存在しない記憶の具現化方法(2024/05/31)
曲を聴いていると、存在しない記憶が見えてくることってありますよね?
見え方には個人差があると思うんですが、私の場合は断片的なものしか浮かんでこないんです。
だから、中々言葉や文章にしづらい。
別に良くね?と言えばそれまでなんですけども、
最近、友人のシモンさんと仲谷汐さんの二人が始めたラジオ番組「しもしおラジオ」の1コーナーに駒形友梨さんというアーティストの楽曲を聴いて、浮かび上がった存在しない記憶をしたためて送るというコーナーがあるので、どうにかこうにか参加したいなって感じなんですよね。
ちなみに↓がラジオのURLです。
断片的にしか浮かんでこない存在しない記憶の紡ぎ方さえ上手くなれば、駒形さんの楽曲の数だけ投稿できるわけですから、そうなれば最高に楽しいだろうと考え、今から頑張って形にしていこうかなと思っています。
【ステップ1。まずは楽曲を決めようっ!!!】
これは駒形さんの好きな曲or存在しない記憶が浮かんできた曲で始めてみようと思います。
何度も歌詞や曲を見たり聴いたりする関係上、鬼リピしても無問題な曲がオススメ。
私はつい最近、発売した駒形さんの最新アルバム『25℃』からビターフラッペという曲を選択。
ビターフラッペは存在しない記憶が断片的に見えた曲でもあるし、鬼リピしている曲でもあるので最適。
私は癖で文章量が多くなってしまうことがあるので、1番だけに絞って書くことにしました。
ちなみにビターフラッペの歌詞は↓コレです。
【ステップ2。歌詞と曲を聴いて、浮かび上がった記憶をメモろうっ!!!】
ビターフラッペを聴いてみると、先輩と後輩が浮かんできます。
後輩は先輩が好きで、憧れという感情もあるものの、想いを伝えることが出来ずに別れてしまう。という存在しない記憶が浮かんできたので、ここをベースに考えていこうと思います。
【ステップ3。他の歌詞を見て、軸を肉付けしていこうっ!!!】
早すぎる季節に足並みをそろえて、変わっていく景色を受け入れても、無理矢理キミに飲まされた高いコーヒーを結局選んでいる。
という開幕の歌詞。
「足並みをそろえて」の部分と「変わっていく景色を受け入れても」という部分から以前よりも少しだけ精神が成長したという要素を感じます。
更に続けて「無理矢理キミに飲まされた高いコーヒーを結局選んでいる」という部分。
これはエモいですね。
これはもういない先輩に半ば強引に進められて始めた何かを、先輩が卒業してもういないのに、未だに続けているという要素を感じます。
続いての歌詞に進みましょう。
「いつか言っていた言葉の本当の意味が分かった。答え合わせは遅すぎるかな?」という部分。ここは今は不明瞭なので少し泳がせましょう。次に参ります。
次はサビの部分。やはり良い歌詞をしてらっしゃる。
「弱さで手放した宝物、何度も正解だと思っても、胸にこびりついて離れない」という歌詞。
あぁ…こりゃあ、進路だね。
先輩は何かで上を目指すための進路を行く。そんで後輩に「君もいくでしょ?」みたいな感じで言ったけど、後輩は自分に自信がないことと、そんな自分が一緒に先輩とこれから先も一緒にいるのは、先輩の夢の邪魔になりそうだなって考えて、断ったけど、
未練があって、未だに1人、思い出す。みたいな要素を感じます。
続いてサビの後半。こちらも何ともいじらしい。
その後も後輩は先輩から誘われた何かを継続していて、ちょっと結果を出した。
そんでLINEで活動の成果を送ろうとするんだけど、勇気がなくて、その思いを押し潰してメッセージを消す。という部分まで見えましたね。
ここで先輩と後輩の間柄の方向性がズバッと決まりました。
これ、美術部の先輩と後輩にします。
【ステップ4。今までの要素を文章にまとめてみようっ!!!】
放課後、誰もいない美術部の部室の窓から見える紅葉を見て「あぁ…先輩が卒業してから、しばらく経つなぁ…」と思わず独り言を漏らす。
私は絵を描くのが好きだった。けど、それを不特定多数の人に見せるのは趣味じゃなかった。
だから美術部になんて入る気はなかったのに…。
高校1年生の中頃。美術の授業のときに美術室に忘れてしまった画材を放課後に取りにいったとき、先輩に出逢う。
先輩は私を見るなり「美術部に入ろうっ!!!」と強引に勧誘してきた。しつこくて、圧が強い人で、どうしようもなくなって、思わず私はOKと言ってしまった。
そんな、半ば強引に入れられた美術部を結局は先輩が卒業してからも続けているのは我ながら少し呆れてしまう。
絵を本格的に描くなんて思ってなかったし、ドクターグリップとルーズリーフという安上がりな世界で完結していた私に、無理やり買わされた高い画材を見ながら、昔の想い出に浸っていた。
そんなムードを学校の5時を告げるチャイムが一刀両断する。
え?そんな時間?と私は思わず窓の方に顔を向けてみると、そこには、あんなに綺麗だった紅葉が目立たないくらいの夕陽が眩しかった。
そういえば、先輩に「なんで私を美術部に勧誘したんですか?」って質問をしたときも、こんな感じの夕陽だった気がする。
別に絵に対する熱意も技量も先輩よりも全然下だった私をなぜあんなに熱心に勧誘したのか?
あのとき先輩は「顔だよ、顔」と、あっけらかんと答えていて、意味が分からなかった。
あれって何だったんだろう?
駄目だ。頭の中が先輩一色になっていくのは良くない。そうだ。今から学園祭の実行委員から依頼されていた看板のデザインを考えて気分を紛らわそう。
そう思った私はスケッチブックにドクターグリップをはしらせる。
あーでもないこーでもないと夢中になってデザインをしていると、見回りをしている先生から「そろそろ帰れー」と注意をうけた。
ビックリして外を見て、2つのことに気がついた。
1つはいつの間にか景色が真っ暗になっていること。
そして、もう1つは真っ暗な窓に写っていた私自身の表情が、とても楽しそうであったこと。
私は今更になって先輩の言葉の意味に気がついた。
あぁ、私って絵を描くの、思ったよりも好きだったんだなぁ…ってことに。
時は流れて学園祭の看板も完成。
思った以上の出来に私自身も鼻高々だった。
こうも懇親の作品だと、いらぬ欲が出てしまう。
先輩に見てほしい。という、いらぬ欲が。
私はLINEを起動し、看板を見てきて欲しいというメッセージを作成した。
あとは送信ボタンを押すだけ…。
しかし、勇気が出なかった。
先輩が卒業する少し前、
美大に進学すると私に高らかに宣言した先輩は、続けて私にこう言った「君も来いっ!!!一緒にまた絵を描こうっ!!!」と。
行きたかったし、描きたかったけど、
私は先輩よりも才能が無かったし、情熱も無い。
そんな奴が美大に入ってはいけないだろうと思い、私はそれを断った。
それから先輩とは何だか気まずくて会っていない。
そんな奴がいきなり学園祭の看板が上手く出来たから見に来て欲しいと連絡する資格があるのだろうか?
そんなことを思い、数分の思考の後、私は作成していたLINEのメッセージを全て消す。
スマホのスイッチを切り、勢いよく空を見上げる。
見上げた空は曇り空。しばらくそれを見上げたあと、
乾燥した冷たい空気を目一杯吸って、吐いた溜息は有り得ない話だろうけど、何だか苦い味がした。ような気がした。
【最後に】
いや、長いわ。
誰が最後まで読んでくれるんだよ。こんな長文。
でもまぁ、大体この手のコーナーはこんな感じで考えながら楽しく取り組むことが多いです。
全国の、しもしおラジオに投稿する方々の参考に少しでもなれれば幸いです。
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