イラストの反省文

今回描いたイラスト


仮面の店主

まずは制作過程を

 何はともあれ、ただ反省をしようとすれば勝手に自傷を始めそうなのでまずはイラストに対する認識を整理する意図も含めて制作過程を振り返ろうと思う。

※自分の努力を認めてほしいという感情を前面に出すのでこのイラストをひどく気に入ってくれた人は読まない方がいいかもしれない。

仮面

 最初はテーマなんて無くなんとなしに機械仕掛けの仮面を描いていたこのイラスト、仮面の上部を立体的に描こうと工夫したがために紙一面に描かれるイラストとなった。

 そう。この仮面の上側、手前側の密度を低くして奥の密度を高くすることで遠近感を出そうとしたの、結構上手くできたと思う。
 いやさ、私の絵の描き方だと遠近感って物の大小とか頑張っても構図でごり押すしかないと思っていたんだけど、意外に塗りの密度でもそれらしさはでるね。(もしかして描いた私だけがそう思ってる?) ……このイラスト見てくれた人の中でも遠近感がでてると信じたいね。
 ああ、あと店主の眼? レンズ? が図らずとも塗りの密度が低いので少しだけ目立ってる気がする。

身体

 仮面、頭が完成したら次に描くのはいつだって身体だ。
 仮面を描き終わったときにはなんとなしに、この仮面を被っているのは小柄なゴブリンっぽいなと思っていたので細身の骨ばった感じを表現しようとした。

 身体を描くときに初めて自撮りというものをした。写真を撮るときはいつだって「綺麗」とか「楽しい」とかそういった感情やら記憶やらを思い出す錨を降ろすために撮っていたが、自分の身体を見るために、ひいては体の構造や光の当たり方を見るために自撮りをしたのは初めてだった。
 このイラストの構図通りに自撮りするのは結構難しかった。何回も撮り直しているうちに首を曲げたときにできる皮の弛みが気になったり自分の表情が気になったりして、よっぽど自信のある時か必要性を求められているとき以外に二度と自撮りなんてしないと強く誓った。

 まあ、不愉快になりながらも自撮りをした甲斐もあってイラストは上手く描けたと思う。猫背で背中に突起が出ていて、胡坐をかいて作業をしている。そんな店主がこちらをぎょろりと覗き込む様が結構愛おしい。

背景

 店主が描き終わったら背景を。
 背景を描くにあたってこのイラストの世界観を決める必要がある。描き終わってからこそこのキャラクターは店主だが、背景が洞窟ならインテリゴブリンだったからもしれないし村を描けば族長となっていたかもしれない。
 このキャラクターが何なのか、どんな日々を送っているのか、何をしているところなのか、そういったことをぐるぐると巡らせて考えて描いた背景だ。

 今回一番頑張ったからもしれない。
 右側の黒いスライムになんかわからん機械、ケーブルの絡まったテレビ画面。左側にはカウンターと作業机に開店の暖簾。そこに住んでる小さな住民が可愛いね。
 ボールペンを掠れるように使って描いた模様? 汚れ? が段ボールとか机の立体感とか質感を伝えられていたら嬉しい。

反省の時間

まずは良かった所から

 製作過程で結構自画自賛したので、努力とかそういったものよりも成果物を評価していくことに努めよう。

・立体感、遠近感の表現
 仮面の上部、身体の肩、(意図してないけど)仮面の瞳の部分は塗りの密度によって立体感、遠近感を出した。

・背景の描きこみ
 店内の風景を意識して段ボールや机、機械、テレビなどの物を配置し、それぞれに詳しくなりすぎないほどの描きこみを行った。

・世界観の構築
 主キャラクターへの描きこみだけでなく背景にもキャラクターを描き、そこに動きをつけることでわちゃわちゃとした世界観を表現した。

自信満々に悪い所を

『欠点は伸びしろだと信じて』

・遠近感の表現
 背景に遠近感があんまりない。(原因は陰影の書込みが薄いこと?)

・視点が集まりにくい
 ごちゃっとしてる感じは表現できているが、そのせいで視点が定まりにくくなっている。このイラストを見たときに目が滑ると思われる。
 改善案としては色を付けるとか構図をもっと練る……とかかな?(絵に詳しくないのでわからん)

今後の展望

・色塗りをしたい
・構図の勉強
・そもそもの絵のクオリティも上げたい
→背景の物とか今回はひどかったので基礎的な物のデッサンでもした方が   いいかもしれない

なにはともあれ

 なにはともあれ結構な力作を描いた気がする。
 私が自分の作品で一番好きな絵はアイコンにしている絵(一応Pixivの短編小説シリーズの表紙絵でもある)なんだけど、今回描いたのも結構お気に入りの部類になりそう。
 そもそもの話ではあるんだけど私ってそんなに絵が上手くないので、こういった何とも言えない(何とも言い難い)絵に逃げたのがこの絵を描くきっかけだった。言ってしまえば型無しで描いているのであんまりよろしいことではないと思っている。(だからこそ逃げ出した普通の絵を練習する必要性を感じている)

 型破りは型を身に着けてこそ。
 今年の夏は少しでも型を身につけていきたいです。

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