キセキは待ってたんだ

新幹線の座席に乗り込み、カバンからパソコンを出す。「丈くんの部分だけ切り取っておいた〜」聞き慣れた名前に顔を上げれば、左前の席に座っている女性がクリアファイルに包まれた新聞を友人に見せていた。リュックを上げるため後ろを向けば、見覚えのあるアクスタと写真を撮る女子、大学生ぐらいだろうか。

…いやいやいや、まてまて。猛烈にびっくりした。萎縮までした。じょ、丈くんって全国区なの??だって、ここは新大阪行きの新幹線である。10分に1本は出ている新幹線で、そのうちの1号車だ。ここに藤原担が、3人はいる…?東京から始球式を見に行く人間が!?!?!?これをもとにフェルミ推定したらとんでもない量の藤原担がこの世にいることになりそうで…びっくりした。

未だに町中で自担の姿や声、そして誰かが彼について話してる声を聞くとびっくりする。まあ大体はイベントとかCDショップとかだからまだわかるのだが、ナチュラルに山手線とかで聞くとひっくり返ってしまう。もしかして、もう彼はローカルアイドルではない…??????(人間不信)

TLを見る。「丈くん始球式」の文字がトレンドに。イラストがたくさん回ってくる。オリックス公式さんは丁寧な画像まで作ってくれた。グローブまで頂いたらしい。

大吾くんの始球式を思い出す。いや、球団との関係性と歴史が違うしあの時と今じゃ、関ジュじゃなくてなにわ男子だから違うのは当たり前だけど、さらっと告知もなく投げていたように思う。でもあの時、死ぬほど悔しかったのだ。でも、良かったのかもしれない、なんでまだやってないの?なんて言われるほど、待って待って、耐えて耐えて、夢を見続けてきて良かった。きっと今このタイミングが「正解」なのだ。みんなに祝福されて、夢が叶う瞬間を目撃する人がたくさんいて。

公式がハッシュタグを使ってくれる。

#キセキは待ってたんだ

本当である。キセキが起こった、ではない。待ってたのである。ずっとずっと前から。

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