浜田翔子×福島裕二写真展

並木橋のバス停に程近いギャラリールデコ。
5階で開かれている写真展に足を運んでみた。

浜田翔子のデビュー15周年に因んだ様々な企画の一環としての写真展。

歳相応な部分と、八百比丘尼的に変わらぬ部分とが、撮り方によって片方だけ現れたり並立したりする。

撮られる準備は怠り無く、いざ撮られたら潔く糊塗せず。
大きなものはB0ノビまで伸ばしてあるので、メイク薄めのカットや笑顔になると目尻などに年相応な部分はありつつ、それも含めて美しく撮れている。
落ち掛けたルージュすら艶に変えていた。

夜景をバックに撮ったカットなどは若干手ブレ気味なのだけれど、暗がりの中に浮かび上がる浜田翔子を見ると、多少の粗はどうでも良くなる。
この辺りは福島裕二の腕による部分。
被写体と撮り手が上手く噛み合っており、写真そのものは非常に見応えが有った。

問題は写真展としての運営。

ルデコの構造的な問題では有るのだけれど、照明を当てられる角度が限られているので光が反射して見辛い。
全体的に「見せ方」や「動線」については思慮が足らぬように感じられた。

また、写真ではなく被写体にだけ用が有る来場者が多く、漫然と写真の前に立ち塞がっているのには閉口した。
(前日に注意が喚起され、これでも改善されたようではある。)

これは物販と特典会的なものに重きが置かれており、その為にだけ来る向きも多いからであると察せられる。
チェキ撮影待ちの列が写真の前に出来ていても、スタッフは気にも留めない。

特典会的なものは「見に来たからには楽しんで欲しい」と言う心遣いであり、また収益性の確保と言う意味合いも有ったと思うが、客の自律性等と言う全く当てにならない物には頼らぬ方が良い。
増して注意喚起をタレントの側に行わせると言うのも論外。

画竜点睛を欠く憾みもあったが、見応えの有る写真展ではあった。

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