【note140枚目】 浅草ロック座へ行ってきた 6
先週6月19日、浅草ロック座へ行ってきました。これを書いている本日、『REBIRTH』公演が6中結のみの公演ということを知った。7月以降も3rdまであると思っていたよ…観にいけてよかった。
今回は過去の公演演目より、ファンからリクエストを募って再演させる試み。とはいえ、まだまだビギナースト客の私が見たことある公演・演目のほうが断然少ないので全景初見です。
1景 橋下まこさん 『ハートの女王』
「最高」以外の感想と、ただでさえ少ないボキャブラリーが吹き飛んでしまうほど、公演スタートから強烈な演目。赤と黒を基調とした衣装、アクセサリー身にまとっているもの全てが細部に至るまでかわいい。大きな羽根扇子を操りながら舞う姿はとてつもなく美しくてゴージャス。まこさんご自身のボディーの造形美が過ぎるので、ハートのまこ女王のフィギュアが欲しい。笑 トランプの衛兵が「A」「6」「9」「3」なのも小ネタが効いてていい。
元ネタの「ハートの女王」って、けっこう傲慢で瞬間湯沸かし器っぽい激しめの感情の人ってイメージなんですが、まこ女王、ぴったりです。お客さんを見下しながら、煽りながら盆へ移動する様子なんかは「盛り上がらなければ首を刎ねるぞ」と言わんばかりでゾクゾクした。私だけを見ていろ!!と言わんばかりの圧巻のポーズ切りもすごかった。でも一番グッと来たのは、舌を出して挑発しながら移動盆へ捌けていく瞬間でした。照明演出も相まってビリビリした。浅草ロック座の照明演出って本当にすごいなっていつも感じる。
2景 白鳥すわんさん 『酒呑童子』
「夢幻」「FAMME FATALE」を見て作りあがっていた白鳥すわんさんのイメージが木端微塵になって跡形もなくなってしまった。この方は本当に、果ては大看板になりそうな踊り子さんだなあと改めて感じた。
討伐隊との大立ち回りをストリップという世界であれだけ表現してくるのってすごいよ。酒呑童子の悪辣さ、殺しの愉悦、不気味さを絶対的な幼さが残っている外見と身体で演じさせてきた浅草ロック座こそ鬼やないか…。(初演のラインナップを見ながら)それはすわんさんも例にもれず。討伐した後にせめてもと祈りを向ける人間がいてよかったなと感じた。
で、そのあと。これは私が勝手に感じたことなんだけど、2曲目以降は死後の表現なのかなって。鬼に「死後の世界」があるんかはわからんけど、鬼だからこそ永久に逃れられない苦しみにもがき続ける道しかなくて。お盆でももちろんポーズを切るんだけど、のたうち回ったり、おおよそ美しいとは思えない格好になったり、時間をたっぷり使って苦しみ続けているって感じで…動きひとつひとつにお花が舞うようなすわんさんとは思えない凄惨さで正直引いた。でもそれでいい。1回やるだけでかなり消耗しそうな演目を4回もやり遂げるの、すごすぎる。
正直1景2景が個人的に強烈すぎてこれ以降の記憶が…めちゃくちゃ曖昧。
3景 ののかさん 『銀河鉄道の夜』
序盤の朗読は事前に録音したものではなく、毎回パフォーマンスをしながら生で朗読してると聞いて驚いた。だから目の前で繰り広げられる世界に音と一緒に入り込める感覚があるのかな。宮沢賢治の世界観と、全身もしゃもしゃの衣装が独特すぎて集中が分散してしまったけど…。
ベッド着がまさしく銀河を表しているような、光を受けてキラキラときらめくものですごく綺麗だった。その中心にいるののかさんは一層輝く運河に見えた。あと個人的にののかさんのお身体がめちゃくちゃ好きなので、また目にできて幸せでした。
4景 ゆきなさん 『狐の嫁入り』
しとしと降り続く雨と、暗闇にぼぅっと灯る提灯。幸せ溢れる「嫁入り」とは到底思えないそれは妖の嫁入りだからなんだろうか。なんか不気味だなあと感じていた理由はおそらく、演者が誰も顔を見せないから。お付きも、お嫁さんも。ずっとお面をかぶったまま。顔が見えないって、妙な不安感が煽られるんだなあと感じたんだけど、もう一つは、ずっと「塊感」のあるパフォーマンスだったからなのかもしれない。なんて表現したらいいんやろう…振り付けとか、フォーメーションとかが、「個」じゃない感覚というか。
やっとお面を外したのはお盆へ上がった時。その時には、嫁ぎに来た幸福感とか、初夜のドキドキみたいなものがゆきなさんを通じて感じられて、ああ、よかったなってホッして演目を終えられた気持ち。
中休憩では、今回のリクエストで惜しくも採用ならなかった過去演目がダイジェストでまとめられていました。ほぼ見たことない公演、演目ばっかりで、中には、すごいなこれ見てみたいなあと感じたものもいくつもあって。また巡り合えたらいいなあ。
5景 桜庭うれあさん 『Talking flower』
私が行くときのうれあさん、1景か5景説。それに限ったことじゃないだろうけど、公演における大事な要所を任せられる踊り子さんってことなんだろうなと思うと、ファンとしてもなんだか誇らしい気持ち。
5景は全員出演でにぎやかで華やか。色とりどりのウィッグと傘で本当にお花たちがおしゃべりして楽しそうにしているみたいな。ニップレス(って名称じゃないと思う。あの飾りなんて名前なんやろ)もそれぞれのカラーに揃えられていて、なんかもう全員が全身美しいしかわいいし、お尻がぷりぷり。笑 お尻にも踊り子さんごとに個性があっていいよね。
お盆でのうれあさんは、ポーズ切りも迫力があって、それでいてお客さんを見つめる時は花を愛でる可愛らしい少女のような雰囲気もあって、ぼーっと見とれてしまった。踊るために鍛えられた体躯、華やかな容姿、「踊り子」として咲く花なんだろうなって。
1景と5景は『Wonderland』という公演の演目らしい。きっとそれだけ人気の公演ってことなんだな。
6景 空まことさん 『チャップリンの演説』
今回はじめましての踊り子さん。かなりのベテラン踊り子さんらしい。
映画に疎い私でもさすがに知っているこの作品。英語の時間に見た記憶あるなあ。演説シーンのバックに、とっても地味な恰好で一人舞い続ける空さん。でもぱっと見の地味さが、演説と相まってとても胸に来るものがあった。うまく文字で表現できないけど…切実さとか、大切にしてほしいこととしての訴えかけとか。
地味で色のなかった世界から、空さんがベッド着へ着替えた瞬間に一変する。劇場は明るく照らされ、カラフルで不揃いな衣装をまとった空さんが花道からお盆へ移るだけで華やぐ。自然と手拍子が沸き上がる。あんなのは初めて感じた。すごい踊り子さんだった。
7景 真白希実さん 『巴』
先日、年内での引退を発表された真白さん。もう見られる機会はほとんどないと思うと、今回見られて本当に良かった。残りの機会は最大限大切にして見ておきたい踊り子さん。
さてこの演目。巴御前を表現してる演目なんだけど、真白さんにぴったりというか。強く気高く美しい。薙刀を振るって共に戦い続ける美しい武士。序盤の花びらが舞い上がる中、甲冑姿の侍装束で薙刀を振るう巴、舞台芸術としてあまりに美しすぎてビビる。ここストリップ劇場なんよな?こんな演出もできるのか!!と驚いた。あれは名場面中の名場面だと思う。
甲冑を脱ぎ捨て、下着の装束だけになってもなお短刀を肌身離さず、共にお盆で舞う姿には、巴の木曽義仲に対する思慕や、共に最期を迎えられなかった後悔みたいなものを感じられて泣けた。「生きること」を託された巴が光に消えていくの、美しいけど悲しさも感じられたな…。
フィナーレは揃いの真っ白なドレスで華やかに!音楽は耳を澄ますと、あのドラマのリミックスになっていてちょっと面白かった。
今回も素敵な時間をありがとうございました!また来ます!
おまけ
今回はSUPERJUNIORのイェソンお兄さんのアクスタを連れて遠征してみた。アクスタ遊びって楽しいですね。