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京葉線 分割編成の今後は

京葉線 分割編成の歴史

103系(画像はWikipediaコモンズより)

1986年に一部区間が開業した京葉線。開業時は103系の6+4両編成の分割編成のみ配置され、ラッシュ時は10両・日中は6両(一時期は4両)と時間帯に分けて両数を変えていました。

205系(京葉線用、画像はWikipediaコモンズより)

1990年4月の全線開通と同時にデビューした205系が、京葉線初の10両固定編成になります。1993年12月からは103系も(京葉線内では)10両化され、6両・4両に分かれる機会は外房線・東金線に直通する「なるかつ」と呼ばれる列車(後述)のみとなりました。

201系(画像はWikipediaコモンズより)

その後、京葉線の分割編成(6+4両)の運用は、103系(〜2001年)→ 201系(2001年〜2011年)→ E233系5000番台(4本、2011年〜)と受け継がれ、現在も10両固定編成に紛れて活躍しています。


「なるかつ」京葉線の分割編成ならではの運用

E233系5000番台 通勤快速時のLCD

京葉線の分割編成が分割併合の機能を発揮するのが「なるかつ」と呼ばれた夜間の「通勤快速 成東・勝浦行」と、折り返しで朝に運行する「(成東・勝浦始発の)通勤快速 東京行」。成東へ入線した4両編成は、夜〜翌朝(通勤快速として京葉線に戻るまで)にかけて、東金線(成東〜大網)の運用に間合いで就いていました。


存在意義を薄めた「なるかつ」の区間短縮

(https://www.jreast.co.jp/press/2023/chiba/20231215_c01.pdf)

しかし、2024年3月16日のダイヤ改正で、通勤快速が廃止。「通勤快速 成東・勝浦行(なるかつ)」は「各駅停車 成東・上総一ノ宮行(なるかず)」に短縮されました。

6両編成側(画像は勝浦行時代)

勝浦行→上総一ノ宮行へ運行区間が短縮された6両編成側は、上総一ノ宮に着いた後、夜〜翌朝(東京行で京葉線に戻る時間まで)にかけて、間合いで外房線(千葉〜上総一ノ宮)の運用に就く形に改められました。

E233系5000番台(固定編成)

千葉〜上総一ノ宮は10両固定編成も乗り入れているため、上総一ノ宮〜勝浦への入線が無くなったことで、分割編成の特徴を活用している区間は東金線のみになりました。


ホームドア整備計画、混在するドア位置

バリアフリー設備の整備を促進します
(https://www.jreast.co.jp/press/2022/20220405_ho01.pdf)

さて、JR東日本では、2031年度末頃までに、京葉線の18駅・43番線を含め、首都圏の244駅にホームドアを整備する計画を示しています。

スリットフレームホームドアの整備開始について
(https://www.jreast.co.jp/press/2024/20240820_ho03.pdf)

JR東日本のホームドアには大きく分けて、従来型・スマートホームドア・スリットフレームホームドアの3種類があります。従来型は多段式ドア・スリットフレーム方式は従来型との併用によって、3,330mmの大開口式にも対応でき、ドア位置が混在するホームでの設置のハードルを下げています。

武蔵野線のE231系0番台

京葉線の海浜幕張〜東京間には、8両編成の武蔵野線の車両が乗り入れるため、ドア位置が混在する問題が生まれます。

京葉線・武蔵野線のドア位置の違い

京葉線と武蔵野線のドアの位置の違いをまとめた表になります。1号車・8号車の先頭のドア各1箇所分でズレ等が生じるため、大開口式の整備等の措置が必要になります。ただ、1日に何本も設定されている武蔵野線との直通を打ち切るとは需要的に考えづらいので、こちらは大開口等の対応を取ることになりそうです。

固定編成・分割編成のドア位置の違い

そして、京葉線内においても、固定編成と分割編成で、6号車と7号車の間に運転台を挟むか挟まないかによってドア位置に違いが生まれます。

しかし、1日に何本も設定がある武蔵野線への直通とは異なり、京葉線内で分割編成が必須の運用は「なるかず」の上下各1本のみで、そのためだけに、武蔵野線が乗り入れない蘇我〜海浜幕張間を含めて、大開口式を追加で整備するのは無駄手間です。

注)特急は想定範囲に含まないため、東京駅1番線・海浜幕張駅1・4番線・蘇我駅2・5番線はこれに含みません。


E233系の余剰車の転用とリンクする?

E233系8500番台 ナハN36編成

そんな中(同じE233系が所属する)南武線では、2024年度下期から長編成ワンマン運転が行われることになり、ホームドアの設置や車両への改造が行われています。

しかし(2018年に青梅線から転属してきた元0番台の)8500番台 ナハN36編成のみ改造が行われていません。かつ現在の南武線の運用数は33で、1本が余っています。その上、他編成が改造を済ませてから5ヶ月間も放置されているため、南武線から転出する可能性が極めて高い情勢です。

E233系0番台 トタT71編成

また、中央快速線の0番台からも、9月中のTASCの使用開始・10月中のグリーン車組み込み開始かその後を目処に、3本程度が余剰になる見込みで(グリーン車対応改造を受けていない)トタH49編成・トタT71編成の2本は転出が確定的となっています。

E233系0番台 トタH49編成

N36編成が6両編成で、H49編成が6+4両の分割編成なのを踏まえると、6両編成を複数本組成して転用させるのではないでしょうか。しかし、この3本だけでは数が足りません。

そこで、京葉線の分割編成を活用し、十数本程度を捻出させるために、来春を目処に成東への乗り入れを廃止して固定編成に統一、分割編成を廃止すると予想します。

E233系1000番台

ただ、それをするだけでは京葉線の車両が不足してしまうため、分割編成(4本)を補填できる分だけ10両固定編成を呼び寄せる必要があります。そこで、京浜東北線の1000番台の余剰車(予備7本)を活用するのではないでしょうか。しかしながら、1000番台と5000番台では機器構成に差があり、これが更なる溝を深めそうな予感もします。

また、京葉線の東金線への直通分を千葉始発のローカル運用(6両編成)に鞍替えした場合、6両編成が追加で1本必要になってきそうです。この辺りの兼ね合いも含めて決断を下すのではないでしょうか。

その他の参考資料
⚪︎ Wikipedia
https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E4%BA%AC%E8%91%89%E7%B7%9A#%E9%81%8E%E5%8E%BB%E3%81%AE%E4%BD%BF%E7%94%A8%E8%BB%8A%E4%B8%A1

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