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【note100枚目】浅草ロック座へ行ってきた1

意図したわけではないけどキリ良い100枚目。

 今年7月から始めたストリップ鑑賞の趣味。この趣味を始めたなら行かなきゃならんでしょう、浅草ロック座!ということで、緊急事態宣言も解除されたし、ようやく県を跨いで移動してもネットの知らんオタクからつつかれることも、自分の行動方針を曲げる事も無く元気に活動出来る。もちろん感染予防対策は続けて。飲酒飲食は手早めに。趣味は心身共に元気に楽しんでこそ。何年ぶり?2年ぶり?くらいの新幹線に乗ってはるばる来たぜ浅草。

 東洋ショーでしかストリップを見たことが無かった私。なかなかのカルチャーショックを受けまして。感動、感激の大嵐でした。

浅草ロック座

 言わずと知れたヌードショーの殿堂。著名人たちも愛した歴史と伝統が染み付いている劇場。ドラマやバラエティ番組で目にしていた時よりもこぢんまりと狭く感じた。もっと広い劇場と思っていた。客席には傾斜があり、本舞台・花道・盆は目より少し上の高さにあってどこからでも見やすい。興行場としてもいい劇場だなぁと感じた。あと関係ないけど道中で『月曜から夜ふかし』が街頭インタビューをしていた。ほんまにやってるんやな(あたりまえ体操)

秘すれば花

 浅草ロック座では1つのテーマに沿って8つの場面(景)で構成されているらしい。今回の公演は能の演目をベースされているようで、カウンターには演目の概要を説明するペーパーが置かれていた。軽く目を通してからそれぞれの演目を見るとより理解が深まってとても良い。

1景 翁 橋下まこさん

 開演を飾る華々しい演目。橋下まこさんを中心に踊り子さんが総出で舞台を彩ります。誤解を恐れずに表現するなら、橋下さんがお釈迦様に見えたんよね。後光が差して、とてもありがたい気持ちになって思わず合掌してしまうような。他の踊り子さんたちもそれに付き従う天女のようで、ご来光…ご来光や!!!という気持ちに。群舞で作るストリップのステージという文化に初めて触れて、こんなにありがたくもゴージャスで美しくてエッチな世界がこの世にあっていいのか…?ここはこの世なんか…?と何回か考えた。ありがたいのに橋下さんのおっぱい揺れてるし、ちっかかってるし、えっちだなぁ…と思わず合掌した。

2景 鵺 沢村れいかさん

 光あふれる場面から暗転した一瞬で、暗く冷たい場面へと一瞬にして変わって目を疑った。暗く冷たい川の舞台装置、無数の矢が射抜かれて磔にされた鵺。この世の終わりのように黒く、おどろおどろしい、圧倒的な負の存在感に頭を打たれた。沢村れいかさんの一挙手一投足が鵺の「この世に対する怨み」を地に刻みつけているように思えて息が出来ない。沢村れいかさん、凄かった。ダンサーさんとのトライアングルでのパフォーマンスも見応え、名場面しかないように思えた。

3景 三山 鈴香音色さん

 待ってました!愛してんぜ音色。これスト客さんたちの間で100万回は言われてるフレーズやと思う。手元のペーパーとは感触が少し違う?ポップで可愛らしい巫女さん姿での1曲目。これはどういうことなんだろう?音色さんもまだにこにこしてるぞ?え?なんで?と思っていたら、大量のスモークの後に赤が劇場内に充満する。さっきまでのにこやかな巫女が、燃えさかる情念と狂気を身に纏って赤から姿を現した時、ゾッとした。「まじない」は「呪い」と書くという言葉を思い出した。指の先まで筋立つようなどこにも力を抜くことが出来ない負の感情。それは彼女自身をも圧し潰してしまうのではないだろうか…原典では一応彼女自身の落とし所へたどりつくようなんだけど、今日見た音色さんの桂子からは、まだそれが無さそうだなと感じた。でも、私の心は音色さんの爆乳で少し救われました。

4景 葛城 矢沢ようこさん

 しんしんと静かに降る雪がとても美しかった。自然の脅威を人に表した存在とした矢沢ようこさんの姿もとても美しかった。真っ白で、しなやかで、とても妖しい。ダンサーさんが4人も出てきてとても見栄えが良く華やか。鏡に光を反射させる舞台演出が矢沢さんを輝かせるダイヤモンドダストのようで本当に美しかった。美しかったしか言ってないけど、本当にこの4景は美しかった。真っ白でイノセンス、なのに矢沢ようこさんの色香が妖艶。アンバランスさやお経のリズムで何かが狂って乱れていくような不思議な感覚でした。

ここで10分休憩。景ごとに一瞬で視覚も、世界観も変わってしまう浅草ロック座の演目。本当にこれはその時にしか見られない「景色」の連続なんだなと感じた。あと4景かな?で初めてリボンさんを見た。すっげー技。ちょうどリボンさんの位置から対角に座っていたから、迫り来るリボンの雨の下らへんにいた。

5景 菌 桜庭うれあさん

 ここまで比較的落ち着いたトーンの演目が続いてたところ、一気に賑やかに…いや、姦しくなった!笑 原典はキノコ退治の祈祷をする山伏が返り討ちに遭ってしまうという演目のところ、男性教師山伏と女子生徒キノコちゃんたちというおもしろ展開。メインのキノコちゃんはうれあさん。ピンクでド派手でとってもキュート!!サイコー!!女生徒キノコちゃんたちを踊り子さんがされていて、山伏先生はキノコちゃんたちに踊らされっぱなし。最後は一緒に踊り出してオトナのピクトグラムで特別授業をしちゃう。なんじゃこりゃ!?なおもしろ演目でした。うれあさんはこういうノリノリでダンサブルな演目が本当によくお似合いになる。ネオンカラーのお召し物が白いお肌と光る汗に映えまくり、リズムに乗って音を刻むダンスに酔いしれまくりました…はぁ………大好き!!!!!!!!!(10.17追記)5景が姦しくて「なんじゃこりゃ!?」な演目だったのは、『菌』が狂言に当たる演目だからと知り納得。こうした構成も能の様式を踏襲されているかなと思った。

6景 半蔀 雨宮衣織さん

 月明かりに照らされる夕顔と、健気に人を待つ女性。夕顔と光源氏の儚い恋をモチーフに作られた静かにとても切ない演目に思えた。雨宮衣織さんの切なげな表情と、夕顔を大切に愛でながらもずっとどこか悲しそうで寂しそうな姿に胸が締め付けられた。光源氏来てやれよったくよ………といない存在にヤキモキしながら、彼女の静かなひとりの時間を見守る畳と化してました。マインドが。ヒャッハーキノコちゃんからの落差えぐいんよ。

7景 紅葉狩 南まゆさん

 『秘すれば花』のメインともいえる7景。センターで魅せるのは南まゆさん。つい先日東洋ショーで個人演目を拝見したばかり。あの時と同じ人とは思えないステージに圧倒された。踊り子さんたちも総出で紅葉狩を楽しむ女の人たちを演じて、秋の紅葉風景も相まってとても色合いが美しくて華やか。みんな楽しそう。………と思ってたら1人、また1人と鬼へ姿を変えてゆく。先ほどまでの優雅でしなやかな装いから一変して荒々しく獰猛で乱暴な表現へと変化し、本当に取って食われそうな感覚さえ覚えた。最後に1人女の人へと姿を変えて盆に現れた南さん。ポーズを切る時はキリッと見栄えよく、指先まで美しくて優雅なダンスに見惚れた。素晴らしいよね!よかった…このままこの景も終わる…と思いきや最後の刹那、鬼が姿を現す。鬼が女に化けたのか、女が鬼と化したのか。どちらにも解釈できて、双方向からの面白さがある演目のように思えました。

8景 猩々

 名残惜しくもフィナーレ。踊り子さん、ダンサーさんが総出演で飲めや歌えや踊れや騒げの大団円!橋下さんとうれあさんは連獅子のような格好で主に「飲めや」を担当(笑)お二人の連獅子の動き、とても豪快でかっこよかったです。全員の名前が紹介され、息のあった美しいダンスで〆となりました。

 ここまで書いてたら新幹線の旅もいよいよ大詰めと相成りました。弾丸も弾丸の行程だったけど、本当に行ってよかった浅草ロック座。楽しかったよ浅草ロック座。ありがとう浅草ロック座。ステージに向かって一礼して劇場を後にしました。(10.17追記)女性客が多く感じた。比べる根拠が東洋ショーしかないけど、さすが浅草ロック座だなぁと。女性の固定ファをも多く抱えられる踊り子さんの層の厚さ、自力の強さを感じた。

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また来るね。

楽しい時間をありがとうございました😭