【感想文】5名の司会者さんとお話して by 山東けい

改めて、『 #謎解き司会talk 』という不思議な企画を楽しんで頂き、ありがとうございます。謎解き司会の方と対談(…というか、個人的な感触はインタビュー)をしておりました、山東けいと申します。
謎解きの司会・キャストは3年ほど携わらせて頂いております。タンブルウィードさん、よだかのレコードさん、NAZO×NAZO劇団さん、ご縁に感謝しております。謎解きプレイヤーとしては、延べだと11年目…になるのかな。かなり初期から密かに遊んでおります。永遠のエンジョイ勢です。

さておき。
5名の方とお話をして感じたことを、つらつら書き綴っておきます。
単なる感想文なので、そこにお金は発生しません(あたりまえ)。
宜しければ「ふーん」と読んで頂き、気になることがあったら、どうぞ、本編の記事を、購読して頂けたら有難いです。作業している私にもですが、対談してくださった司会者の方の懐も潤おうシステムを取っております。
では、以下、私の”聞き手”&”書き手”としての感想文です。暇つぶしにお楽しみください(礼)

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司会の方々の謙虚さ
まず、司会の方の謙虚さに触れたいのですが、前提として、この企画が立ち上がった背景を、少し書いておきます。
2020年、日本の状況変化により、ゴールデンウィークという、イベント業界の大事なタイミングで、多くの人が自粛を余儀なくされました。結果、謎解きイベントも、中止や延期が相次ぎ、徐々にTwitterで、「謎解きに触れたいよ!」「私は脱出ゲーム好きだけど、こういう閉じ込められ方したいわけじゃないんだよ!」という、お客様の声も散見され始めました。
私自身も、GWにお客様に楽しんでもらいたいと思っていたお仕事があったため、中止には凹みました(泣きました笑) とはいえ、発想の転換こそ謎好きの強みですし(笑)、「何か楽しんでもらえないかなぁ、せめて息抜きのお手伝いでも出来ないかなぁ…」と思いが巡り、思考は「家で楽しめる何かを届けられないか」という方向へ転がっていきました。でも、私は謎は作れない…。文章なら書けるけど…。じゃあ、何か書く…? としたら、司会に関わった人間が何を伝えたら、お客様に楽しんでもらえるんだろうか、ほっこりしてもらえるんだろうか…。そんなアレコレを考えて、「対談にしたら良いのでは?」という話に行き着いたのが、発端です。

私個人は、記事の中にも忍ばせていますが、謎解きの司会者(やキャスト)って、現時点では、ある種の技術職だ、と思っています。芝居が出来るだけでも足りないし、論理的な思考が出来るだけでも足りない…。
逆に言えば、司会やキャストで活動している人たちは、皆、技に裏打ちされた知識・知恵・経験を、財産として蓄積している、とも考えています。

よって、対談を始めるに当たり、最初に決めたことが2点ありました。
・司会者の、知恵や経験を”読み物”として提供するからこそ、仕事といえる売り上げにならずとも、有料にする
・売り上げは、必ず対談相手の方の懐を温めるようにする(=GWショックの補填に、僅かでも繋げて頂きたい)
この2点です。

有料にすべきか無料にすべきかは最初迷いましたが、我々が報酬をもらって仕事をする立場である以上、商売道具をお見せする(&司会者が集まるので、きっとサービス精神が発揮されちゃう=司会者って基本的にスイッチ入ると、皆、頑張っちゃう人たちだと思っている)わけで、対談の拘束時間や手間の部分を考えても、有料に相当すると判断しました。
あとは、”応援している司会者さんへ何か届けたいと思っているお客様”の存在も認知していたので、応援の場を提供できるかもしれない、という発想もあったりしました(と言いながら、これについては思うところもあるので、金額は抑えて提供しようと思っていました。結果的に、noteのサポート機能が役立ったと思っています)。

そして、お相手の司会者の皆様には、面識がある・なしに関わらず、事前に「売り上げは、こうやって処理します。GWの補填にはならないと思いますが、わずかでも懐が温まることも念頭においています」的なことを、お伝えさせて頂きました。それは、お相手が誰であっても変わりません。が、ほぼ全員の司会者の方が「いいの?」と開口一番おっしゃられまして…、差し入れを下さった方もいたり…、恐縮でした…!
あと、他の司会者さんの記事を、割と皆様、しれっと(本当に、皆様、なんの連絡もなく、しれっと)購読されていて、なんというか、プロのステルス技を垣間見た気がいたしました…。(※お金をかける=良し、という意図で書いているわけでも無いですが)
ちなみに、「売上、山東さんのものにしていいのに…!」と言って下さった司会者さんもいたのですが、前述通り「**さんの知識と経験をコンテンツにさせて頂くので、受け取って頂きたい…」とお伝えさせて頂きました。それは、互いの仕事に対する、正当な認知にも繋がるのでは、という想いもあったからです。

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司会者の皆様の言葉選び
さて、5名の方とお話ししたわけですが。
ここまで振り返って、最初に出てくる感想は、「全員、癖が強い」っていうこと(笑) キャラクターが濃い濃い。みんな、濃い(笑) 
ただ、キャラクターが濃いからこそ、特徴的だと思ったのは、言葉の選び方、センス、返球スタイルが、皆様、違うんだなということ。
例えば、人によっては、NGワードで状況を例えた方もいたり、過激な表現を使う方もいました。そういう箇所は、結果的にカットしたものの、実は私はカットしたくなかった部分でもありました。というのも、強いワードが出る時に、その人の本質が輝くと思っていたからです。

過激なワードって、表面に出すと(字面だけだと、声音の雰囲気が伝わらないことも相まって)、勘違いや議論のもとにもなるし、炎上の火種にもなりかねない。でも、仕事に対して熱い思いを持っている人が、自分の中の熱量を一番的確に表そうとした時に、「しっくりくる言葉が”これ”!」ということならば、それをお届けできたら良いのにな、という想いも、抱いていました。そんな思いでカットしていました(笑)

特定のワードのみならず、例えば語尾とか、例えば敬語とか、例えば私に対しての呼称などにも、その方のスタンスや気配りの仕方、あるいは熱量というものが、会話の要所要所に現れていて。編集作業では、"山東"というフィルターを通すものの、出来る限り、お相手の司会者さんの実像から遠ざからないように気をつけたつもりでいます。例えば、原さんの会話の語尾に「~ね」が多いとか、巻き込み型の熱を感じる部分で(笑)、意図的に少し多めに残させて頂きました。原さんのキャラクターや質感とも相まって、没入コンテンツで原さん司会を体験したくなる特徴、だとも思っていました(※山東フィルター)。

ちなみに、各司会者さんの記事で、唯一、私がお相手の司会者さんにお願いしていたところが「経歴」欄だったりします。そこは、ほぼ、司会の皆様に頂いたものをコピペしております(事情でカットさせて頂いた箇所もありますが、スタイルは、各司会者さんの味です)。

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◆ネタバレについて
お客様に読んで頂くことを想定する以上、避けられない話題がネタバレで。
ネタバレは、割とシビアめに考慮させて頂きました。
私自身が、公演前に公式ホームページを見ないで会場に向かうことがある…くらいには、先入観をいれないネタバレ回避マン(でも、今は、知ってしまっても、特に怒らないエンジョイマン)なので、公演名や公演の設定が大きく露呈しないように…という部分は気を回すようにしておりました。ここは、対談相手の方によっては、何度も相談・調整した部分です。なにしろ、私は、過去にフォトスポットの写真にショックを受けたピュア体験もしているので(会場で初めて驚きたかった!笑)、読み手の方が「まだ行ったことが無い公演について、うっかり知ってしまった!」にならないように、多くの部分をぼかすように気を配りました。
とはいえ、体験済みの方には、なんとなく感知して頂けるようにも考えていました。だって、それこそ、面白みの一つでもあるなぁと思っていたからです。あの世界の裏側で、こんなこと起きてたの?も伝わるように、ニヤッとして頂けたらな、と思いながら、頑張ったつもりでおります。

そして、このネタバレについては、対談中も、「これ、言って大丈夫ですか?」と皆様が気にかけておられて、コンテンツをお客様に届ける責任感や愛情のようなものを強く感じました。どの方も気にされていましたが、特に、亀田さんが呼吸するようにネタバレ回避していた印象が残っています。会話中に「これは書けないと思うんですけど」という言葉が余りに自然に出てきて、常に客観的に自身を見ておられる姿勢が理知的だな~という印象でした。そして、記事にできないエピソードを一番沢山、語って下さったのも亀田さんだった気がしています(笑) 

ちなみに、アルティメットクイズショウのことが話題に出た記事がありますが、それについては、当初、自分が関わりの強いコンテンツなのでカットしようか迷ったものの、お相手の方がクイズショウについて考察されたことが、制作側の意図にドンピシャだったので、お相手の方と制作サイドの方へ、感謝と敬意を払って残させて頂きました。

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◆司会者の皆様が気にしていたこと
対談の仕組みですが、『LINE通話で1~2時間ほど、お話して頂く→最初に全て書き起こす→ガツガツ修正していく』という流れを取っています。

最初の全ての書き起こし時点で「大幅なネタバレ」「プレイバシーに関わりそうな部分」などは削ぐものの、初稿は、ほぼ会話のまま書き出して、お相手の方に一旦チェックして頂きます。
この時に「NGの話題があったら言ってください。細かい会話部分については後程修正します」と伝えていたのですが、多分、全員…だったはず…、どの司会者さんも、最初のお返事が「え? これ、偉そうじゃないですか?」って、返ってきて、ちょっと面白かったです(笑)

私は最初から、お相手の方が思うままに「僕は、こう思う」とか「私は、こう考える」ということを伝えて頂いて良いと思っていました。私と意見が違っていても気にしません。ストレートな考えや思いこそが、相手の方の魅力を知るキッカケになるはずだし、読み手の人にもその魅力を伝えたい、という想いがあったからです。でも、私も含めて、司会やキャストを経験された方って恐らく矛盾を抱えていて。「自分たちの中にポリシーや、誇りはあるけれど、お客様には、そういうことを気にせず楽しんでもらいたい」という想いもあるんじゃないかな、と思うんです。
サイモンさんの記事にも「自分の名前がアンケートにあった時に」という話題がありましたが、自分の位置取りについて、司会を経験した人間は一度は考えるんじゃないかな、と思っています(私も私で考えています)。

そのためか分かりませんが、「これ、自分、偉そうじゃないですか?」っていう言葉に触れる機会が多かった気がしております。
実際に、本当に偉そうだったら、笑いごとじゃないんですが(笑)、初稿って、話し口調で、読み物にする”前段階”なので、そう見えるんだなぁとも思って。毎回、「私の書き方で、お相手の方の好感度を下げないように」ということも、気にかけていました。(そして、前述の、言葉の力とのバランスに唸りました笑)

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◆せっかくの機会なので、こうしたかった
謎解きや、司会の人の、新しい魅力に触れて欲しかった、これに尽きます。
出来ていたかは分かりませんが、公演をプレイヤーとして体感するだけでは伺い知れない、裏側や、別視点……、ナマっぽい部分を、お客様に知っていただくことで、より対談相手の方への信頼や安心感などが増したらいいなぁ…と思っていました。私は、(変な言い方ですが)司会やキャスト・スタッフに安心できると、公演そのものにも安心して浸れるんじゃないかなって考えているので。
win-winという言葉がありますが、いつだってwinの数は多い方が良いと思うので、喋る人・読む人・いつか読むかもしれない人・いつか喋るかもしれない人…、のところまでwinが繋がるようにということは考えていました。

そして、読み手のお客様に対しても、「"価値"を提供したい。でも、その"価値"は、想像を少しでも越えたい」と思っていて(これは、他の仕事でも考えていることですが)、意外な魅力、をお伝えできたらいいな、と思いながら書いていました。
例えば、小日向さんは、ツイッターで事前に拝見した限り、癒し系、ニコニコ優しいまめさん、という印象がありましたが、その彼女の、シビアな面(さっきも書いたけど「言葉が強くなる面」みたいな部分)を逃したくないなと思って、まめさんにとって特別といえる公演の部分は、ほぼカットせずに入れさせて頂きました。
あるいは、亀田さんの音声ツイート(Twitterでの10秒配信)は、謎解きの本質と少し違うところを拾った方が、亀田さんの可愛い一面・面白い一面が伝わるのでは、と思ったりして、あそこを拾いました。
秋山さんは、常に笑顔で安定した司会をされる印象があるのですが、未来を見据える視点、短期的視野と長期的視野のバランスが骨太でカッコいい、と思いながら序盤をまとめていました。ツイッターなどでは伝わりにくい側面についても、お話をお伺いできて良かったなと思った部分です。

対談という素材は一つだけど、ピックアップする場所や書き方ひとつでも、印象は変わると思っているので、お相手の方の"意外な良さ"が伝われば…と思っていました(出来ているかは分かりませんが)。
同時に、お相手の方が目指すことや目指すものがあるならば、そこを書き留めることも大切にしたかったので、関係者の方の目に留まったら、違うお仕事への幅が広がるきっかけになれば良いな、と、欲張りに思っておりました!! 関係者の皆様、届いた暁には、よしなにお願い致します(笑)

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◆今後の #謎解き司会talk  
秋山さんとの対談ラストでは、通常通りに『次に、お話を聞きしてみたい方』について、お名前をお聞きしてはいるのですが、一旦、この企画について、ここでストップしようかなぁ……と考えています。例の宣言が解除された、というのも理由ですが、オンラインコンテンツという新しいジャンルも見えてきたことで、単純に、皆さまが楽しく忙しくなるんじゃないかな、と思ったからです。

とはいえ、もし、リクエストが沢山あったら、これまでよりも頻度を落として(例えば月1とかで)、『広く、謎解きの司会・キャストを経験した人にバトンを渡しながら話を聞く企画』として、間口を広げて緩く動かしても良いのかな、と思っています。
これについては、需要がどんなものか分からないので、もし何かご意見があったら、ツイートやTwitterDM、あるいはnoteのメッセージ機能(手順は下記)など、お好きな方法で教えて頂けたら嬉しいです。
ちなみに、バトンタッチですが、最初ちょっとイレギュラーもあったものの、流れが確立してからは、対談相手の方に「どんな司会者さんでも、団体の垣根を越えても、大丈夫」という姿勢で、次の方をお尋ねしていまして。そのためか、実は”今は謎解きの司会から離れている方”や、”関東圏以外の方”のお名前があがったこともあります。もし、今後も対談企画を行うとしたら、「どうなっていくかは私も謎です(笑)」、ということも書き留めておきます。

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そんなわけで、ふわっと感想文(と、ひそかな今後の報告)でした。
いやぁ本当に凄かったです、皆さん、ユニークで、熱くて、個性的(笑)
でも、とにかく、どの方も魅力的で、お聞きしながらワクワクして、人間的に惚れちゃいました(山東ちょろい)。あと、勝手な企画を始めておきながら、凄く、凄く、楽しい企画だな…!と感じましたし、私たちが楽しくなきゃ、お客様に楽しいは伝わらないんだな……という、原点みたいなことを、改めて感じる機会でした。読んで頂いた方に少しでも楽しんで頂けていれば、こんなに嬉しいことは無いです。

一旦ここで、手を止めますが、また次のタイミングあれば、楽しんで頂けるように頑張ります。5名の司会者の皆様と、読んで下さった貴方に、感謝を込めて。

山東けい。


※photo by pixabay


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