「われに五月を -第二章 血系譜-」観劇

 人生初の体験でした。
 台詞が言葉と映像と音と色彩になって頭の中にガンガン入って来て、自分の目と耳で見聞きしている情報と立体的に層をなして立ち上がってくる。
脳の奥がジンジンと痺れて情報が血管を通って全身を巡り確かめる。
 まさに「体で験した」といった舞台でした。

 左右田歌鈴ちゃんと麻宮チヒロの短歌の掛け合いも素晴らしく、こちらは頭ではなく胸がふるえて細胞に染み渡る感じがした。
 「清浄」と言ったら良いのか、2人の有り様は勿論だけど、言葉の調や空気の揺らぎ、その場の時間と言った目には見えないものが本当に、ああ、美しいなと思った。

 実はこの舞台を見た後、他人には分からないだろうけど、絵を描いている時自分の描いた線が変わったと思った。本当に描いている本人にしか分からないと思うけど、何気なく描いた1本の線が確かに以前と違うと感じる。おおっ!今までの俺には描けなかった線だ!良い線だなこれは!って。

 影響を受けやすい方ではあると思うけど、ここまで影響が目に見えるのは今回の舞台の持つ力の凄さだと思った。

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