カラオケ行こ!の映画

劇場では今日が見納めかなーって思ったので、感想とか書いていこうかなと思います。映画と、原作漫画のネタバレも多分入ってきてしまうと思うので、嫌な方は見ないでください。

先ずは〜、好きなところ!
綾野剛さん演じる狂児さんの、おっさんっぽい時が好き。
映画版の狂児さんは結構スタイリッシュな感じで、おしゃれ。原作の狂児さんはダサいとか、仕事柄だらしないとかそう言うことはないけど、普通におじさん。痩せてるからおじさんっぽく見えないけど。ジムでも通ってんのかな。
シーンとしては、聡実くんが探してくれた歌と間に挟んでる紅で疲れながら、聡実くんの前を横切って行くとこ。
あと、聡実くんに紅途中で止められてから再開しようとして、手で悪いねみたいにやるとこ。おじさんってあれやるよね。若い人はあれ、あんまりやらない。なんでかはわからないけど。
言葉喋ってるところだと、組の皆さんのカラオケダメ出しの時、最後の方で膝つく前の「……よっしゃ」がすごい好きだな。聡実くんのためにしてくれて。
あ、あと聡実くんが玉井と会っての恐怖からの、なんか欲しいもんあったんか、こうたるわ、みたいなところも。
最後のスナックカツ子での「ごめんな」も好き。
脚本にあるセリフだと、地獄に決まっとるけどな、のやつ。めちゃ格好いいね……。二度とこんなとこ来たらあかんよ、もいい。
あー、あとね。ハイエナの兄貴が音楽教室入ってく回想の、その前の!あの!聡実くんに言おうとするんだけど、言葉が出てこなくて、あの……!あのシーンの芝居がめっちゃ面白くて……!!あそこはマジで毎回大爆笑。

斉藤潤さん演じる聡実くんの周りのみんなは、聡実くん含めて、すごくいいよね。
特に、和田くんとお友だちの栗山くん、ご両親がよいな。
和田くんは、脚本の妙ってのもあるけど、悪役にならずにとても可愛らしい真面目で先輩想いな子になっていて、卒業式の日なんか笑ってしまう。
栗山くんもとてもいい感じだし、お芝居が上手いなって思う。

ストーリーの方は、本当に映画として、聡実くんの物語として丁寧に作られているなって言うのと、脚本が無駄がなくてすごいなって思います。(そりゃ、プロの方達なんだから当たり前なんだけど)
すごいなポイントとか、とにかく書いていきますね。
えー、先ず鶴の入れ墨。映画の冒頭ですが、すごい格好いいし、説明として無駄がないし、入りとして最高。そして普通に格好いい。
で、後でお父さんが買ってきてくれる傘(責められるのはお母さんなんだけど笑)、鶴をさして雨の中出ていく聡実くん……。はい。
そして、その次は、合唱の歌です。『影絵』って言う合唱曲の歌詞……凄すぎてびっくりしちゃう。影がないから天国には行かない、とか、戸惑いながら覚悟しているって……。あの、あのー……ってなります。
次。自分の代わりがいる、からの、自分の代わりがいない(らしい)方からのライン。しかも使い方もわからんのに買ってるって、どうすんの……からの、「カラオケ行こ」ですね。
聡実くんが選んでくれた歌歌ってるシーンはどこも好きだけど(選曲は原作通りだけど、無駄がなく、また歌詞を出してる曲に関しても大変に意味がある感じになってる)特に好きなのは、並んで座ってるとこ。あと、紅の番号記憶してるとこね笑。
和子さんの話のネタバラシ?は「?」ってなってる狂児さんが面白いし、怒っちゃった聡実くんも面白い。
その後の、ビデオデッキ壊しちゃって落ち込んで(?)る和田くんのところはもうずっと面白い。
その更に後の、中古のビデオデッキ探しに行くとこは、財布がめっちゃ中学生だなってなるし、6000円入ってないんだなってなるし、玉井が原作の聡実くんの感想どおり全然言葉通じない感じでヤベーってなるし、聡実くんの戦慄の顔が可哀想。玉井がばこーんってされた後も、聡実くんまだ怖いの収まってなくて(そりゃそうだよな)、でも最後に紅歌ってた時の走馬灯?で、あの時の財布拾ってくれた狂児さん出てきてたじゃんね?もう、ホントよかったぁ……ってなったんだろうね。
あそこは、原作っぽい流れで狂児さんが聡実くんを後ろに退かせてぶち叩く感じになっていて、自然。狂児さんの真顔。あのシーンさ、玉井の米村さんの肩パンチが強すぎていつも笑っちゃうからなかなか注意して見てられないんだよね。
映画だとどんなふうに考えてるのかはわからないけど、あれ、原作だと玉井と狂児ってまぁまぁ中良くて昔からの馴染みなんだと思うんだよね。だから、ホントはこんなことしたないねんけどの「むっちゃごめん顔文字」だと思うんだよね。まあ、自業自得ってものあると思うけど、もうやらないって言ってたじゃねーかみたいな気持ちとか、聡実くん護らないと、だけじゃない何かがあるのかなって思ったり。狂児さんが何考えてるかはわからんけど。
それから、後輩の和田くんも、家族もみんな、合唱がんばれ、先輩は完璧ですって言ってくる中で、歌えないなー……って言う気持ちがあって、でも狂児さんはきれいじゃなくてもいいって言ってくれるって言う、あの(多分)事務所の屋上のシーン……。
それで、とりあえず合唱祭に向かったら、あんな事故が……。で、スナックカツ子へ。
あの、歌?叫び?は……映画館で見てる周りの皆さんが泣いてるのもわかるよ。(ただし、組の構成員の皆さんの芝居が面白くて笑っちゃうので、聡実くんにめっちゃ集中してるんだけど、私は)
ドアの外で聞いてる狂児さんね、さっきも書いたけど、本当のとこは何考えてるのかはわからないけど、あんなさ、最後の大事な合唱祭ほっぽって、絶対歌わないって言ってたのに、こんな怖いとこまで一人で乗り込んで来てさ。栗山くんが「愛は与えるもの」って言ってたじゃん?お母さんはお父さんに鮭の皮をあげてて、もちろん元気お守りももらったんだけど、そう言う目に見えるものじゃなくてもさ、あんなものもらったらさ、いや、どうしようもなくね?もうどうしようもないよね……。
あの狂児って人は、原作でも好きな気持ちや嬉しい気持ちがあるとボディタッチなどする(してしまう?)人みたいだから、それがあの「腕、重いです」なんだと思うんだけど、それでさ、こんなもんもらってしまって、すごい大事な子だなって明確になったんだろうね。(恋愛的な好きかどうかは私にはわからない)
原作の話するけど、で、大切だから離れようと思って離れたわけだけど、空港で見つけてしまったわけだ。でも、まあ、ここはやり過ごそう、せっかくこの数年関係せずにいたんだから、と。人って考えないでいると、自然と忘れていくものだからね、時間の経過はその人やその事象がどの程度のものかによるだろうけど、自ら思い出したり考えたりせず、全く触れずに居たら、そのうち忘れていけるもんだと思う。それで、聡実くんをスルーしていこうとしたけど、ふと見たら自分の名刺(それも、あんなくっしゃくしゃの)を持ってるじゃない……と、思ったら座ってしまってたんだろうなって思う。
狂児さんが言ってたとおり、聡実くんの青春をおっさんで埋めるのはいいことじゃないと私も思う。まあ、それがいいかどうか決めるのは聡実くんなんだけど。それが、多分、ファミレス行こ。なんだと思う。
ファミレス行こ。は、今ところ、二人の意地の張り合いや、強がり合いや、誤魔化し(隠し?)合いのせいで、大変にこじれまくりすれ違っていて、とても苦しい感じなんだけど、二人の社会的な立ち位置を考えると、そうならざるを得ない。
聡実くんがこの先どうなることを望むのかはわからないけど、聡実くんと、できれば狂児さんも楽しくあってほしい。二人の人生が交わらなくても、お互いが納得のいくようになればいいな、と思ってファミレス行こ。を読んでいます。

紅の歌詞と、映画で使われている合唱曲『影絵』の歌詞は、本当に聡実くんの気持ちを表しているようで、ファミレス行こ。にも紅くらいは出てくるんちゃう?と思ってしまうくらい。
でも、少なくとも映画のカラオケ行こ!は、原作のカラオケ行こ!とも、ファミレス行こ。とも少し違うように思う。だから、ファミレス行こ。がこの先どうなるのか、楽しみに待っています。
それで、何か悲しいことがあったり、落ち込んだことがあったら、映画のカラオケ行こ!を見たいなって思います。
それくらい、カラオケ行こ!って言う映画は大好きな映画です。以上!!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?