然り、「次にどんなツッコミフレーズが来るか」を客席のお笑いドスケベたちがみんな待っている状態になっているので、この辺りが全部ヒットすれば決勝も見えるコンビだと思います。

「ブラジルの子どもが日常的にサッカーをするように、関西人は日常的な会話で漫才をしている」(ナイツ塙さん意訳)とはよく言ったもので、大阪会場のTOP3は、芸歴関係なく、総じて正統派しゃべくりの水準が高いですよね。それ故、でもあると思うのですが、正統派しゃべくりで勝負するコンビが多すぎて、関東に住んでいる私からすると、コンビ名とビジュアル・芸風を一致させて覚えることが難しい。。。なので、パーティーパーティーのきむきむさんのように、漫才中のキャラクターとは直接関係なくとも、目立つ衣装を着ることで覚えてもらいやすくする、という戦略を取っているんだなぁ、と思いました。もし違ってたらすみません。

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