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はじまりのはなし

上手く面と向かって言葉にできない感情が昔からとても多い。
それは人にだけじゃなくて自分自身にも同じことで。

プラスチックの衣装ケースに
どさどさ放り込まれたまま閉まらなくなってく引き出しと同じように
一旦全部中身を出して、種類別に分けて綺麗に畳んで整頓して仕舞う。
そんなことと同じようにしないと、感情を整理できないタイミングが勝手気ままにやってくる。
泣いても喚いても、その膨れ上がった引き出しがただ閉まるようにはなってくれない。
しかも面倒なのは、それを誰かにお願いしたらだめだっていうこと。
ちゃんと自分で整理しないと、これは大人しく収まってくれないことがほとんどだ。

言葉を選んで、繋げて文章にする。
排泄行為のようなものであってもそれはちゃんと綺麗でなくちゃいけない。
ただ吐き捨てるものにしてしまったら、自分の中で昇華できるものにはならないから。

これは
歌のように誰かに響くものでなくてもいい。
わたしはわたしをやっていくために、
押し寄せる感情の波に流れないように流されないように、まとまらない想いを書き起こして紡ぐ。

引き出しが閉まらないと、
眠れない深夜のような感覚が続く。
引き出しが閉まらないと、
朝は朝になってくれない。

抱きしめられて、やさしい言葉を塗ってもらって迎える一時の安息はすぐに、
まとまらないわたしがぶち壊してしまう。

強くなりたいわけじゃない。
だけども弱いままでいいとも思わない。
飼い慣らせないといけない、こうして膨れ上がるものを整理しながら。
誰かのせいじゃない。
誰のせいでもない。
誰に宛てたものでもない。
わたしのはなし。


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