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「おちーたー」のふたさんを電話で探す話

初めての投稿を何にしようかと考えていたけれど、ふと目にした光景があまりに微笑ましくて書き留めておきたくなる。1歳と少しになる子どもの話。

夜は寝る前に歯磨きをする。お風呂に入ってミルクを飲み、ご本を読んだりしながら歯ブラシを渡すと、ごきげんで口に運んでくれる。何を隠そう、ちょっと甘いキシリトールの入った歯磨きジェルのおかげだ。(とはいえ仕上げ磨きが欠かせないのはご想像のとおり)

少し前まで、何か嫌なことやできないことがあるとただ泣くだけだった。この日はひとしきり自分で磨いた後、いつもと違ってたまたま使った歯磨きムースの容れ物に興味津々。特に透明なふたさんがお気に入りで、ずっと口にくわえたり噛んだりしている。おっと。もう随分とアゴの力も強いおチビさん。割れると危ないよ?

そのうち少し遊びたくなったのか、ふたさんを投げては拾って楽しんでいる。これはチャンス!

大きく振りかぶって、ふたさんを投げる、喜ぶ。父さっと隠す。

少し前まで、こういう時は「ふたがなくなった〜」と泣くだけだった。そうしたらなだめてやり過ごしたものだ。ところがこの日はすごく不思議そうな顔をして、「おちーたー」と。パパとママの顔を覗き込んでずっと言っている。投げる仕草を何度かして、こうやって投げたからこの辺にあるはずなんだけどね、ふたさんが見つからないの、どこ行ったか探してよう、と言っているよう。いや、きっとそう言っているのだ。

ふたさんなくなっちゃったねぇ?パパもママも知らないよ、どこ行っちゃったんだろう?そうか、じゃあ容れ物さんに聞いてみよう。もしもーし。機転を聞かせて妻が電話をかける。容れ物さんを耳にあてながら、「すみません〜、おたくについていたふたさんが「おちーたー」なんですけど、どこにあるか知りませんか?あ、ちょっと待ってくださいね、いま代わります。」

歯磨きムースの容れ物を渡されると、耳に当てて「○*#△@!」と何やらがんばって話しているむすこくん。容れ物さんなら、おともだちのふたさんがどこに行ったか知っているかなぁ。もしもしする真剣な顔がかわいくて、夫婦は笑顔がとまりません。

見つからないねぇ、となだめながらベッドに連れていくと、考えつかれたのか10分ほどですぐに眠ってしまいました。少し前までは泣くだけだったのに、それが「世界って不思議!」に変わった瞬間。これからもたくさん不思議なこと、一緒に考えようね。

と、そんな話を、本人をひざに乗せながら書いています。画面を見ているので実はパパが隠したってバレちゃったかな笑

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