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『アイドルマスター シンデレラガールズ スターライトステージ』と『星街すいせい』のコラボ決定に対する感想(という体のダイレクトマーケティング)

  相変わらず記事がツーテンポほど遅くて申し訳有りません。
 というかすでにコラボ開始してますね……、本当に色々と遅いです。

 さて、すでに3週間ほど経過しましたが、星街すいせいとアイドルマスター シンデレラガールズ スターライトステージ(以下、デレステ)のコラボ発表があり、大変驚かされました。というのも、こういった形式でのコラボはまずありえないだろうという結論が自分の中にあったわけで……。
 ではなぜその結論があったかというと「既存のデレステユーザーから必ず反対の声が上がる」というのが分かり切っていたからですね。
 世界観がデレステ内で完結しているのに外因が加わるのは面白くない、と思うのは一般的の感覚だと思います。何でしょうね、「お気に入りの絵画に墨を注がれる」とか「完成したテラリウムに外来生物を放り込まれる」ような感覚でしょうか? 同意なく均衡を崩されて喜ぶ人は稀だと思います故。

 なので反対の声は当然見かけたのですが、それ以上に印象に残ったのが「新規獲得のチャンスだ、自分の推しを知ってくれ!」という、ダイレクトマーケティングですね。プロデューサーさん、逞しいです。 
「ならばこちらも」ということで、今回の記事はダイマ目的となります。


『ホロライブ』とは

 始めに『ホロライブ』について。
 カバー株式会社が運営するバーチャルYouTuber事務所が『ホロライブプロダクション』、そのホロライブプロダクション内の女性VTuberグループが『ホロライブ』で、男性VTuberグループが『ホロスターズ』になります。
 別グループのため分かれて活動することも多いですが、『hololive SUPER EXPO 2024』といった企業イベントでは共に活動することもあるようです。
(※ホロスターズの活動も楽しませていただいている身としては大変心苦しいのですが、今回はホロライブにのみ焦点を合わせたいと思います。)


「Vtuberとはなんぞや」

 初期に比べその意味を大きく広げておりますが、「仮想の体を持った活動者」くらいの捉え方で構いません。Youtubeで活動する必要も、活動を配信に限る存在でもないと思います。そしてその「仮想の体」にアイデンティティが存在するならば、球体だろうが一枚絵だろうがVtuber足り得ると思っています。
 さて、私がVtuberを説明したい際、必ず触れさせていただいているのが『兎田ぺこら』です。「The Vtuber」と言いますか、感情表現やリアクションが非常にダイレクトで、その声とファンタジーな見た目も合わさって、まるでアニメキャラクターが配信をしているかのように感じらせるVtuberらしいVtuberの一人だと思います。Vtuberをまったく知らないという方には「とりあえず兎田ぺこらを見てくれ、話はそれからだ」と言えるくらいには、本当に分かりやすいタレントさんの一人です。配信頻度も高めなので、気が向いたら視聴してみて下さい。


「ホロライブの所属メンバー」

 ホロライブの公式サイトの所属タレント一覧を見ていただければ察せると思いますが、Vtuberにとってファンタジー要素は少数派では有りません。  ただし、設定はしばしば明後日の方向に飛んでいくこともありますので、あまり神経質にはならず、気軽に捉えていただいたほうが配信を楽しめると思います。もちろん、とても大事にされているVtuberも居られますので、その際は尊重してあげて下さい。
 また、推しを見つける際に重要なのは、プロフィールよりも活動内容ですので、各タレントのページを熟読するより、ささっと各タレントのYoutubeページでアーカイブを見たほうが早い思います。「もっと知りたいな」と思ってからプロフィールを眺めるくらいがちょうど良いかと。
 注意点としては、ホロライブインドネシア/ホロライブEnglishは、実際に海外のタレントになりますので、言語や時間帯的に日本人向けでない場合が多いです。また「日本語を話していても漢字は無理」というタレントも多いため、もしコメントする際には、こちらから歩み寄ってあげて下さい。


「ホロライブの活動」

 これはもう百聞は一見にしかずですので、各タイトルとリンクを貼らせていただきます。今回は公式チャンネルに上がっているもののみを対象としており、案件やコラボ、外部企画への出演など、公式チャンネル外での活動は割愛させていただきました。
 なお、選考理由は私見100%とさせていただきます。

 1.ステージライブ
①.2023年 大晦日の年越しカウントダウンライブ
 【 hololive production COUNTDOWN LIVE 2023▷2024 -hololive side-
②.2022年 hololive 3rd fes【Day1/Day2】の無料チラ見せ配信
 【 hololive 3rd fes. Link Your Wish Day1
 【 hololive 3rd fes. Link Your Wish Day2
③.2023年 hololive 4th fes【Day1/Day2】の無料チラ見せ配信
 【 hololive 4th fes. Our Bright Parade hololive stage Day1
 【 hololive 4th fes. Our Bright Parade hololive stage Day2

 ①は昨年末のホロライブのステージライブ映像になります。Vtuberのステージライブ技術はここまで来ました。
 ②③は3rd/4th fesのステージライブ映像です。リンクは冒頭部分のみの無料チラ見せ配信になります。
 そして実は奇遇なことに、5th fes.(2024.3.16-3.17)が目前だったりもします。もし時間と興味がお有りでしたらホロライブ公式チャンネルをチェックしてみて下さい。まだまだ発展途上の世界ではありますが、しっかり成長中なのだという点が伝われば幸いです。

 2.【アニメ】『ホロぐら』シリーズ
①.【アニメ】ホロ☆ぐら
②.【アニメ】風邪ひくってば
③.【アニメ】埋蔵金を掘り当てろ!!(※字幕推奨)
④.【アニメ】みんなを寿司にして遊びた〜い!
⑤.【アニメ】新ネタ入荷しました~♪
⑥.【アニメ】年末に遊ぶな!!準備しろ!!!

 各タレントの紹介を目的としたアニメーション動画です。タレントの演技力やスタッフの技術力を向上させるなどの副次目的もありそうです。
 視聴する側の感覚としては「ローディング画面の1コマ漫画」とか「4コマ漫画」の閲覧に近いかもしれませんね。キャラ崩壊?まぁよくあることよ。

 3.その他
①.【 新レッスン着!ガチ練習配信!
②.【 10名全員で練習!2回目のレッスン配信!
②.【 『hololive shuffle medley 2023』オリジナルMV
③.【 『hololive Shuffle Medley 2024』オリジナルMV
④.【 ホロライブで猫を一番愛してるのは誰だ!
⑤.【対談バラエティ】 #わかり愛たいふたり【百鬼あやめ&鷹嶺ルイ編

 雑多にピックさせていただきました。
 ①②は『2023年 大晦日の年越しカウントダウンライブ』内のフォーメーションダンスのレッスン風景になります。
 ②③は各タレントの衣装&オリジナル曲をシャッフルしてのメドレー動画になります。ある程度の知識というか、ホロライブに詳しいほど楽しめる箇所が多くなる内容ではありますが、知らなければ知らないなりに興味が広がる内容とも思います。ぜひ視聴してみて下さい。
 ④⑤はバラエティ企画からの抜粋です。ほかにもレポートや大喜利などの企画もやっておりますので、興味がありましたら探してみて下さい。

 ここまで読んでいただいたことで、ある程度伝わっていると嬉しいのですが、ホロライブプロダクションの所属Vtuberは、配信活動だけでなく収録や案件をこなし、ダンスレッスンやボーカルレッスンも行っている、アイドル足らんと努力するVtuberです。故に、彼らが「タレント」なのです。
 まだまだ世間からの認識は「イロモノ系」ではありますが、出演や楽曲など各タレントの活動を重ねることで、「タレント」として浸透していくのではないかと思われます。というか、私はそうなって欲しいと願っています。


「星街すいせい」とは

 では、ここからは本命の「星街すいせい」のダイマになります。
 こちらも私見100%で行きたいと思います。

1.歌

 まずは何と言っても歌でしょう
 ということで、6曲ピックアップさせていただきました。
①.Stellar Stellar / 星街すいせい(official)
②.GHOST / 星街すいせい(official)
③.天球、彗星は夜を跨いで / 星街すいせい(official)
④.フォニイ / 星街すいせい(Cover)
⑤.青のすみか / 星街すいせい(Cover)
⑥.superfly「覚醒」/ 星街すいせい(Cover)

 ①②③はオリジナル曲になります。「星」や「夜」をテーマにした楽曲が多いですね。そしてたまに「皮肉ったような曲」も発表しています。
 ①:星街すいせいの代表曲の一つです。童話『星の王子さま』のフレーズを織り込んだ印象的な歌詞が特徴です。
 ②:曰く「(Vtuberとして)この世の全てを憎んだ曲」だそうです。Vtuberとして苦悩や挫折、それでも譲れない心情を届けと叫ぶ、そんな曲。
 ③:個人勢時代に発表されたの曲の一つです。煌めき、流れゆく「星」が誰なのか、と考えると歌詞の解釈が広がると思います。
 ④⑤⑥はカバー曲となります。彼女がカバー曲を選ぶ際の基準は、「自分ならどう表現するか」を重視しているそうです。そのためアレンジの加えた歌い方をすることもあります。
  実は ③と⑤は同じ作曲者(キタニタツヤ)だったりします。2曲の歌詞を見比べてみるとちょっと面白かったり。

2.ステージライブ

 私個人の印象としては、彼女はアイドル活動の中でも、特に「ステージライブ」への思い入れが強いように感じています。
①.【 全編ライブ!歌って踊る姿を見てください!✨
②.【 3D LIVE】Shining Memory 【#星街すいせい5周年LIVE
③.【 3D LIVE】Selfish of a Rough Stone【#星街すいせい4周年LIVE

 ①は星街すいせいの3Dお披露目を兼ねたソロライブです。4年も前です。星街すいせいの「夢(ステージライブ)」とホロライブプロダクションの「方向性(バーチャルの可能性)」が合致した配信でもあります。環境も技術も音響も演出もまだまだ拙い頃ですが、彼女の夢が動き出した瞬間でもあります。
 ②③は彼女の周年記念ライブになります。②③は私のお気に入りということでピックさせていただきました。6周年も楽しみですね。

3.ホロライブ外部での活動

①.Midnight Grand Orchestra(公式チャンネル)
  1stバーチャルライブ「Overture」(冒頭部分のみ)
  1stリアルライブ「Midnight Mission」(冒頭部分のみ)
②.星街すいせいのMUSIC SPACE(再生リスト)
③.星街すいせい・田所あずさ 平行線すくらんぶる(再生リスト)
④.ぶいあーる!〜VTuberの音楽Radio〜(公式HP)

 ①は、星街すいせい と TAKU INOUE による音楽プロジェクトです。どちらのライブも冒頭部分のちら見せ配信になります。
 大変申し訳無いのですが、ミドグラのライブはどう表現したらいいのかわからないので「とにかく見てくれ!」としか言えません……。
 ②③④はラジオ番組です。3番組を経由して、もう4年目だそうです。
②と③の番組は既に終了しておりますが、全ての放送がYoutubeに上がっていますので、そちらの再生リストをリンクさせていただきました。

4.普段の配信など

①.【テトリス99】そう……これはテト雑【ホロライブ / 星街すいせい
②.星街すいせいをプロデュース⁉『デレステ』コラボ開催です👑✨

 ①はテトリスしながら雑談をする枠、通称テト雑です。ここまで来るともう「特技」の段階だと思います。私も初見の頃はトーク担当とプレイ担当が存在していると勘違いしていました。
 ②はデレステコラボに合わせた配信(1回目)のリンクになります。コラボ内容も順次追加予定だそうです。『ソワレ』だけでなく『みちづれ』も実装されるそうです。こうして『Stellar Stellar』実装の期待感を残してくるのはなかなか上手いですね……。

余談、即ちチラシの裏

なぜ王子様なのか

 デレステ内に「お姫様じゃなくて、王子様! なりたい像はやっぱ、そんな感じです」とありますが、ここで言う王子様とは、『Stellar Stellar』の歌詞「そうだ僕がずっとなりたかったのは 待ってるシンデレラじゃないさ 迎えに行く王子様だ」が示すように童話『シンデレラ』の王子様です。
 童話『シンデレラ』におけるシンデレラとは「魔女や王子様に願いを叶えてもらう受動的なキャラクター」です。対する王子様は「ガラスの靴を手がかりに、シンデレラと再会するために行動を起こせる能動的なキャラクター」になります。また「待つことしか許されないか弱さ」と「実現させるために周囲に働きかける力強さ」といった対称性もありますね。
 「星街すいせい」がなりたいのは、そんな「王子様」なのです。

さいごに

 「星街すいせい」の経歴がドラマと言いますか、彼女の活動履歴そのものが一本の物語、いわゆるシンデレラ・ストーリーだと思っています。
 Vtuber黎明期、企業勢すら「配信界隈の飛沫」であった波乱の時期に個人勢として独力でデビューし、3Dお披露目に乗っかる形で実現させた初のソロライブステージ(夢の第一歩)までの約2年間は、特に凄まじいです。
 軽く掻い摘んで話しますと「個人勢Vtuberとしてデビューし1年間活動。その1年間の活動で『個人の限界』を感じホロライブを志す。オーディションを受けるも落選。しかし諦めきれずに再度連絡を取ったことでホロライブプロダクションの別プロジェクトに参加。その後さらに紆余曲折を経てホロライブに移籍」と、ここまでがまず約1年半。かなり異例と言いますか、稀有で劇的な経歴を歩んできました。
 ここからさらに半年間……、誤解を恐れずに申しますと、この時期の星街すいせいはまだ「ホロライブの一員(モブ)」のような存在だったと思います。そんな彼女が「星街すいせい」として知られ、「ホロライブの星街すいせい」と認められたのがhololive 1st Fes.と3Dお披露目になります。まさにドラマティックですね。

 しかし「王子様になりたい」と歌う彼女が、この上なくシンデレラストーリーを体現しているのはなんの因果なんでしょうか……。