✨📖他人に振り回されない自信の作り方

齋藤孝さんの本は読みやすいんですよね。本も多く出版されている方ですし、今までにも何冊か拝読させていただきました。
拝読させていただきましたって過剰な謙譲語ですね。拝読しました。

ということで、今回は他人に振り回されない自信の作り方という本を読みました。
高校生って特に自信のない時期だと思います。周りに同調しようという傾向が強くなるため、自分の尖った能力に対して自信がつくというよりも、杭を打ってしまうような印象があります。
全く同じなんてあり得ないんですけどね。目立たなくなる時、モードと目立っていい時モードを使い分けられるようにしてほしいなと思います。

この本で提示するのは、他人の評価にまどわされずに、自分の「芯」を培う――そんな「自信の作り方」です。

・他人の目、他人の反応に翻弄され、息苦しさを感じている方
・他人との距離の取り方に悩んでいる方
・自分に自信が持てなくて、チャレンジができない方
こんな方たちにお勧めします。

「自信=自芯」です。「できる」を少しずつ増やすことで心の芯は太くなっていきます。
実際に多くの学生を変えてきた齋藤孝氏が自分の「芯」を培うメソッドをやさしく教えます。
強い人の前だと自分が出せない、人とうまく付き合えない、周りに流されて疲れてしまう……。そんなあなたを支える本。

Amazonより引用

雑味のない分かりやすい表紙です

肥大化する自己肯定感

昨今の学校教育では、自己肯定感を育もうという流れが生まれています。
高校生の時分はは自己肯定感を持ちづらいからいい流れだなと思うのですが、たまにとんでもなく人の話を聞かない、自己肯定感の塊みたいな人もいます。
(ちなみに自己肯定感が極端に低い人も人の話を聞きません、面白いですね)

自己肯定力も大事ですが、自分を冷静に見つめる自己客観力も重要です、適度な自己肯定力があり、自己客観力もあり、両者がバランスよく回転しているような人の方がずっと望ましい人材です。
自分にできることはなんでできないことは何か自信があることはなんで自信がないことはないか、それをきちんと自覚していて、できない部分や自信のない部分をどうカバーできるかが分かっている。そういうバランス感覚を備えていることが大事なのです。

29ページより引用

生徒たちがよく錯誤しているなと思うのは、学校は半分プライベートで半分オフィシャルです。
だからこそ、クラスメート全員と仲良くなる必要はなくて、揉め事を起こさなければ、別に良いんですよね。友達じゃなくて、同僚みたいな感じです。
私も同僚のことを友達だとは思っていません。プライベートの話はしますけれど、踏み込んだ話はしないし、踏み込んで聞きもしません。

そんな半パブリックの世界観では、自信満々でいることよりも、他人の意見を受け止めながら歯車として回っていく方が大事になります。
これを嫌う人もいますけどね。人と繋がっていくっていうことは100%の自分を出さないことだとも思います。
なぜなら100%の自分を出すと、相手に抑圧を与えてしまうからです。プライベートなら別にいいんですけどね。
ですから、自分に自信を持ちすぎず、できないことは周りにに聞いて助けてもらい、自分が満足するんじゃなくて、組織が満足するような社会を形成していく必要があるように思います。

だからこそ、学級内で天狗になってはいけないんですよね。1人1人が構成員なので。自分の言ってることも他人の言ってることも間違っちゃないと思いながら生活するのがベストです。

ちなみに私は教員として自信を持っていることは「教育学に基づいて教育を行っている」点についてです。
教育心理学などの学問ベースで物事を考えている時は強く自信を持っています。学問って下支えをしてもらっているということは、根拠があるってことですからね。
自分の主観ではなく、統計などのデータに基づいて仕事をしているため、非難の主観に対しても客観で応戦することができます。

憧れのメンターを持とう！

自分に自信を持つことって結構難しいと思います。
しかしながら、上記でお話したように、私には学問という最強のバックグラウンドがついているために自信を持って仕事をすることができます。
加えて、大学院の生活の中でお世話になった佐久間先生という女性の教育学者がいます。その方にお会いしたからこそ、自分の教育信念は正しいと思えるように感じます。

大学院は少人数でディスカッションすることが多いのですが、私が佐久間先生の意見に対して「理想的ではあるが、ちょっと非現実的な気がします」と発言したことがありました(本当に何様って感じ)。
その時に佐久間先生が

教師が理想を語らないで誰が理想を語るんですか。理想を掲げない限り、目標は達成できません。

と断言なさいました。そのときに私は物事を斜め上から見ていた自分を恥ずかしく思い、自分の掲げる理想論をきちんと意思として主張することが大事なんだと感じました。
もちろん行きすぎた主張は不和を生むので控えるようにはしていますが、こういう風に進めていきたいという理想論は、常に掲げなければなと思います。
敢えて掲げたいのではなく、掲げなければという義務的な表現にしました。

佐久間先生は私のメンターのような存在でした。
メンターとはとっても簡単に言うと、恩師です。

1メンターの語源・意味

「メンター」とは、直訳すると「良き指導者」や「相談者」、「恩師」などという意味を持つ言葉です。

メンターという言葉は、ギリシャ神話に登場する、優れた指導者の名前である「Mentor（メントール）」が語源になっています。

現代のビジネスシーンでは、おもに自分の仕事やキャリアについて指導・助言をしてくれる、信頼のおける相談相手のことを「メンター」と呼びます。

仕事やキャリアについての指導・助言を求める存在というと、上司をイメージするかもしれませんが、一般的には、先輩社員がメンターになることが多いでしょう。

そして、メンターから指導やサポートを受ける、新入社員を中心とした社員は「メンティー」と呼ばれます。メンティーが気軽に相談できるよう、メンターとメンティーの年齢差はなるべく近いほうが好ましいといえるでしょう。

ユニポスより引用

恩師の言葉を受けて、私も恩師のようになりたいと感じています。
皆さんはどのような人になりたいでしょうか。そして、その理想像は自分の周りにいますか。

メンターは自分より先を歩んでいる人生の先輩で、眼力があり、自分に気づきやヒントを与えてくれる人です。
生き方として憧れる存在、自分もあの人のようになりたいと思う存在だと言ってもいいでしょう、そうした人から物事の考え方のエッセンスを教えてもらうのです。

98ページより引用

健康な肉体の声を聞けbyニーチェ

ニーチェはとても有名な哲学者です。ニーチェについては社会的な教養だと思った方がいいので、以下のサイトを一読してもらえるといいんじゃないでしょうか。

フリードリヒ・ニーチェとは？彼の思想や名言についてわかりやすく解説。フリードリヒ・ニーチェとは？彼の思想や名言についてわかりやすく解説。 | 資本主義の奴隷

では、本書の内容に戻ります。
これから高校1年生は文理選択に突き当たるため、今後の人生についてたくさん考えることと思います。
というか、考えなきゃダメですね。無理矢理にでも考えさせます。
そんな中、本書ではニーチェの面白い言説を引用していました。

体としての自分が持つ大きな理性に目覚めようじゃないか。もっと熱いエネルギーを掻き立てよう、踊り、笑い、祝祭的に生きようと、ニーチェは言った訳です

134ページより引用

人間は社会的な生き物です。
物事を考えたり、もう少し踏み込めば精査したり。喜怒哀楽を表現したり、時には利他的になったり。
でも、難しく考えすぎると大変なんですよね。だからこそ、案ずるより産むが易しだなと感じる時も多くあります。
最終的には色々考えてもたどり着かない時はニーチェが入ってるみたいに踊っちゃえ！っていう考えにたどり着きたいですね。

長くなってしまったので、最後はこちらの言論で締めていきたいと思います。

現代は厳しい査定社会です。私たちは色々見られて値踏みされています。単に仕事の能力だけではありません。同僚としてどうなのか先輩後輩としてどうなのかあるいは友達として恋愛対象としてあらゆる場面で私達は評価査定にさらされています。
大事なのは理性的に対処する姿勢です。周囲の目、世間の目に怯え、それを過剰に意識しすぎないこと。
この姿勢を支えてくれるのが、デカルトとニーチェの精神だと私は考えています。
感情ではなく、理性で事柄に向き合い、数学的合理性論理的思考法で頭をクリアに整理して考える、これがデカルト的理性。
既存の価値観や慣習、周囲の目、他人の思惑といったものを意識しすぎて自由に振る舞えない状況をスパッと打破する気概活力を持つ、これがニーチェ的理性。 
自信を持って自分らしく決断したり、行動したりできるようになるために二つの理性を合わせ持つのです。

147ページより引用