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Notes of a certain nun.〈とある修道女の手記p.3〉

1-25-2023 (Sunny)

すっかり年が明けてしまった。

けれど、彼にとっては
良い旅立ちの日になったと思う。

彼が話してくれた事を理解し、これから先のことを考えた上では修道院に身を置いてお母さんを探すのが良いだろうと考えていた。

修道院から3kmほど離れた山奥にあるお屋敷
そこに住むビアンカさんと妹のネラさんが
彼をうちで引き受けると言ってくれた、けれど
あくまでも彼は囚人だった。人を殺めた経験があるという事もお二人に話したらそれでも構わないと仰ってくれた。

ビアンカさんとネラさんの事は、日記として
紙に残すのは避けたいから書かない事にする。
彼女達にも色々な事が起こった。

でも、だからこそあのお二人なら、
彼の思いをよく理解し、サポートしてくれるかもしれない。それに彼には今までの分、
心穏やかに過ごせる自由な時間を送ってほしい。

イルがお母様と再会し、最初の名前を取り戻し
そして羽を伸ばして生きられますように。

ビアンカさんとネラさんが闇に囚われず、
たくさんの光を浴びて咲き誇れますように。

明日、カヌレを作ってお屋敷に足を運んでみよう
小さな修道女達も連れて。

God bless.

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