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寿命とは…

16時間の夜勤が終わり、疲れと達成感となんとも言えない高揚感…

今日は夜勤帯に入院した患者さんについて書こうと思います。

日々生活していると寿命について考える事ないですよね…夜中に来た患者さんは96歳、心不全の診断です。96年も動いている心臓ですから呼吸をしているだけで奇跡だと私は思っています。
医療が進み、良い薬が沢山できたおかげで亡くなることなく長生きできるようになりました。内臓は何とか機能しても脳の機能は日に日に衰え認知症を発症します…
その方も何とか心臓や肺は動いていますが脳の機能が…一日中眠り続け、飲み込み方を忘れ、スプーンやフォークの使い方もわからず食べることが困難な状態でやってきました。目も見えず、耳も聞こえず…少し動くのも苦しく…家族が自宅で介護していましたがその家族からこんな依頼をされました。

生きたいという欲求もなくただ息をしているだけ、何とか今回は首切ってください…すなわち死亡退院させてくださいということです。

正直衝撃です…でも家族の介護も限界なのだと、また苦しがったり話も通じず衰えていく家族を見るのも辛いのだと…そう理解しました。

ここは病院ですから、死期を早めることはできません。苦しくないように、痛くないように自然な形で寿命を全うできるよう、静かに見守ります。

多分こんな現象が日本中にあるはず、本当はもっと早く寿命が来ていたはずなのに、10年20年長生きする。

自分はどう寿命を全うしようか考えます。もしかしたら自分の寿命は明日かもしれませんし、若いから考えなくていいというわけでもないと私は思います。

いつ死ぬかわからないから自暴自棄になるのではなく、いつかくるその時生き切ったと思える生き方をしたいと強く思いました。

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