のがみと:BFC千字戦2回戦

 私はある時期にコメダ珈琲に通っていました。
 朝、七時開店のコメダ珈琲です。だから理想は朝の七時にコメダ珈琲に行くのが正解です。朝七時ちょうどに行かないと端の席が取られてしまいます。コメダ珈琲の一人掛けの端の席というのはとても価値があります。
 コメダを出たらその近くにある幸楽の湯に行きます。幸楽の湯は朝の10時に開店しますので、それに合わせてコメダ珈琲を出ます。でもたまにコメダ珈琲が盛り上がっちゃうときもあります。
 そうすると幸楽の湯の方は列ができています。しかし樽の形をしたたっぷりアイスコーヒーが思いのほか私のテンションを、ションテンを盛り上げてしまったりする場合もありますので、ほかにはピザトーストとかが、あいつの中の卵がはみ出してきたりしたりして。
 そういう時は仕方ないのかなと、一番風呂に入ってすぐに出たい輩はまあ、仕方ないことかなと。そういう風に考えます。コメダほどの憤りはありません。
 お風呂から出ると、家に帰ることになります。その途中に、君とならいつまでもというパン屋があります。
 そこのパンを私は毎週のように買っていました。

 君とならいつまでも

 そういう名称のパン屋です。私はこの時期そのパン屋の事を話の中に入れたりしていました。君とならいつまでも。なんて面白い名前なんだ。誰が考えたんだ。君とならいつまでも。声に出したら恥ずかしい。きっと恥ずかしい。すごく恥ずかしい。でも、おいしいパンなのです。食パンです。私はその時期週に一回コメダ珈琲に行って、幸楽の湯に入ったら、帰り道に必ず君とならいつまでもでパンを買っていました。これらはセットでした。逆に言えばコメダ珈琲に行かなかったら、幸楽の湯にも行かなかったし、君とならいつまでものパンも買いませんでした。
 でも今はもうその習慣もやめてしまいました。今考えるとあの時の私は頭がおかしくなっていたのかもしれません。

 こないだ久々に北浦和に行きました。君とならいつまでもの隣にセリアがあるので、そこに行ったのです。すると驚いたことに君とならいつまでもは無くなっていました。その代わりにそこには乃が美が開いていました。
 あらーって思いました。
 というのも浦和にあった乃が美が無くなって君とならいつまでもになっていたからです。
 交換したんだろうか。そんなことあるんだろうか。私はセリアの事を忘れてしばらく乃が美を見ていました。

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