クリエイティブリーダシップ特論Ⅱ 第2回(2021.4.19)_岩渕正樹さん_レポート_「Social Dreaming」から「夢」への思考。

今日のリーダーシップ特論を参加してくれたのは最新デザイン理論と実践の橋渡しに従事している岩渕正樹さんです。最新デザイン理論の共通点、人新世での社会イノベーションついて詳しく説明してくれました。とても興味深いと感じます。

岩渕正樹 略歴                                                                                                      NY在住のデザイン研究者。東京大学工学部、同大学院学際情報学府修了後、IBMDesignでの社会人経験を経て、2018年より渡米し、2020年5月にパーソンズ美術大学修了。現在、パーソンズ美術大学非常勤講師、サービスデザイナー、研究者・実践者・教育者として日米で最新デザイン理論と実践の橋渡しに従事。

「アンチ・ユーザー中心設計」で、クリティカルなデザインを提案する        

スペキュラティブデザイン、クリティカルデザインの具体例として、James Augerの『After Life』という作品を紹介してくれました。人が死んだ後に棺桶に入ると、中で人体が分解され、電池になる、という作品です。
死後にエネルギーになるか。確かに自然界では、人や動物、植物は死んだら土に還り、分解されて新しい生命に吸収されるべきだと思います。人間がより多くのことを考え、望むからこそ、本来の自然なサイクルが妨げられているのです。「死後はお墓に入っておしまい」ではなく、「自分が死後にエネルギーになる」という、異なる未来のシナリオを、科学技術的にも実現可能な方法で表現して、より多くの人々に伝わる多少異質な要素を感じる作品だと思います。

『呼吸する椅子』

岩渕さんが試したかったのはユーザー中心設計ではなく、「アンチ・ユーザー中心設計」をテーマにした、「オブジェクト中心設計」という考え方です。モノが人をデザインする、という考え方ですね。長く座っていると、徐々に椅子が膨らんできて、立つしかなくなってしまう。                            椅子は座り心地が良い、長く座りたいものではありませんか?長く座れない椅子という思考は面白いと感じます。私も「竹そのものを感じさせる」という目的で座れる竹をデザインしました。

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