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漫才の中と外を自由自在に楽しむ体験〜にぼしいわしの『漫才2』


9月2日に楽屋Aにて行われたにぼしいわしの『漫才2』

通常ライブとは異なる構成と演出で唯一無二の癖あり超面白ライブでした。
少し前のことにはなりますが、謎多きライブ『漫才2』の感想備忘録を残したいと思います。

謎のライブ内容…

9月からの東京進出が発表されたにぼしいわしさん。
(その後9/30に無事東京上京ライブを行い、10/1にまさかの最速大阪凱旋、そして10/4に再び東京活動本格スタートをしています)

迫る9月22日の大阪ラストライブを目前に
『東京に行く前にやり残したことやる』というテーマで発表されたのが今回のライブ『漫才2』でした。

ライブ紹介ページには
ちょっと禍々しいイラストと共に下記のような説明文が

にぼしいわしが大阪でやり残した、
様々な「漫才2(ツー)」の数々を皆様に披露します。
漫才2とは一体?

『漫才1』と言うライブがあったわけではないので、続き物のライブではない模様。

ぽっかりとこの世に現れた『漫才2』
更に目を引くのがその下に書かれていた注意事項です。

【注意事項】 
・特殊効果(におい・暗闇・大音量など)により悪化する症状をお持ちの方は、ご来場をお控えください。

アングラ劇団のような注意書き
一体何が行われるのか…大阪でやり残したことってなんなんだ…そして『漫才2』のタイトルの意味とは?と謎だらけのまま当日楽屋Aへ。

ライブスタート

『このライブは漫才1を色んなものに当てはめた時に、漫才2は一体何なのだろかと考えたものをい〜っぱいやってくライブです』

と言ういわしさんの影ナレと、怪しい笑顔でピンスポを浴びる板付きにぼしさんで『漫才2』はスタート。

幕間ごとに、にぼしいわしの考える

漫才1を〇〇とした場合の
漫才2は●●


という定義がテーマとして提示され
それに沿ってネタが披露されていくのですが

この漫才2は●●の定義がめちゃくちゃ曲者で最高に面白くて
タイトルを読んだ瞬間笑えるものから、ネタを見ることで『なるほど』と感嘆するもの、
ネタを見ても『どういうことだって?』と見返したくなるものまで。

とにかくあらゆる角度や視点こねくり回される定義が面白おかしく『脳が喜ぶ』体験でした。

一番最初の定義は

漫才1=漫才1本
漫才2=漫才2本

2だから2本漫才をやるということで
にぼしいわしとゲストのヒレカーテンの漫才をそれぞれ1本ずつ披露しました。

脅威の学生芸人ヒレカーテン


今回のゲストは学生芸人のヒレカーテンさん。
漫才がめちゃくちゃ面白いのはもちろん
Wメガネの出たちと佇まい、不思議な間と声質、ヒレカーテンでしか表現できないことをしている…と感じました。

何より『漫才2』と言う異質な構成と設定を盛り込んだ初の試みのライブにおいて、全く浮くことなく、その世界観を作り上げる一つのピースとして初めからかっちりハマってるかのような不思議な存在感がありました。

どんどん『漫才2』の世界へ…

ライブが進むにつれて私たち観客は
『舞台上でマイクの前に立ってネタをする芸人を見るお客さん』ではなくなります。

ネタを外から眺める『漫才1』からネタの内へ取り込まれる『漫才2』へ。

音、ニオイ、暗闇を効果的に使うことで
見る、聞くだけでは足りない五感フル活用の漫才体験、
まさに楽屋Aが『お笑い4DX空間』と化しました。

にぼいわの2人が繰り広げる漫才の「中」に
私たち「外」であるはずの観客が引き摺り込まれるこの面白み…これはめちゃくちゃ言葉では表し難い面白さです。


缶に宇宙を閉じ込める

この『漫才2』の表現し難い面白さ、
前衛美術家、赤瀬川原平の『宇宙の罐詰(かんづめ)』を思い出しました。

出典元: selection/よりぬき文庫

蟹の缶詰を買ってきてその中身を取り出す。
ラベルを剥がしてそのラベルを今度は蟹缶の内側に貼り直す。
再び缶をハンダで密閉してしまう。
こうして内と外を反転させることで
その瞬間私たちのいる宇宙は全て蟹缶の内側になってしまう

この『発想の転換のおかしみ』が私は大好きなのですが、『漫才2』はまさにこの蟹缶のごとく舞台上で漫才がくるりとひっくり返って、空間全てを私たちお客さんごと漫才の世界に閉じ込めてしまうようなそんなおかしみが、たくさん詰め込まれていました。

漫才『生活の中心がとじまり』


『漫才を見ていたつもりが漫才の中にいつのまにか取り込まれる』と言う特殊な感覚と体験。
思えば既ににぼいわさんにはそういう漫才がありました。
それがこの『生活の中心がとじまり』です。



このネタを見た当時こんな感想を持ちました。



この時の感覚を更に研ぎ澄まし、

頭からしっぽまでみちみちに発想の転換の面白みが詰まっていたのがまさに今回の『漫才2』というライブでした。

今回の『漫才2』にぼいわさんの何が凄いって、これを1時間のライブとしてきっちり形にしてみせたところです。

漫才の中と外を自由自在にひょいひょい移動するにぼしいわしさんの姿がとても楽しく唯一無二で他では絶対見ることができないライブでした。

こう言うことを思いつき形にできるいわしさんの脳みそ、


それを目の前で体現できるにぼしさんの怪演力、

にぼしいわしの底が知れない…と改めて思わされたライブでした。

『漫才2』本当に面白い唯一無二ライブでした。

『漫才2』の2を『お客2』として、今から首を長くして待っています。

※『漫才2』は通常の配信販売での一般公開はありませんでしたが

月額制アプリにぼしいわしのファニコン【にぼいわし屋さん】にて有料にて見ることが可能です。(10/4現在。以後一定期間をもって終了するかと思います。)

このファンクラブ
月一にぼいわさん全手描き新聞が読めたり、
めちゃかわいいグッズが当たるスクラッチがあったり、超フライング情報が聞けちゃったり

どのコンテンツもにぼしいわしの旨みが凝縮しまくりでめちゃめちゃ面白いファンクラブなので色々覗いてみるのもおすすめです。
月初のこのタイミングに入るのがおすすめ。
でも月初じゃなくてもおすすめ。


※以下ネタバレあり

ハヤイカガヤイさん今回初見だったのですが
衝撃の超新星でした…!
コントと平場もボンゴも最高!
(Gakuya Bバトル1位おめでとうございます!)
これからにワクワク!


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