防災という贈り物

こんにちは。3.11 for Action です。

私たちは、東日本大震災によって被害を受けた地域へ、学生ボランティアとしてお邪魔していた団体のメンバーです。
今年の3月11日は、発災から10年。
今こそ何かできないかと集まったアラサー集団になります。


私たちが大学生の頃の2011年3月11日14時46分
日本観測史上最大規模の被害をもたらした東日本大震災は起こりました。
テレビから流れる目を疑うような光景に
毎日増えていく死者数や行方不明者数の報道に
心が握り潰されるような気持ちになったことを今でも鮮明に覚えています。

まずは、被害に遭われた方々へ
謹んでご冥福をお祈りいたします。

当時学生だった私たちは、出身地も住んでいるところも年も大学もバラバラでしたが
国際ボランティア学生協会(IVUSA)という全国の学生ボランティア団体に所属し、発災5日後から現地へ向かいました。

炊き出しや配給のお手伝い
被災家屋の片付け
家財の洗い出しやヘドロの掻き出し
海水を被った畑の再生
地域活性化のためのイベント
追悼式典のサポートなど、
長い時間をかけて様々な作業のお手伝いをさせていただきました。

そうして復旧から復興へと変わっていく間、
私たちなりにたくさん悩み、考え、現地のためにできることに必死になって活動してきました。

そんな風に現地への訪問を続け、
状況が変わりゆく中で気づいたことがありました。

この、起こってしまった悲しみを悼むだけではまた同じことが繰り返され、いくつもの未来ある命を失うだろうと。
私たちがやってきたことは、本当の意味で役に立っているのだろうか。
私たちがすべきことはなんなのだろうかと。

そして、東日本大震災で失われた数え切れないほどのかけがえのない命をなかったことにしないためには
未来に向けた「防災」が必要不可欠で、
今後必ず来るといわれている災害で、悲しい命を少しでも減らすことが
今、私たちにできることなのではないかと思いました。

だけど「防災」って、
わかってる。わかっちゃいる。
防災が必要なことなんて重々承知。

わかっているんだけど、なかなかできないんだよね。
という方、たくさんいらっしゃると思います。

本当にそうなんです。
何十回も現地でリアルと悲惨さを目にしてきた私たちでさえ、じゃあ防災は完璧かと言われたら、どうもそうとは答えられない。。

だけど、もどかしいけどそれは当然なのかなとも思います。
だって変わらない毎日が日常で、地震がくる日がイレギュラーだと、どうしても思ってしまうから。
そして日本は地震に慣れていて、
東日本大震災ほどの被害はきっと、体験した人でないと想像できない。わかりきれない。

だけど、大きな災害は必ず来る。
これだけは全国民に平等に決められていること。


どうしたら「防災」って浸透していくんだろう?
きっとこれまでに何万人、何千万人が頭を凝らし試行錯誤してきていることだけど、
やっぱり私たちもそこに向き合い続けるしかなくて。

そしてたくさん考えた末に、たったひとつ、しっくりきたものが
「自分の大切な人を守るためなら動けるのではないか」ということ。

自分のためじゃない。
自分の大切な人の命を守るために。

うちの家族は、親は、遠くに住むあの子は、足の悪いおばあちゃんは、
「いざ、災害が起こった時に適切な行動を取れるだろうか?」
「防災に必要なものを知っているだろうか?」
「自分が守れなかった時、ちゃんと生きていられるだろうか」

そんな思いから生まれたのがこの企画、
「3月11日は、大切な人へ防災を贈ろう」です。

もちろん災害に備えて、万全な準備をしていればしているほど安心だとは思うけど、
まずは小さな一歩からで良いんです。
特別大きなことをしなくても、ちょっとだけ知識が増えれば良いんです。
いざという時の行動を知っていれば良いんです。
今の自分にできること、で良いんです。


3月11日、あの大きすぎる災害から10年。
もう戻らない悲しみから、10年。
忘れてはいないし、何かしなきゃ、何かできたらとは思っているけど、何をしたら良いのかわからない。
毎年そんなことを考えて何もせず終わっていく、そんなあなたに。

ちょっとしたきっかけから防災が始まっていくようにと願いを込めて、私たちからささやかな提案をしたいと思います。


この記事を読んで大切な人が頭に浮かんだら
少しだけ行動に移して、自分なりの防災を贈ってみませんか?

次回へつづく。

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