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2 STEP SOUL 3:フィラデルフィア編

 プロデュース・チームのギャンブル=ハフを中心に、'70年代後半に絶大な人気を誇ったフィリー・ソウル。ストリングスを多用したメロウなサウンドはラヴァーズ・ロックや2ステップにも影響大。
 毎回「~は2ステップの人気曲。」で締めるのもしんどくなってきたので、今回からアルバム・タイトルの後に「2ステップの曲:"〇〇"」と書くことにしました。

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ジョーンズ・ガールズ"The Jones Girls"(1979)
2ステップの曲:"This Feelings Killing Me"

 デトロイト出身で、インプレッションズやアレサ・フランクリンと共演した後フィラデルフィアでケニー・ギャンブルと邂逅、PIRと契約した姉妹グループ。"This Feelings~"は黄金のミディアム・テンポと3人の息の合ったハーモニーがたまらなく心地よい名曲。


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ハロルド・メルヴィン&ザ・ブルー・ノーツ"Wake Up Everybody"(1975)
2ステップの曲:"You Know How To Make Me Feel So Good"

 元々はドラマーだったテディ・ペンダーグラスをリード・ヴォーカリストに据えてから人気が爆発、テディの男性的なヴォーカルを生かしたバラードで多数のヒットを放ったグループ。"You Know How To~"は女性シンガーのシャロン・ペイジをゲストに迎えた、穏やかに盛り上がるデュエット・ナンバー。


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アーチー・ベル&ザ・ドレルズ"Where Will You Go When The Party's Over"(1976)
2ステップの曲:"Don't Let Love Get You Down"

 アーチー・ベルは日本でも「タイトゥン・アップ」のヒットで知られるテキサス出身のシンガーだが、3枚目のアルバム以降はフィリー録音が圧倒的に多くなるのでこちらに。"Where Will You Go~"はPIR入りして初のアルバムで、"Don't Let Love Get You Down"は特にUKで人気が高く'86年にチャートのトップ50に入るリヴァイヴァル・ヒットになった。


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マット・コヴィントン"We Got One"(リリース年不明)(写真は再発盤です)
2ステップの曲:"We Got One"

 '70年代に数枚のシングルを残したフィリー・ディヴォーションズのメンバーだったヴォーカリスト。この曲は'80年代前半頃のものと思われるシングル・オンリーの曲で、'90年代にロンドンの海賊ラジオ番組でヘヴィ・プレイされてからはカルト化した。個人的には冒頭のシャウトが苦手なのですが、ステッパー達の人気は絶大だそう。


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ブレイクウォーター"Breakwater"(1978)
2ステップの曲:"Work It Out"

 キーボード奏者/ヴォーカリストで後にはプロデューサーとしても活躍したケイ・ウィリアムスを中心とした8人組。シグマ録音ではなく、プロデュースやアレンジにリック・チャートフやラルフ・シュケット等白人のスタッフが関わっている為か独特のブルー・アイド・ソウル的な爽やかさがある。


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カリン・ジョーンズ"Under The Influence Of Love"(1982)
2ステップの曲:"Ready Ready Love"

 アルバムはこれ1枚のみながら、パワフルなヴォーカルで評論家からも高い評価を得ている女性シンガー。日本でもカッコイイダンス・ナンバーのタイトル曲が知られているが、ステッパーに人気なのはドスの効いたヴォーカルがド迫力のバラード"Ready Ready Love"。


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アングロ・サクソン・ブラウン"Songs For Evolution"(1976)
2ステップの曲:"Call On Me"

 ウジマ(Ujima)~アングロ・サクソン・ブラウン~シルクと'70年代だけで3回も名前を変えて活動した8人組。彼らはバックの演奏も自前で行っているため、典型的なフィリーの音よりさっぱりした味わいがある。"Call On Me"はゆったりしたテンポに女性リードのデブラ・ヘンリーのヴォーカルが映える2ステップ。


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ヒプノティック"Are You Lonely?"(1982)
2ステップの曲:"Are You Lonely?"

 オリジナルはカナダでごく少数プレスされただけというシングル1枚のみの謎のグループ。作曲やプロデュースにフィリーのスタッフが関わっており、グループには初期ブルー・ノーツのメンバーも居たという説もある。音は2ステップにしてはBPM早めで、どちらかというとブギー/ディスコ系のファンにうけそうなタイプ。


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ジーン・カーン"When I Find You Love"(1979)
2ステップの曲:"My Love Don't Come Easy"

 ジャズ・ピアニストのダグ・カーンと結婚して音楽界入りし、その後ノーマン・コナーズとのレコーディングを経てPIRと契約した女性シンガー。"My Love~"は抑えたゴージャスさを感じるミディアム・ナンバー。


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オージェイズ"Love And More"(1984)
2ステップの曲:"Summer Fling"

 フィリー・ソウルを代表する(出身はオハイオですが)3人組ヴォーカル・グループ。"Summer Fling"は絶頂期よりだいぶ後の曲だが、打ち込み系のリズムも無理なく取り入れた爽やかな音作りにこころ和む。

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