データマーケティング|勉強会メモ|05282019

データマーケティングの勉強会に行ってきたので内容を共有します。

今回は「日本テレビ」のデータ戦略担当者が登壇ということで押っ取り刀で参加してまいりました。

「民放TV局」の課題/悩みを可能な限りデータで解決しようとしていて、とても面白いお話が聞けました。

(ポイント)

※「個人ID(本人情報)」が限られているので、精度の課題を超えるため「スピード」にこだわっている

※「データを見る文化にかえる、人を動かすこと」を第一に考えた

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『日本テレビが取り組んでいくデータ活用と今後の取り組み』

◆日本テレビ放送網株式会社
ICT戦略本部データ戦略ディビジョンマネージャー
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10年で3社を経て「日本テレビ」に転職(6年在席)。
広告付き無料配信「日テレ無料」「TVer」立ち上げに参画(技術職、開発として)。
その後“ひとりで”「データ戦略ディビジョン」創設。
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■ビジネス背景
 ・TV広告費<ネット広告
 ・若者のテレビ離れ

■課題感
 >TV、番組、広告の価値を上げる
 >「データ」による新しい視点(従来のTV局の思考回路/文化から脱却)
 >『データ・ドリブン』な組織に

■日本テレビのIDやデータに関する取り組み
1)「株式会社HAROiD| https://www.haroid.co.jp/ 」に参画
 >テレビの共通ポイントサービス
 >LiveCMの展開
 >テレビ視聴者の行動を把握
2)「データ戦略プロジェクト」立ち上げ
 ・2017年にプロジェクト化
 ・2018年に部門化、予算がつく

■社内の巻き込みのためにしたアクション
1)ミッションを誰にでもわかる言語にし発信
2)データ(DMP)に親しみやすい名前をつける
3)ちょっとしたことでもアウトプットを出す(誰もが目で見られるように)
4)スピードにこだわる|即反映、即レポート

■ミッション:『データで全てを楽にします。』

■DMPコードネーム:『Facty』(商標登録済み)
>3ヶ月でプロトタイプを作る(ひとりで)

■ミッションを分化:「データで何を楽に?」
1)番組/広告の価値を上げる
2)意思決定/判断(経営、編成、営業)
3)業務を自動化

■業務範囲
 ・データが集まるウェブへの改修依頼
 ・SQL/Python(コード書く)
 ・ダッシュボードづくり
 ・TreasureData×Tableau

■プロジェクトのステップ
 「1)データ収集」>「2)可視化」>「3)分析」>「4)AI」

■プロジェクトのゴール:「配信系のデータ分析」でしっかり結果を出し「テレビ視聴分析」へ

■成果
 ・ルーティンに入り込んだ(社内の業務に入り込む、社内のフロー/体系に組み込まれる)
 ・100時間/月のコスト削減
 ・50‐70のダッシュボード(拡散傾向>今後集約予定)
 ・データに強い/センスのある人間を巻き込む(特に編成、営業のキーマン)
 ・とにかく「早く見える化」して「キーマンを巻き込む」

■データ環境
・ TreasureData
・ Tableau

■データ種
・視聴率(世帯視聴率、個人視聴率)=ビデオリサーチ
・TV視聴データ(インターネット結線したTV、結線率30%)

1)非特定データ
・アクセスログ、個人特定できない、IPベース
 >課題、効果がデータで評価できない、PDCAが回せない

2)特定データ
・データ種
1)カレンシーデータ、ビデオリサーチの視聴率
2)マーケティングデータ、周辺データ、調査データ
 >配信視聴データ
 >広告視聴データ
 >属性データ
 >コンテンツ嗜好データ

■データの区分(視点)
A)視聴者主語のデータ:顧客ID基盤
B)番組主語のデータ:データ統合基盤、ビジネス/編成の判断と業務効率

◎配信視聴データ=民放で共通データベースで属性データを持っている
・「商品=番組とCM」の最新のデータを同時に見る
 >TV、ビデオリサーチ
 >ギャオ、TVer、日テレ無料ー広告スキーム
 >Hulu
 >SNS、番宣動画

■ゴールに向けた進み
・配信系視聴データの可視化を深める
 >年齢×時間と曜日の『視聴ヒートマップ』を全社共有
 >ドラマ番組の波形、バラエティ番組の波形の違いを可視化、など

■NEXT STEP
・データ活用による番組制作を目指す
・コンテンツ価値、CM価値を上げる
・まずはしっかり配信データを見る
・視聴率予測、シミュレーション、実態は裏番組を眺めて主導
・視聴者属性の予測
・作案の自動化=CMの配置

■視野に入れている動き
1)動画のバイナリデータからメタデータ、キャスト情報の自動抽出
2)視聴ユーザーの属性のリッチ化

以上です。
「データ種」「データ区分」のところは、明確にお聞きできず、あいまいなところがあり。
一方、「民放」で「個人情報(WOWOWで言う加入者情報)」がない中で、
「データによって、番組の価値を上げる」ことを主眼に置き取り組みが出来ている点/姿勢は、鑑になるなあ、と。
また、「精度はほどほど」だけど「スピード」にこだわりパフォーマンスで人を動かす、というのも明確な行動方針でよいですね。

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