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物怖じ

「物怖じ」
この傾向が強い印象のある日本人
一歩踏み出せば、それまでの世界が崩れてしまうだろうという物怖じ
自分が育ててきた世界から
想像の行き届かない世界へ踏み出すのは誰しも怖い
けれど志を持つ者は
然るべき瞬間の為に日々の生活を通して研鑽している
それでも怖気づいてしまうのは
自己と外界との現実的な誤差を研鑽の途中で計算に入れていない
乖離を埋めるような稽古を重ねていない為である

相手と自分が同じ尺度をもって向き合うなら怖さは薄れる
しかし現実はそれを担保しない
いや尺度は常に違っている
相手は自分は別の尺度を持っている
見覚えのないほど大きな尺度のような気がする
このような気配を感じとってしまうと
もう一歩も進めない

個人の世界観のサイズは
日頃使用している言葉の質からも影響をうけている
発する言葉だけではなく
家族や仲間達によって耳に飛び込んでる言葉からも
暗示をしめすように影響を受けている
これも環境整備の一つとして踏まえなければならない
人間は考え違いを起しやすい
自己を鼓舞するために
過分な思い込みを行う
信じ込もうとする
無意識に自己が自己を称えた結果
幻想世界を膨らませがちになるが
実はその世界は存在しない
実在しない世界にいたままではリアルには立ち向かえない
歯が立たないのである
思いもよらない本物の矢を打ち返され
見事に急所を射抜かれて
こんなはずではなかったと肩を落とし
孤独な物語りへ逃げ帰るしかないのである



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