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MICCHII×NATSUKA写真展「ナツカイズム・リターンズ」

午後から下北沢へ。
街はそのままに改札の配置だけが変わってしまったため、何処を出ると何処へ行けるのか、未だに判然としない。
線路跡の闇市のような広場を抜け、路地に入って地図アプリと睨めっこすること数分、なんとかバロンデッセに辿り着く。

建物脇の階段を真っ直ぐ三階まで昇ると、ギャラリー。

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木戸銭を払って中へ。

部屋ごとに趣向が凝らされている。
全室撮影可能(接写は不可)。

Room1、来し方を辿った部屋。
現在は赤く染めて長く伸ばしているが、キャリアの振り出しの頃の黒髪ボブ時代の写真も。

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被写体の丸みと柔らかさを活かしつつ、程よく生々しい。
精緻でありつつ、ざっくりと切り取っている。
広角の接写でも、歪ませつつも崩しはしない。

Room2、被写体の脳内を表現した部屋。
「脳内で操縦する人の部屋」という設定らしく、コラージュやイラスト、食べかけの食べ物や蝋燭などで、濃い何かが充満している感じ。
噎せ返るような空気。

Room3、前回の写真展でも展示した、大伸ばしした写真を集めてある。
画素的に厳しいものもあるが、大伸ばししたことで初めて伝わる良さもある。

Room4、前回写真展以降に撮影された新作から。
どう撮られたいかについての意思が、強く感じられる。

Room5、Webには載せない「素」の部分を撮ったスナップなど。

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Room2とRoom5は、被写体に用がある人の求める部分。
写真そのものに用がある私は、Room1、3、4を重点的に。

特にRoom1の、一人の写真家の視点で大人びて行く姿を追った連作は見ごたえがある。
そんな中からの選り抜きであるRoom3、現在の姿を捉えたRoom4。
カメラとの向き合い方も変わってきているし、撮る側の被写体への向き合い方も変わってきているように感じられた。

Room1では、広角で寄って撮った#20。
Room3では、水面から首から上だけが出た#30
Room4では、牛乳パックを手に持った振り返りのカット。

NATSUKAと言う被写体そのものを表現する手段として、写真が主に使われている。
そんな空間だった。

(2019.11.16 記)

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