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📖東大の先生!わかりやすくビジネスに効くアートを教えてください

アートというか、芸術に関わるものは基本的に好きなんですが
そもそもアートってなんだろうっていう疑問にたどり着きました。
ということで、アートに関する本をご紹介します。


「最近、行き詰まっていて……」
「いつものやり方だとうまくいかない……」
そんな人にはアートが特効薬になります。

AIの到来で社会に大きな変化があり、
さらに今年に入ってからはオリンピックの中止や世界的なウイルスの蔓延など
「答えの見えない難題」が次々に出てくる現代。

いままでのやり方で正解を積み重ね、
効率アップを目指してきただけの凝り固まったアタマでは、必要な答えを導き出せません。

いま必要なのは、これまでの常識を壊し、入れ替える「パラダイムシフト」の考えです。
アタマに刺激を与え、常識にくさびを打つ「アート思考」は
これからの時代、大いに役立つでしょう。


本書では、「そもそも、アートって何」「?アートって人生の役に立つの」?といった
「ふつうのビジネスパーソン」が抱く素朴な疑問を「アートの哲人」にぶつけ、「アートの謎」を明らかにしていきます!!

amazon紹介ページより引用




アートとデザインの違い

まず大前提として、デザインはアートからスピンアウトした一領域ということ、アートは太古の昔からあるもので、そのアートの要素を実用品に応用したものがデザインだから、デザインのことを応用芸術と言って、純粋なアートのことを純粋芸術と言ったりするんです。

29ページより引用

アーティストとデザイナーの違いって何かっていうと、実用性であるというところがとても驚きでした。
確かに純粋芸術みたいなものって何の役にも立たないんですよね。日常生活の中で。
私も海外で買った皿を家に飾ってありますが、皿なのに皿として機能していません。
教室掲示もデザイン性を高めていきたいなと考えているんですが、アートになってしまわないか若干不安なところがあります。

アートと視覚芸術

アートは基本的に視覚と聴覚だけで触覚芸術、嗅覚芸術、味覚芸術というものはないんです。なぜならアートは現実から切り離されたものだから。
触覚、嗅覚、味覚はより直接的に体に影響がある感覚なんです。だから現実に近いと考える前衛アートではあえてその枠を逸脱するものもあります。

64ページより引用

アートって言うと一番最初に出てくるのは絵画だと思います。
本書でも述べられておりましたが、アートを味わうということは、自分との対話。別にそこに何の意味があるのではなく、自分がその絵をどう解釈するかという対話です。
そのためには、いい匂いとか美味しいとか一般的な善とされるものが置き去りになります。その絵を美しいと感じる人もいるし、美しくないと感じる人もいる。 
視覚情報に快いっていうものって、あんまりないんですよね。だからこそ、懐疑的になったり、本当にこれが良いものなのかって考えたりします。
それを考えていくこそが、アートの本質的な意味だと思います。自分の中のものの見方を定めていくというか。


ノーリスク、イェスアート

あとは現実社会から切り離されたフィクションの世界ですけど、食べ物とか人間関係とか旅行といったことは現実そのものですよね。お腹を壊すかもしれないし、人間関係がこじれて喧嘩になるかもしれないし、旅先で強盗に合うかもしれない。アートはそういうリスクが一切ありませんから、実利的な関心から自由です。

168ページより引用

アートを見ていくと意味がわからないことに直面します。
世の中には理解できないことなんて山のようにあります。それを理解するのは結構苦しくて。
例えば私はコオロギを食べる文化を理解できません。しかし、コオロギを食べなければ、文化の良さも何も感じることができません。
しかしながら、虫を食べることに抵抗感はあります。

一方で、アートは視覚情報だけなので、特別な快不快みたいなものは存在しない。
違和感みたいなものを感じて終わり。分かりたければ斟酌すればいいし、そうでなければわからなかったので終われば良い。
ある種鑑賞者の無責任性っていうものがあるっていうのがいいですね。



総じて分かりやすい本でした。三浦先生との雑談のような、講義の中から芸術性ものを理解できる本でした。
30を過ぎてから経験を重ねていくことの重要性を感じます。本書にもアートを何回も見ていく必要があるという話が書いてありましたが、やっぱり回数を重ねていかないと技術的なものは伸び行かないのかなと思います。
アートを見る目もしかり英語を話せる能力もしかり、好きなら身につけたいなら量をこなせと言うのはこのコスパ社会のアンチテーゼになるのではないでしょうか。

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