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きゃわふるTORNADO定期公演 ビッグオニオン連れてくよ #33

「予約、お忘れでは無いですか?」的なお知らせが回ってきて、慌てて予約して32番。
有料でも無料でも、動員百人の壁のようなものはあって、それを超えるとプローモーションもマスを意識したものに変えられるのだけれど、あと一歩と言う所迄は来ているように感じている。

前回はドリンク代のみで入場無料で結構な入り。 今回来たお客さんが今の分母であると考えられるが、蓋を開けてみれば前週に遜色ない入り。

別所佳恋は捻挫の為、休演。 「挫」の付く怪我は概してタチが悪く、無理をすると慢性化することもある。 しっかり治して欲しい。

戻ってくる場所を確保しつつ、当座は穴を埋め、穴など無いように見せなければならない。
別所パートは、別所の歌っていた雰囲気を壊さず、割り振られたものがそれぞれの歌い方で。
自分のパートをどう歌いこなすか、代わりに歌うパートをどう歌いこなすか。 2つの命題を同時に解かねばならない。
自分のパートでは特濃な情念をコッテリ盛ってくる石川も、別所パートは野菜マシ。 別所の癖を隠し味にする杏斉ゆか。 それぞれの「解」。
最近の曲は歌割りも複雑なので、完璧とまでは行かなかったが、やろうとしている方向は見えた。
辛くても鼻歌を歌える勁さとしたたかさが、今のきゃわふるTORNADOにはある。

夏フェスを前にして、新曲を2曲投入してきたのだけれど、私の好みに合うかどうかはさておき、狙いは解る。
取っ付きやすく、盛り上がりやすく、夏を感じさせる曲。
着火剤としては良く出来ている。

遮二無二煽るでもなく、しつこく挑発したり恫喝したりもせず、楽しい気分を盛り上げて、一寸だけ背中を押す。
家族とか仲間とか、そういう枠に入らなくても、たまたまその場にいただけで楽しめる。

そんなきゃわふるTORNADOの「楽しさ」の部分を担う曲が増えた。

舞台を縦横に駆け回りつつ、すれ違うメンバーは見切って交わし、スピーカーや壁の手前でピタリと止まる。
道地文子の身の軽さ。

「TIFまでに髪を染めます」的な事を話す石川野乃花。
「この夏はこう見せる」、石川野乃花と言う役を設定し、ひと夏演じ切る覚悟のようなもの。

ティンカーベルのような「面倒くさい可愛らしさ」を振りまきつつ、振り付けの切れ味でかわいいだけでは無いところを見せる宮瀬しおり。
「しおりんです」で済ませる、やんごとない自己紹介に和む。

ときに激しく、ときに可愛らしく、曲ごとに違った形で「歌のちから」を見せる杏斉ゆか。

長い手足と長い髪で「華やかさ」を醸す神咲くるみ。

それぞれがそれぞれの持ち味を出しつつ、揃えるべき所は揃える。
良い夏を迎えられそうだ。

(2019.07.29 記)

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