ちーちゃん

ワタシたちが一報を聞いたのは、
あなたがこの世界に別れを告げてから
2日も経ち、夜を迎える時刻だった。

その知らせは唐突すぎて、
服の上からでも
心臓が動いているのが見えた。

にわかには 到底信じられない
だけど
こんな悪い冗談 言う人いない

理解する脳と 
それを拒む心
足元がぐらぐら揺れていた。

あの日から1ヶ月 経つんだね。

世の中には沢山の不幸な出来事が
溢れかえっているが、
なぜあなたにそれが起こらなければ
いけなかったのか。

ちょうど2週間前、
一緒にゾンビバーガーに行って、
あなたが、彼のお母さんに間違って送っちゃった
最高に笑えるテキストの話を聞いて、
それはヤバすぎる!って言いながら
ゲラゲラ笑い転げて、
今度はもっとゆっくりね!
なんて言いながら
それぞれ帰路についたの。
あの時のバイバイは、
一生バイバイという意味ではなかったはず。

ワタシとあなたの友情は
少し変わっていたかもしれない。
サバサバしていたと思う。
それでも
船に乗ってキレイなビーチまでふたりででかけたり、
山に行って沢登り&下りをしたり、
酔っ払いをタトゥー屋さんに連れて行ったり、
野球を観に行ったりさ…
ワタシと夫の婚姻届の証人欄は
ちーちゃんがサインしてくれたんだよ、
覚えてる?
毎日キャーキャー話をする仲じゃなかったけど、
会うと不思議と、
すごく自然で楽しくて、
別れるのが名残惜しくなる友情だったな。
それは、あなたの弾ける笑い声がありにも魅力的だったからだ。


ちーちゃん、あなたは大好きなアメリカに
大好きな Jake を置き去りにしてまで
駆け足で 一体どこに行きたかったって言うの?
もう散々色々なところに旅をしたでしょうに。
どうしてひとりで旅立つことにしたの?
ワタシたちやっと、あなたまで車で4時間の距離に引越して来たんだよ。。。


ちーちゃんのニュースを知った日の夜の明け方、
ワタシのところに来て、
あーちゃん、ごめんね、でも大丈夫だからね、って言ったよね。

ちーちゃん、あなたが大丈夫なことは
ワタシにもわかってる。
でもあなたに置いて行かれた人たちは
苦しんでいるよ。。。
こっちに戻って来られないのはわかってるんだ、
本当は、自由にどこでも行き来できたらいいのにね。
だけどそれはできないから
せめて、
まず、あなたがずっと安らかであること、
好きな時に好きなところに行って、
好きなことができることを最優先でいいので、
Jake やあなたのお父さんとお母さんをはじめとするご家族が
苦しみすぎることがないように、
ちーちゃんが声をかけてあげてね。

ワタシは、死後の魂について、
人によるとは思うけど
しばらくはこの世にいると信じている。
ちーちゃんもまだいるの、わかってるよ。
だけどきっと、本当に色々行くところあるんでしょうね、
飛び回ってるんだと思うの、忙しいでしょ?
もしかしたらタイムリミットがあるのかな。
だから今のうちに行きたいところ全部に行こうとしていて、
それでもたまに
うちに寄ってくれたりしてるよね。
ちーちゃんが来てくれてるときは、
わかりやすいからすぐわかるよ。
だけどさ、やっぱりね、Jake を優先してあげて。
ワタシが言わなくたってわかってると思うんだけどね。
彼は本当に、あなたを恋しがってる。
もし姿を見せてあげられるなら、
って思ったりもするけど、
それってけっこうハードル高そうだから
せめて気配だけでもいいから、
ちーちゃんが Jake を愛してること伝えてあげてほしいな。
ほんと、こんなことワタシが言うことじゃないよね。
だけどさ、あなたが旅立った後の数日間の彼を見ていたら、
こら!ちはや!あんたなにしてんのっ!
って、
言いたくなるくらいだぜ、本当につらくて、
死んじゃいたいって何回も思ったと思うの。
でも、Jake、がんばってるからさ。
たまに抱きしめてあげてね。

それでもあなたの魂もさ、
事情があるよね、きっと。
わからないけどそんな気がしてる。
いつかはいるべき場所に行かなきゃいけないんでしょ。
そしてまた、生まれ変わるって、
信じてるよ。


もっと話しておけばよかったな、とか
遊びに行っておけばよかったな、って
考えちゃうこともあるんだけど、
そんなのいいんだよ、って
ちーちゃんなら言ってくれる気がして、
あなたの棺の前ではさよならの代わりに、
またあそぼうね、って言ったの。

だから、
またあそぼうよ。

ワタシたちいつも、次の約束はしなくても、
必ず次があるって知ってたよね。
いまでもそう思ってるよ。

今回は、次に会えるのが
いつになるかわからないだけで、
きっとまた会えるって信じてるよ。

あなたは本当に
かけがえのない友だちだった。
これからもそう。
ずっと忘れないよ。
すばらしい友だちでいてくれてありがとう。