見出し画像

夢だけど夢じゃなかった夜

備忘録です。
最悪な毎日の中にも最高な出来事って時々起こるから、そんな瞬間を集めておきたいのです。


「お酒飲も」
「飲みましょ!」

仕事からの帰り道。
東京タワーを正面に、奢ってもらったビールを飲みながら、信頼している大好きな先輩と2人で歩いていた。

仕事終わりのビールってどうしてこんなに美味しいのか。
その日の仕事は色々あって、もう散々で、2人とも疲弊していたから尚更沁みたんだと思う。


他愛もない会話をしていたら、2人が乗る駅が近づいてきた。

「飲み終わった?」
「まだです」
「お酒持ってるし、次の駅まで歩くか」
「そうしましょ!」

帰り道が急遽、夜の散歩に変わった。

夜の散歩は昼の散歩と違って心がふわふわして、ちょっと悪いことをしている気分になる。
けどその特別感が大好きだ。
(もちろん昼の散歩も大好き。)



普段絶対に仕事中にはできないような会話もたくさんしたし、先輩自身のことも知ることができた。

いつも相談される側とか話を聞く側の人って、実は話を聞いてほしい気持ちがものすごく溜まっている。
だから話を聞いてくれる数少ない人には、とてつもない勢いで話してしまう。
(精神科医にも専属の精神科医がいるみたいな?感じ)


普段からその先輩にはたくさん相談してしまっているし、どうしようもない悩みをぶつけてしまっているので、その日の夜は私が聞き手に回ろうと決めていた。


先輩が嬉しそうに色々と話してくれる姿を見て、私までとっても嬉しかった。


(年齢性別問わず、散歩しているだけで楽しい人とは長く深い関係性を築けると思っている。)


駅に着いて電車に乗ったら、満員も満員で。
金曜の夜だし、大江戸線は小さいから仕方ない!

こんなに近い距離に長時間いることは絶対にないからドキドキした。

LINEの画面を見せ合って会話をした。
先輩のコートのチャックを閉めたり、袖口のスナップボタンを勝手に留めたりした。
そしたらつま先をコンコン蹴ってきた。
2人でアイコンタクトで笑い合った。

高校生みたいな気分で面白かったな。
幸せなことだからこそ、もう二度と起きて欲しくないと思ってしまった。
この夜の出来事はこれだけの記憶として大切にしていたいから。


おわり




ようやくnoteが書けた。
その事実が何より嬉しい。

余談で、
この前新宿駅を歩いていたらエスカレーターの一瞬のすれ違いざまにこんな会話が耳に入った。

「もうまじでめんどいんだけど。」
「何が?」
「人生」

私は心の中で「まじそれな」と大共感。
と同時に、みんなちゃんと人間なんだなと思って微笑ましかったし、自分だけが悲劇のヒロインを気取っている場合じゃないなと思った。

生きていくのって面倒くさいし、今の自分で生きていける人生って一回しかないからつまらない。
(一回きりだから面白いっていう捉え方もできるけれど)

また不安定でしんどい毎日が続く。
退屈と憂鬱と二人三脚で、時々幸せも加わって三人四脚で、ぼんやりした不安を纏いながら生きていく。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?