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バンギャがピアノで演奏してみた動画の作り方

久しぶりの更新です。
今回は先日YouTubeにアップした弾いてみた動画を作ったことのきっかけや作り方を書いていきます。

動画はこちら

撮影も編集も演奏も全部自分でやりました。
これをやろうと決めてから約2ヶ月くらいかかりました。

きっかけ

ライブハウスでの配信企画のあと、何かできることはないかとずっと考えていました。
音楽のためにできることをしたい、音楽でできることをしたい。
そんな企画を考えていた最中に緊急事態宣言が出たこともあり、今回は少人数でやれることをやろうと考えました。
提案したり当たっては砕けてを繰り返し、たどり着いた形が全部一人でやるこの動画作成でした。
とは書いても、この動画を作るまでにたくさんの人にアドバイスをもらったり支えてもらいました。
本当にありがとうございます。

演奏の準備

私の楽器の経験の中で歴史が長いのはピアノですが、10数年ぶりに触ったら全く指が動きませんでした。
そのために、まずは指慣らしとしてHANONという楽譜集の1~20番を通して弾くことから始めました。
速度は四分音符=60、65、70、75…と5刻みで、一日4回は通すようにしていました。
このテンポを徐々にあげる練習方法は、摩天楼オペラのDr.響さんのドラムセミナーで教えてもらったものと、自分も同じように昔やっていたのを思い出してのこと。
会社から帰ってきて毎日、曲を弾くための練習の練習という感じやっていました。
最初のころはこれで2時間くらいかかっていて、これだけで体力のほとんどを使い果たす日もありましたが、指を温めないと自分がやろうとしたアレンジは弾けないと自分の身をもって知りました。

次が耳コピです。
まずは歌のメロディーから始めたのですが、私は絶対音感はなく相対音感もないほうです。
そんな自分がどうやったかというと
・CDで聴いて歌のメロディーを覚える
・歌いながら鍵盤を順番に触って、合ってるか確認
・合っていたら次の音を探す
これの繰り返しでした。
メロディーができたら次はコードです。
私はカデンツ(コードのこと)が苦手なので最初から和音を弾くことはできませんでした。
左手はアルペジオ(和音を一音ずつ順番に弾くようなやり方)にしようと思っていたので、コードの形は探すために一音ずつ探しました。
音楽理論を思い出して、三度、五度の音をメロディーから当てはめていくやり方をしました。
これは摩天楼オペラのVo.苑さんが、個人のYouTubeでやっている動画の演奏時に関して話したトークの際に、過去にパワーコードから探していったという話を参考にしています。
ですが、自力でやっていった中でどうしても何を弾いているのか分からない和音や音が出てきました。
その時、何か方法はないかと探して見つけたのがYAMAHAが出しているアプリ「Code Tracker」です。
曲のデータをアプリに入れるとコードを解析してくれるというもの。
使ったのはギターソロの前半あたりでした。
出てくるコードを弾いても違和感を感じた部分もあり、そこは自分で考えて展開系を自分なりに探してアレンジしました。
その時のメモが下の画像です。

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アレンジしたところ

ギターソロ部分の前半だけでもできる限り再現したいと思って、エンドレスで聴きなおして音を探していました。
ギターソロの途中で左手が8分音符、右手が3連符という、過去に経験したことがない譜面にあたり、どうやって弾いたらいいか悩んだりもしました。
どうするか悩んでいたその時、摩天楼オペラのDr.響さんがYouTubeで生配信をする中で質問を受け付けていたので、どうやってリズムを刻んだらいいか訪ねてみました。
「譜面に起こして、音の重なりがどこにあるかを調べることから始めましょう。あとテンポを落として少しずつ上げていくこと」と教えてくれて、この音と重なるのか、間を縫うのかを自分なりに図式化して、半分以下のテンポから始めました。

ラストの大サビ前に同じコード進行でメロディーを変えた部分を入れたのですが、そこはもともと、2番の前にキーボードソロの部分をアレンジしようとして生まれたものでした。
もうちょっと刻んでいたんですが、速度を上げた時にこれは弾けないと感じて、アレンジしていったら、間奏部分は原曲に沿ったものにして、ラストの大サビ前に入れることにしました。

そして、ラストの大サビを迎えたあと、終わり方もピアノでの表現方法を考えてアレンジしてみました。
ふと浮かんだものを形にしたのですが、疑終始のように聴かせる形は摩天楼オペラのライブアレンジで時々出てきていました。
また、私はバッハを長くやっていたこともあり、平均律の中に出てきて印象深かったものでもあるので入れてみました。

…ピアノで弾くこと自体、全部アレンジといえばアレンジかもしれません。


楽器の用意

最初に用意したのはMIDIキーボードでした(ピアノは後で出てきます)。

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以前、買ったけれど鳴らすことができずに放置していた「EDIROL50」というキーボードがあることを思い出して引っ張りだしてきました。
このキーボードを鳴らすために使ったフリーソフトは「Studio One 5」です。
摩天楼オペラのBa.燿さんがツイキャスでやっているトークや演奏配信の中で、フリーソフトを使えば配信したり演奏動画を作ることができるという話があったからです。
その話をキーボードでもできると思って応用した形でした。
鍵盤数は49なので、この中でできるアレンジにしようと思いました。
ところが、いざキーボードで弾いて録音してみたものの、これだと音がちょっと物足りないというのと、ペダルが思ったように踏めないということが出てきました。
そして、ピアノで演奏したいと思いだしてピアノがあることを思い出して
もし、キーボードで完結していたら映像はまた違うものになっていたと思います。
家にあるのはアップライトピアノなのですが、夜にサイレントモード(ヘッドフォンで音を聞けるようになっている)用のライン出力があったので、その音で録音しました。

image1のコピー

それも、ちょっと迫力が足りないような…と感じてしまい、最後の最後でiPhoneで実際に音を出して録音したものを採用しました。

動画を撮影したやり方

動画撮影に使ったカメラはiPhone11です。
ピアノを真上から見る形にしたいと思い、アップライトピアノなので上にスタンドを置く形でiPhoneを固定しました。
実際に撮影した時のアングルはこんな感じです。

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演奏するときはクリックなし、メモは見ずに暗譜でやりました。
また、今回の演奏の仕方は最初から最後まで弾き切る以外はミスしたら最初からやりなおしです。
ペダルの踏み替えなど考えると、編集でなんとかはならないと思うからです。
そのため、この撮影(レコーディング?)は2日に分けて12時間くらい弾きました。

動画を編集するために

今回の動画はAdobeのPremia ProとPhotoshopを使いました。
この時点でパンニング(音の位置)が不安定だったので調整。
本機を横にして映像を撮影していたのとスマートフォンのカメラの位置の都合で、ピアノの中心に置けなかったのが原因かなと思いました。
それ以外の音は無加工です。
映像の色味と大きさの調整だけして、頭の部分に弾いてない部分だけ作り、本編部分は加工をかけずに終わりました。

書き出してYouTubeにアップ

YouTubeのチャンネルなど何も設定していなかったのと、初めてのアップロードなのでとりあえず調べてさささっと作りました。
この頃になるとレコーディングの疲れが襲ってきていたので、あまり頭が回らないままヘッダー画像など作っていました。
ここは追々、ちゃんとしたものを作ろうと思います…。

起こった困難いろいろ

指を痛めたことが一番大きかったです。
キーボードの鍵盤が軽いものだったからか、ばね指といわれるような状態になって曲を演奏するようになってからはサポーターを使っていました。
ですが、ピアノで弾いたら痛くなかったので撮影時には外すことができました。
キーボードでもう一つ困ったのはペダルでした。
ペダルの踏む回数が多いので、テンポを原曲に近づけていくほどうまく踏めなくて苦戦していました。
これもピアノでは自然となんとかなっていったので、ペダル本体の違いを実感した気がします。
他には、買ったけど使わずに終わった機材が結構ありました。
OBSとATEMを組みわせてやる予定だったのですが、iPhone一台で完結できてしまったので、ちょっぴり勿体無いとも思ったりしました。
機材類をセッティングした時の状態はこういう形でした。

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大切にしたこと

我に返らないようにしていました。
普通に考えたら何やってるんだろうと我に返りそうなときは、ライブハウス借りることもバンギャは普通しないと思い出して理性(?)を保っていた気がします。

スペシャルサンクス

わからないことや重要になりそうな部分は摩天楼オペラのKey.彩雨さんにOFUSEを使って質問をしたりしました。
この動画作成に到るまでに著作権関係で気になること、配信を実際にバンドで行なっている中で、こういうことしてますか?なども聞いて、返信で教えてもらえたことを頼りに自分の機材に落とし込んでいきました。
彩雨さんがいなかったらここまで辿りつけなかったと思うほどに、本当に感謝感謝です。

聴いてくれた人に何か感じてもらえたら幸い

どうしてここまでやったかと言われたら、この曲を、バンドを好きになるきっかけになってもらえたらという思いだけです。
また、自分にとってこの機会に音楽でアーティスト・バンドにありがとうの気持ちを返す形ができたかなと思いました。

次にしようと考えていることもあるのですが…
それはまた目途が立ったら書きにこようと思います。

お読みくださり、ありがとうございました。

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