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SFショート

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黄瀬が書いた、空想科学のショートストーリー
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2021年4月の記事一覧

桜花

どぼん、 水たまりに飛び込んだらそこは、 宇宙だった。 映る空に向かって飛び降りようとしたのに、 宇宙に出てきてしまった。 けれど、そこはわたしのよく知る宇宙じゃなかった。 見える星座も、天の河のかたちも、 なんだか違うようだった。 夢は、宇宙飛行士で、 小学校に入ってからは、歯磨きの時間を毎食後3分取っていた。 給食の量が多くて、歯磨きの時間が休み時間にはみ出ても、わたしひとり磨いているくらいだった。 高校は宇宙工学科のある学校を選んで、大学もそうだっ