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耳を傾けるんだよ

耳を傾けるんだよ
そう 何も疑うこともなく
口をさし挟むこともなく
自らの連想や疑問符は一端脇に置いといて
彼女があなたに与えようとしていることに
耳を澄ましてみよう

彼女が築こうとしている
連綿とした流れに没頭して
身を委ねてみようじゃないか

それはあなたの馴染んだり
思い描いた川じゃないかもしれない
あなたの知識や経験にある川じゃあない
だからこそあなたに
新しい概念やその枠組みを
与えうるのではないか?

畏れず、慕い、信頼して
飛び込むのだよ
その流れに!

全ては理解できないかもしれない
半分も分かんなくって
泣きそうで
もうやだし!
って、なるかもしれない。

でも大丈夫
わたしたちが一度耳にしたものは
脳というスーパーコンピュータに
データとして必ず
蓄積されている

感覚を閉じさえしなければ
その感覚を
恐れず
卑屈にならず
5歳児のそれのまま
オープンにしておけば
必ず掬いとっている
わたしたちの脳は。

そして青年にさしかかってからの
不安定だが長じたこの意識は
意識的に感覚を
開くことができる。
意志の力をもってして
無意識に閉じていた感覚にさえ
気づき、こじ開けて、
再びご開帳してやれる
その力が、
あなたにはあるのだ。

だから耳を傾けるんだよ
やろうと思った時に
わたしたちはいつでもやり直せる。
彼女のことばに
あなたにこの人は何を伝えたいんだろうと
好奇心と一歩引いた敬意を持ち直して
さあ、耳を傾けてみようか

22FEB2020
Satomi S.O

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