葉月つばさ×青山裕企 写真展『巣立ち』
新目白通りの江戸川橋と早稲田のちょうど中間あたり、首都高早稲田出口近くの路地を入って神田川に突き当たるところにあるユカイハンズ・ギャラリーへ。
以前、私的写真集選手権展を見に来たことがあったが、青山裕企が主催する自主ギャラリーであることを今回知った。
着いた時間は丁度写真集サイン会が行われており、枠も塞がっていたので早大通りの中華饅頭屋(※ウマい)で時間を潰して出直す。
撮影場所は晴れた日のマンション的な屋内とベランダ。
時系列で見ていくような並び。丈長のバスケットボールシャツをワンピース的に纏ったものが8カット、下に着ていたスクール水着へ移ろって6カット。
途中でさらりとシャツを脱ぐ、じつにさらり。
腹を括って被写体の仕事をしているからか、衣装が変わっても表情は平ら。
衣装の布面積の多寡で感情がぶれない。
カメラに対しても警戒するようなことは無く、媚びるところも無く、切り取るに任せる感じ。
四つん這いでお尻を突き出すなど、見入っているうちに「ポーズとしてのポーズ」であることにハタと気付くが、表情に気負ったところが無いので「そういうもの」として脳が受け入れてしまう。
後ろから「こんにちは!」と声を掛けられ、振り向くと葉月つばさ。
来場者があると、とりあへず挨拶だけしていたようだ。
生駒里奈や指原莉乃の写真集でも感じたことだが、被写体が人として強く、対象に奉仕するように撮る時の時の青山裕企は、下心が露にならず、割と良い仕事をする。
ガラスの反射を使って画面を二分割し、異なる二つの表情を見せたり、ベランダに傾いで座らせ、それを垂直の線として構図を切ったり、画面構成とまとめる力には唸らされた。
ユカイハンズ・ギャラリーは路地に面した東側の窓から柔らかく外光が入り、打ちっぱなしの天井から吊り下げられた照明が高い位置から作品を照らす。
小体だが見やすく、静かなので見る事にも集中できる。
企画展も連続して行っているようなので、今後も足を運びたい。
(2021.02.11 記)
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