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なぜヒトは学ぶのか

大学院時代、安藤先生という恩師がいらっしゃいました。
安藤先生は遺伝学を研究されており、自分が全く興味関心のない分野だったので、聞く話が全て新鮮でした。
その大学院の授業では、教育心理学の鹿毛先生、行動遺伝学の安藤先生が修論に対して色々コメントをして下さり
専門的知見から発言してくれるって、こんなに説得力があるんだと感動した覚えがあります。


そんな感動先生が、上梓した一冊です。


内容紹介

私たちが学校や学校以外のさまざまな機会を通じて学習しなければならないのは、頭をよくするためでもなければ、成績を上げてよい学校に進学するためでもなければ、豊かな生活をするためでもありません。「教育」や「学習」には、進化学的で生物学的な理由があるんです。人間にとって「学ぶ」とはどういう意味があるのでしょうか?最新の進化学・遺伝学・脳科学の知見を参考にしながら、一緒に考えていきましょう。


大切なのは、「どう」学べば他人と比べて成績を上げられるかではない。
「何を」学べばあなたが生きていくのに意味があるかだ。
――あなたの「勉強観」が、この1冊で変わる!

講談社より引用



そもそも学習とは何か


学習とは、それまで持たなかった運動パターンや知識を私も忘れずに持ち続け、時にそれを伝えるようにすることです。学習というと教科書や問題集などでお勉強することを想像するかもしれませんが、心理学ではもっとずっと広く考え、経験による行動の持続的変化を指します。

32ページより

学習っていうと学校の勉強みたいなイメージを持つ人はたくさんいると思います。
一方で本書でも述べられているように、教育学的あるいは心理学的にはもっとずっと広く学習を定義しています。
基本的には経験から学べることみたいな認識をすると簡単なのかなと感じます。

となると一つの経験からたくさん学べる人が「賢い」人になります。
学習量が多いという言い方をするとわかりやすいのでしょうか。
一を聞いて十を知るというように、一つの経験からたくさんのことを学べる人間になってほしいなと生徒達に思います。
だからこそ、大切なのは疑問に思うこと。なんでそうなるのかな、誰がどういう経緯でそう決めたのかな、みたいにクエスチョンを抱くことってすごく重要だと思います。


情報と知識

知識は、はじめは情報として私たちの元に届けられますが、それをその場限りで利用するにとどめるのではなく、学習し自分の人生を生き抜くための素材として末永く使える形で自分のうちにとどめられたとき、それを初めて知識と呼びます。

120ページより引用

歴史の年号とかを丸暗記する人いますよね。いい国作ろう、鎌倉幕府とか(現在は守護の設置が鎌倉幕府成立の定義としているため1192年ではないですが)
でもそれって単なる情報にしか過ぎないんです。知識っていうものは有用性があるもの。
つまり、自分の人生のとの関連が生まれてきたら、知識になります。
鎌倉幕府が12世紀に成立したから、現在も鎌倉という土地は寺社仏閣が多いため、観光地化しているみたいな。
勉強がつまらないっていう生徒は、情報と知識っていうものの、区別がついてないように思います。
自分の中で解釈していかに知識にブラッシュアップしていくかが、能動的な学習に繋がると思います。
そのためには、やっぱり経験が必要なんですよね……物事を関連づけるためには、色々なことを経験して疑問をもって学んでいなければいけません。
複雑な認知思考をできるようになるためには、机上の勉強ではない学習量が非常に重要となります。


成績を伸ばすには

成績を伸ばしたいと考えている生徒がほとんどだと思います。しかし、成績を伸ばすというのは勉強する習慣がつくことが前提条件であって、気持ちの問題でどうこうするもんじゃないと思っています。

親やあなた自身が物を散らかしたり、不規則な生活をすることを、今は何とも思っていないかもしれませんだけれども、学校の成績を良くしたいと思ったら直ちに親子で相談し、協力して家の中を整理整頓規則正しい生活をするよう心を改めて頑張ってください。

186ページより引用

部屋が汚いと何もやる気を起こしません。机の上が汚いところ、学業達成レベルが高くないのと一緒ですね。
まずは学習環境を整えることから学習習慣の定着は始まります。

それは親が態度で見せるべきものだと個人的には思います。
子供が片付けられないと悩む親は多いですが、意外と子供達は親の背中を見ています。
保護者の方で子供が片付けをできないと悩んでいる方は、自分の片付けの仕方を1回見直した方がいいんじゃないかと思います。


先生がうまくサポートしてくれると感じている学校の中も勉強に対して良い刺激を与えてくれると思うというような(中略)、成績がいい人ほど、学習環境をポジティブに捉えるという因果の方向性があります

184ページより引用

授業アンケートをとると、明らかですが、成績のいい子ほど学校に対してあんまり不満を抱いていません。
授業に対してもしかりで先生にポジティブな印象を抱いている傾向が高いです。
学校満足度や授業満足度が高いと周りの人達が自分の勉強をサポートしてくれるという気持ちになり、モチベーションが上がるのでしょう。

裏を返すと、他力本願な人ほど成績が上がりにくい傾向があります。
周りの人がうるさいだとか、先生の教え方が悪いだとか。学校のいいところを見つけられないと頑張るモチベーションも下がってしまいます。
仕事についても同じような印象を抱いています。仕事ができない人って、とにかく職務満足度が低いんですよね。
他責思考というか、あの人はあれができない、これができないって言って自分のことを棚に上げる傾向にあります。
自分のことを客観視しながら、周りと協力することが大切ですね。


勉強は何のためにするのか

テストのために学習することに価値や手応えを見出している方、テスト勉強を通じて何か大事な事を学べていると実感している方もいるでしょう、その上で、そもそも学校が本来与えてくれる学習経験があなたにそしてこの社会に一体何をもたらしているのかを考え、その上で改めてあなたにとって学習することがどんなに重いのかを考えてほしいのです。

220ページより引用

テストの点数で高い点を取ることって重要だと思うんですよね。
それと同時に勉強の仕方を学ぶっていうのが大事だと思うんです。学習のあり方というか、物事を身につける力っていうか。
大人になってもたくさん勉強します。機械の操作やコミュニケーションの仕方など、日々勉強です。
しかも教科書が全然ないところがポイントですね。だから、自分でできるようになる必要があることや、できるようになりたいことを感じ取らなければならない。
そして、そのスキルを磨いていく必要があります。だから、他者からでも客観的に見える数値という得点で実績を出すってすごく重要だと思うんですよね。あと、すごく簡単。
だからこそ、勉強には真摯に向かってほしいと思っています。もちろん勉強関係だけじゃなくてね、人間関係とかもです。
人を傷つけない大切さみたいなものを同様に身につけてほしいなと思います。


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