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【詩】アフターグロー

柔らかいシーツの海を漂って
無地のカーテンの向こうから
明日が「やぁ」と顔を出すまで
ただ穏やな怠惰にくるまる
壊れやすい香水瓶みたいにつつんだら
ここは誰も私を傷つけないよ。

寂しさと虚しさのつぎに来る
泥になったようなぐにゃぐにゃの
そんな浅い夢のあと
テーブルの上、淡い光の透明な
花器をなぞる白い指が
なんだかとてもキレイだった。

泳いでいるような
沈んでいるような
木漏れ日の浅瀬でボンヤリと
息継ぎするような寝返りが
なんだかとてもキレイで
なぜだか私は泣いていたんだ。

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