長く支持してもらえ続ける方法を考えてみる
今回は、藤川先生の論文をいくつか読みました。その中で気になったキーワードについてピックアップします。
・サービスドミナントロジック
すべての経済活動をサービスとしてとらえ、「交換価値」でなく「使用価値」を重視し、顧客を「消費者」ではなく「価値共創者」ととらえることにある。
従来は製品販売時点の交換価値の最大化をめぐって展開していた各社間の競争の次元が、製品販売後の使用価値をいかに最大化するかをめぐる競争に移行する。
S-DロジックとG-Dロジックの違いを解説し、G-DロジックからS-Dロジックに転換すると上記のような変化が生まれるといったことが書いてありました。
読んでいた時に、ひとつ気になった活動があったので、そのことについて触れてみたいと思います。
僕がここ数年毎年ベストアルバムに入れているロックバンドROTH BART BARON。彼らは数年前からファンコミュニティ「PALACE(パレス)」を自ら運営しています。コミュニティの中では、本人からの投げかけがあったりします。僕が知ったきっかけは下記のクラウドファンディングだった記憶が。。
当時、このプロジェクトを見かけてアーティストで面白い取り組みをし始めたなと思ってファンコミュニティ「PALACE(パレス)」に入りました。いまでは、いつでも入れるようにHPで設置されているみたいですね。
このコミュニティ内での活動では、アーティストとファンの関係が、CD、グッズ・ライブの販売にとどまらない活動をしています。それこそ、アーティストのライブ報告からちょっとした問いかけをみんなが返答してひとつのかたちを作りだすなど。
CINRAの記事でも、コミュニティでの取り組みについて、ファン代表の方が以下のような発言をしていて、「どうしたら自分の好きなアーティストに音楽を続けてもらえるんだろう? っていうことはすごく考えていて。」以下に内容が続く、、、
それに対して、アーティスト側も「もはや「お客さん」っていう感じじゃなくて、一緒にライブの空間を作る仲間のようになってきた。」といったような発言をしている。
アーティストのライブや音源・グッズを買うお客さんではなく、このコミュニティを通じて、そのようなものも買っているがファンとしてアーティストとそれ以上の関係を築いています。ファンクラブという考え方はありましたが、月額いくらか払って、チケットを先行的に申し込めたり、会報誌のようなものがもらえたりするような他では見れないアーティストに関する情報が先に手に入る形が多いのではないかと思います。
ROTH BART BARONの取り組みでは、アーティスト(企業ととらえていいのか)とファン(顧客)が、ライブをどのようにプロデュースするのか、演出・宣伝などを双方が価値を創出している活動で、S-Dロジックの考え方に基づいているのではと感じました。
エンタメにかかわるコンテンツについて、上記のような活動をするのはとてもセンシティブなものだと感じています。ROTH BART BARONの取り組みを今後はしていったほうがよい!というのではなく、アーティストの活動方法のひとつなのかなと思います。今までのような物販&ライブだけでなく、新しい取り組みのひとつとしてファンと一緒に並走した活動を行うという選択肢もあっていいのかなと今回の論文を読んで、思い浮かんだ活動を下記ながら思いました。
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