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SFショート

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黄瀬が書いた、空想科学のショートストーリー
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2020年12月の記事一覧

ネオン

 振り向く君の横顔が、  透明のビニール傘越しに見える。  一歩、歩くごとに揺れる雑踏の景色。  揺れ動くのは、夜の街の匂いに当てられた人々と、  甘く、あでやかなネオン。  それらは、  ゆったりと幕を下ろす、ひかめな雨に乱反射して、  万華鏡の模様のように見える。  頬を膨らます君。 「どうしてくれるの」  云い訳をするわたし。 「だって仕方がないじゃないか」 「仕方なくないよ、あなたの所為でしょ」  わたしが雨女であることは、重々承知のはずなの