フランス × オランダ Euro2024


スタメン

ゲームレビュー

基本はフランスが保持で押し込み、オランダはカウンターを狙いたい試合展開。
フランスに2度の決定機があるも決めきれず、スコアレスドローの結果に。

フランスの保持は433。
チュアメニ、カンテ、ラビオが代わる代わる最終ラインに落ちてきて、エルナンデスとクンデが調整するも、最終ラインに4枚かけることが多く、重め。
右はデンベレとクンデがレーン交換していたが、左はエルナンデスが幅取りの固定。ラビオが持ち場を離れることが多かった。

オランダは433で守備をセット。
そこまでアグレッシブに前から行く訳では無いが、ミドルブロックを敷いて一定のラインは保ちたい様子。
フランスが4人最終ラインに並べているので、基本カンテを見ているシモンズが、機を見て最終ラインにアタックし、同数を作る場面もあるが、サリバの縦パスでひっくり返されたり、ジリジリと押し込まれる時間帯が多かった。

フランスの攻撃は押し込んでデンベレの個人技と、テュラム周辺のグリーズマンを絡めたコンビネーションが崩しの肝。
デンベレは相手がアケでそれほど攻略できず。
テュラムのフリックから2回グリーズマンが決定機を得るも、決めきれず。

オランダの攻撃はデパイとガクポを活かしたカウンターが中心。
ふたりともスピード重視のハイリターンな選択をとり、一度でも合えば、という感じであったが、決定機は作れず。
シモンズのゴールはオフサイドとなったが、妥当な判定。

チームレビュー

フランス 

グリーズマンが決めてればと言いたいが、戦犯級の外し方でもないし、決定機の数自体多く作れなかった。
この試合のようにある程度押し込んだゲーム運びだと、エムバペがいれば、ペナ角から仕掛けて2〜3回は決定機を作ってくれるので、彼の不在は痛かった。
あと気になったのは、奥行きを取る選手が少ない。ラビオはいくつかランを見せたが、ファン・ダイクとデ・フライを動かすようなランは試合通じて多くは見られなかった。
テュラムはランナータイプと勝手に思っていたが、どちらかというと、どしっと構えてフリックを多用するタイプだったので、それならグリーズマンがもうちょっと動き回れるとよかったか。

オランダ

フランス相手のため、サイドにWGタイプのフリンポンを選択し、ダンフリースの上がりを少し自重させた様子。
CBが釣り出されることも少なく、SBも自重気味なので、グリーズマンが外した2度の決定機以外はそこまで崩された印象はない。特にアケはデンベレとクンデがレーンを変えて攻めてくる中よく頑張った。
ラインダースとシモンズは推進力があり、カウンターの水運び役として奮闘したが、ラストプロダクトでは違いを生み出せず。
デパイは1試合目から安定したプレーとはいえないが、今日の試合は彼のアイデア頼みなところも多く、なかなか外しづらいか。

プレイヤーレビュー

サリバ

不慣れな左CBでもビルドアップで違いを見せた。
プレスが来てもギリギリまでパスコースを探し、差し込む力は流石。
オランダは彼の縦を消してウパメカノに集めるべきだったか。
守備の局面でも安定していて、フランス代表正CBの立ち位置を堅固なものにするパフォーマンスだったと言っていいだろう。

ラビオ

デシャンの戦術の肝。
動きすぎるきらいはあるが、圧倒的な運動量とスピード、フィジカルプレゼンス、水準以上のテクニックを備えるため、トーナメント戦において彼のような選手がいることは非常に大きい。
2度あったチャンスシーンについては、確かにプレー選択はベストではなかったと思うが、そこにいるのが彼だということは評価されるべき。

グリーズマン

チームとして上手く相手の最終ラインを動かせず、バイタルで受けてシュートやラストパスという十八番の形は見せられなかったが、一つ落ちてビルドアップの出口として貢献。
チャンスを決めていれば文句なしだったが、差し引いてもチームを支えるパフォーマンスであった。

カンテ

機械のような彼のプレーがまた見れて嬉しい。
圧倒的な加速力と運動量は全く衰えておらず、この試合も接点に多く顔を出してボールリカバリに貢献し、攻撃面でも自ら運んだり裏抜けしたりと2人分以上の働き。
彼はサウジに行くにはまだ早すぎた。

シモンズ

2年前ELでアーセナル相手に点を取り、たまに追いかけて試合を見ているが、今大会パッとせず。
馬力を活かした推進力は見せているが、ラストプロダクトの閃き、プレー精度がイマイチ。
デパイのポストプレー、ガクポのドリブルに加えてライン間で彼が違いを生み出せるかどうかが、今大会オランダのカギになる。

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