短編小説:角煮の美味しい居酒屋にて
真日には、あーちゃん、マキというふたりの親友がいた。あーちゃんは大学の後輩。マキは保育園から大学までずっと一緒の幼なじみ。
ふたりとも、それぞれ素敵な相手と結婚した。
とっても喜ばしい、それだけのこと。真日も嬉しかった。なのに、周囲の人は真日のことを「取り残されている」と表現した。
「きっと真日ちゃんにも良い人がいるって」
「真日ちゃんは美人さんだから、大丈夫!」
余計なお世話だ。
結婚したいと思っているわけでもないのに。ここで「興味がないので」と言ってしまうと角