私の設計の私の知らぬ事。

「困った人形達が私の所に来てしまうのだ」
同じように自分の研究所に逃げ込んで来たヤエコ達にハルミ博士は続けて聞いた。
「以前から疑問だったのだが何故キミ達は研究所の場所がわかるのかね?」
「何でた?」アマヤスが友人に問う。
「わかんない」いつもの口癖でヒラサカが答える。
三人の視線が自分に集まるのを感じヤエコはおずおずと答えた。
「それは…博士が私達の魂にそう刻み込んだから…」
身に覚えのないハルミ博士は怪訝な顔で先を促す。
「ですから、博士が設計したプログラムのソースコードに住所付きのコメントが…」

// 玩具もビールもあります。遊びに来てくださいね。
// 〇〇区〇〇町 x-xx-x
// ハルミ♡ミチコ

「ミチコくん!!!」研究所にハルミ博士の声が響く。
道理で知らない人形も研究所内に招き入れてしまう訳だ。

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