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夕刊フジ杯ハートランドチーム


夕刊フジ杯2024お疲れ様でした!たくさんの応援ありがとうございました。
優勝された麻雀Cafe beyondチームの皆様おめでとうございます!
まだ個人戦が残っている段階でこちらを更新することをご了承ください。

この記事は本当に私の感情を乗せただけのものになります。
またいつか、大きな変化が起きた時に見返して、「あぁ、この時よりも成長できたんだな」と思えるための記録です。(成長するかどうかは別として(笑))

私の所属するハートランドチーム(旧ハートランドミニチーム)は、札幌の麻雀店ハートランドから出場しているチームで、監督に喜多清貴プロ、足木優プロをキャプテンとし、エース水口美香プロ、末っ子木村という3名のチームでした。
今のチーム員での発足は夕刊フジ第13期。5年前です。そこからずっと変わらずに同じメンバーで戦ってきたのですが、今期をもって、チームメイトの水口プロがハートランドチームを卒業、そして新しいチームに所属することになりました。

発足前、私はまだ静岡県浜松市に住んでおり、静岡の田舎のささやかなアパートのベットの上で、夕刊フジ杯の配信を携帯で見ていました。
その時見ていたのが夕刊フジ杯個人戦決勝戦。水口美香プロが個人優勝を果たした年のものでした。
その時にものすごく印象に残ったのが「この人強いな〜」という素直な感想。
ポイントをもって現状優勝ポジションになるも、そこから全く手がはいらず、交わし手もなかなか決まらず、徐々に追い詰められていく…その中でも毎局やれることを探して、果敢に前に出ていく。優勝を勝ち取ろうとする姿がとても印象的でした。

その次の私の記憶は6年前、場所は札幌、喜多監督の運転する車の中でした。
後部座席に座る、足木プロ、水口プロ、そして私。

「今日札幌まで来てもらったのは重大発表があるからです。」

喜多監督から重みのある言葉。張り詰める緊張感。その横で爆睡する水口プロ。
「ちょっと!起きて!寝てる場合じゃないですよ!」そんな事言えるわけもなく、緊張するべきなのかツッコむべきなのかを真剣に考えた事は今でも鮮明に覚えています。

そんな緊張感があるのかないのか…という空気感の中、喜多監督からの重大発表、それは「ハートランドチームに参加しませんか」というあまりにも嬉しい知らせでした。

とても嬉しい!尊敬する先輩たちと同じチームで、あの舞台で戦える!と喜ぶのと同時に「私なんかでいいんですか…?」という気持ちが押し寄せてきました。

足木プロは実はプロになる前から知っていて、「こんな綺麗な人いるんだ…」とSNSを見ていた私ですが、プロになったあともお仕事で何度かご一緒させてもらって、実際に会って知ったのは「こんなに麻雀が好きで、お仕事にも真っ直ぐ取り組む人いるんだ…」ということ。
真似できるところはたくさん盗んで、いつか「こんな人になれたらいいな」そう思って、ずっと尊敬してきた人でした。

水口プロはお会いした事もお話ししたこともほとんどなかったのですが、前述した通り画面の中でずっと見てきて、水口プロもまたとても尊敬する人でした。

そこにいきなり現れた、静岡の田舎に住んでる、プロ歴も知名度もまだまだ未熟な私。
「私でいいのか」そう思うのは必然でした。

ひとつだけ誇れるとすれば、静岡で営業マンとして成績に追われる日々の中でも、麻雀にしがみつきたくてプロになり、東京のリーグ戦に自腹で通うくらいには麻雀が大好きでした。

そんな小さい自信と二人との共通点をなんとか見つけて始まった夕刊フジ最初の年。5年前、第13期。

せめて選んでもらった恩返しを成績でお返ししたい!!!そう思って挑んだ一年目は


タコ負けでした。


これがもう悔しくて、歯痒くて、成績で返せなかったら私には何もないよ!!くらいに思っていたので、当時とても焦る気持ちがありました。

それでも足木プロも水口プロも、チーム戦が敗退したあとも「楽しかったね〜!」と笑顔で、すごく楽しそうにしていました。
これにどれだけ救われたか。大袈裟かもしれませんが、「負けたらいらない子」と思われるのではないかと思っていた私には、二人の麻雀を、チーム戦を楽しむ気持ちにとても救われました。

もちろんそれに甘えてばかりもいられないので、それからは夕刊フジ杯に特化した、「トップをとる事」を意識しつつも「素点を稼ぐ」という麻雀をたくさん勉強しました。
普段の麻雀の中にも「夕刊フジ杯だったら」を取り入れて新しい打ち方にチャレンジしたりもしました。

そうして翌年からの成績はそれなりに安定するようになり(結果はたまたまかもしれませんが)、チームに貢献できている自信もついてきて、個人でも決勝戦まで残るなどとても良い経験をさせてもらえたり夕刊フジ杯が私の中で自信を持って戦える場所になってきました。

それ以外でもたくさん大切なことを学ばせてもらいました。麻雀のことはもちろん、水口プロからも足木プロからも「対局に出れる大切さ」「麻雀がとても楽しいということ」「応援してくれている人たちのありがたさ」を教えてもらえ、プロとして人としてたくさん成長させてもらいました。
こうして5年間の間で「負けたらいらない子、成績だけでしかお役に立てない」と焦る未熟な私は「勝っても負けても、大切なことはひとつひとつ丁寧に打つこと、麻雀と真摯に向き合うこと、楽しむこと!」と考え、なんだか以前より堂々と自信を持って前向きに麻雀が打てるようになりました。

そして迎えた今年、夕刊フジ杯2024。

最終節。

個人成績でプレーオフ進出がかかっている私が最終節登板することになったのですが、チーム成績もトータル2位とかなり重要なポジションに。チームとしてかなり大事な戦いを任せてもらえることになりました。

この時私は、実は今年が、今のハートランドとして戦える最後なんじゃないかとうっすら感じていました。

もちろん毎年、来年が確約されているわけではないのでそう思うことがあるのですが、今年は昨今の麻雀界の大きな変動に、他のチームの事情などを見ていて、「いつまでも当たり前にみんな一緒にいられるわけじゃない」そう思う気持ちがありました。

でも、勝てば。勝ちさえすれば、何かが変わるかもしれない。

その変動する(とも分からないが)何かが、「チーム優勝」という事実で覆るかもしれない。

全てもちろん妄想でしかないのですが、なんとなくそう思った私はどうしてもこのチームがよかったので、今日この最終節、ずってでも這ってでも勝ちたい。絶対組優勝しなきゃいけない。という想いで対局会場に向かいました。

大事な手出しツモ切りは全部見落とさない、あがりがある手順は絶対ひとつも取りこぼさない、高い黙聴は全て読み切りたい、今日だけはひとつもミスしたくない!

そう思って挑んだ最終節、本当に手牌と展開に恵まれて、無事に東京1組、ハートランドチーム優勝となりました。

リーグ戦なのでこれまでの節をみんなで積み重ねてきた結果、というのはわかりますが、託された最終節をなんとか勝って乗り切れた、チームに勝ちを報告できた、これでまだみんなと今年も打てる!そんな喜びでいっぱいになりました。

準々決勝。

4/4(木)、組優勝したハートランドチームは、夕刊フジ杯一番の鬼門である準々決勝を迎えました。

1チーム3戦。全20チーム中8チームしか準決勝に進めないという勝ち上がり率が一番きついところ。

ハートランドチームはいつも条件がある3戦を打つときは、必ず3戦目に水口プロが登板していました。
3戦目が一番条件がある難しい戦いになるので、経験が多い水口プロが打つことが多かったのですが、3戦目は条件がある分難しく、制限があったり伸び伸び打つことができなく、水口プロの負担が多くなっているのが現状でした。(本人は負担だなんて思ってないかもしれないですが)

そんな中でもいつも厳しい条件戦を潜り抜けて、時には組優勝にも導いてくれた水口プロ。
本当に頼もしい。でもいつも頼りっぱなしだ。同じチームとして私ももっと力になりたい。そう思っていた時。

今回の準々決勝の登板順を決める会議の中で、水口プロが

「きむねぇ。3戦目やってみる?」

と提案してくれました。

未熟な私が3戦目を担う、この登板順が今のチームで最善の作戦ではないかもしれない。でもいつまでも任せてばかりではずっと私はチームとしてお役に立てない!

不安に思う気持ちもありましたが、いつもお願いしますばかりじゃダメだ、今自分にやれることを精一杯やって、この任された3戦目を全力で頑張ってみよう。こうして私は準々決勝の3戦目の登板を担うことになりました。



本当に情けない話ですが、今はこう思います。3戦目はやはり水口プロも任せていれば…まだこの3人で打てたのかもしれない。



準々決勝でハートランドチームは敗退となりました。

そして、解散後、水口プロからチーム卒業の報告が…。

あぁ、これが最後だったんだ。
最後勝てなくて本当にごめんね、という気持ちが溢れました。

最後勝ってたら、まだこのチームで打てたのに。

最終戦、厳しい条件ではありましたが、道中条件をクリアしている局面もあったんです。
その後の立ち回りをもう少し上手くできていたら、未来は変わっていたかもしれないのです。

勝っていたら、もっと自信を持って、成長した姿を見せることができて、まだみんなで打てて…元気いっぱいに水口プロを安心させて見送れたのに。


私、ハートランドチームでわがままって言ったことがないんです。(というかみんなそんなの無いか(笑))

参加させてもらえることがとてもありがたくて、居させてもらえることに感謝しすぎて、良くも悪くもですがあまり自分の意見を言うことがなかったのですが、この日たぶん初めてわがままを言いました。「いやだ、いかないで!」

まだ全然お礼できてない、頼りっぱなしで最後も勝てなかった、ずっと楽しかった、もっと一緒に戦いたい。


準々決勝が終わった夜、喜多監督から電話がありました。

「木村さん大人になりましたね。」

そ、そうか…?と思ったけど、思い返せば、ハートランドチームに入ったときの私は常に焦っていて、「勝たなきゃ」そのプレッシャーと常に闘いながら麻雀していました。
でも、足木プロ、水口プロと出会ってからは、「楽しんで、大事に打とう」そう思いながら打てる、麻雀をチームとして打つ上で大切なことを学び、前よりも大きく構えることができるようになった気がします。

それかな?そう思ったら本当にこのチームに私は育ててもらいました。

水口プロが卒業する。きっと絶対いい話だから、ちゃんと前向きに送り出さなきゃ。
たくさんしてもらった分、わがまま言ってばかりでもダメだ。明るく送り出そう。

まだ、私は、水口プロが抜けた穴を埋められるほどではないけども、前よりは成長したはず。
もっと頑張って足木プロを支えて、監督と北海道のみんなにいい報告する。
そして勝ち上がって水口プロと戦いたい!

この3人で戦う5年間めっちゃ楽しかったよー!最高!大好き!

いっぱいいっぱいの感謝を水口プロに伝えて、一旦ハートランドチームは解散となりました。




今後新しく入ってくるチームメイトの方がどんな方かまだわからないけど、今まで足木プロと水口プロが作ってきたこの素敵な雰囲気をずっと守って、一緒に楽しく来期も戦えたらいいなと思います。

改めて水口プロ本当にお疲れ様でした、たくさんありがとうございました。
来期は戦えるの楽しみにしています!


大好き〜!

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