ピノキオピーと「生かされる言葉」

今更ながらなんとなく書いてみました、もはやピノキオピーの楽曲の好きなところを語っているだけになっていますがまぁ実際好きなんでダラダラと書きます、ダラダラと読んでいってください。

わざわざこれを読んでるぐらいなのでピノキオピー自体に関する説明は省略させていただきます。
とりあえず歌詞の話ですね。

「やけくそになって笑う モチベーションが死んでいても」

ツインテール今村さんのイラストが目を引くMVでおなじみ「モチベーションが死んでる」の最後の歌詞です。

http://www.nicovideo.jp/watch/sm27868484
【初音ミク】モチベーションが死んでる【オリジナルPV】

それまで一貫して「モチベーションが死んでる」と歌い続けていて最後に「死んでいても」と言い換えるところがポイントなんです。
「生まれるから死ぬ」「はじまるから終わる」と、形ある物いずれ没するということを歌ってその言葉に意味を持たせて最後に「死んでいても」と展望を持たせてくるところがそれまでの歌詞に次への命を与えているんです。
ネガティブなだけだったそれまでの歌詞に「これから」を与える意味ではこの言い換えが重要なのではないでしょうか。

「胸いっぱいの愛を」

http://www.nicovideo.jp/watch/sm22020109
【初音ミク】胸いっぱいのダメを【オリジナル××】

本人がプロデュースしていたガールズ(?)バンド、オーパーツソケットに提供した楽曲「胸いっぱいのダメを」のラスサビから。

その直前まで「胸いっぱいの偽善を 胸いっぱいの悪意を 胸いっぱいの殺意を」と、現代人の心の弱い部分を挙げ連ねて最後に持ってきた「愛」について。
実際に曲を聞いてもらうと分かると思いますが、直前の3つは「を」の部分を上げるように歌い、最後の「愛を」で語尾を下げて歌っているんです。
この少しの音程の違いが「愛を」を生かし、胸いっぱいの「偽善」「悪意」「殺意」を抱えていこうと言っている事がただの綺麗事ではなく、ダメだらけの人たちへ向けた「ポガティブな応援歌」として成り立つのではないでしょうか。

「たぶん」

http://www.nicovideo.jp/watch/sm23648996
【初音ミク】すろぉもぉしょん【オリジナルPV】

これについて語りたくてこの記事を書きました。
前半で「恥の多い生涯なんて珍しいもんじゃないし 大丈夫だよ」と締めて、後半でもう一度「恥の多い生涯なんて」と言い始め、曲としての主張を強調したタイミングで「大丈夫だよ」の後に「たぶん」と付け加えることでそういうことだから堅苦しく受け取らないで「ゆっくり」やっていけばいいんだよと安心させてくれるんです、この曲の魅力はこの一言があるから全体が生きてくるんだと勝手に思っています。

このような「一言」の魔力で人の心に余裕を作ることができるのがピノキオピーの楽曲の良さの真髄なのではないでしょうか、言い換え、削り、他との差別化を計り、一言を付け足し、彼が得意とするその一言が、視点やメロディ以上に彼の人気を支える秘密なんだと思います。
あまり長く語りすぎると無粋な感じになりかねないのでこの辺で、バイバイ。
もっと感想文上手くなりたいです……