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ある零細法人経営の実際

 昨年の今頃、自分の中で、2022年2月22日には進退を明らかにしなければならない、と考えていた。

 特に理由はないが、2が並ぶゴロのいい日だからと漠然と考えていたなのかもしれない。

 だが、まだ決断できずにいる。


 正直、このままではいけない、と思っている。

 すべてが中途半端である。


 法人の経営はいつも行き当たりばったりである。

 生きていくために、自分の理念とは違う仕事も引き受けてやらなければならない。

 もちろんそれも自分自身の勉強になる。

 SDGsだって、Society5.0だって、講演依頼を受けなければ勉強もしないし、知らなかった。


 ただ、それが自分の、法人のミッションか?といわれれば疑問を感じることもある。


 一般社団法人結学舎のミッションは、

 当法人は、つながりによる長期的な視野にたったまちづくりに寄与するとともに、住民一人ひとりが幸せで充実した生活を送ることが出来るサービスを提供することを目的とする。

とある。

 
 そのために、

 1.人材育成

 2.生涯学習

 3.スポーツ

 4.地域づくり

 の各種事業を行っている。


 ここまではいい。

 問題なのは、その事業の配分である。



 実際のところ、今法人の主力事業は、「3.スポーツ」と「4.地域づくり」である。

 「スポーツ」に関しては、スポーツ教室として「フットサル」「ヒップホップダンス」「ヨガ」「スケボー」「子どものボール運動教室(バルシューレ)」を行っていて、会員も40名ほどとそれなりの活動は行ってきている。

 そのほかにも、小学校や幼稚園、保育園、発達障害施設などに出張して、ボール運動教室を開催したり、障がい者と一般の方が分け隔てなくできるインクルーシブ・スポーツとして「ボッチャ」や「ウォーキングサッカー」などに取り組んでいる。

 
 また、サッカーに関しては中学生のフットサルチームを組織し、県3位という結果も出した。
 
 そして、来年度からは、地元のサッカー少年団統合の受け皿となるべく準備を進めているほか、女子成人のフットサルチームと連携していく予定であり、来年度には会員が100名を超える見込みと想定している。

 しかし、である。

 

 はっきり言ってスポーツ事業は赤字である。

 この地域ではスポーツ事業のみでは生き延びていけない。

 法人を運営するための適正な価格を考えれば、例えば小学生向けのスポーツ教室であっても、1回につき2,000円~3,000円の参加費が必要だ。

 月謝になれば10,000円以上となる。

 しかし、この地域で子どもに10,000円を投資する親などいない。

 もちろんプロスポーツ選手を目指したり、トップアスリートを目指したりするのであれば話は別である。

 しかし、そこまで求めていない親にとっては、スポーツ=タダくらいの感覚である。

 それでも、おかげさまで会員の方には理解をいただいているので、有料で事業を行うことができる。


 もちろん、講師も、フットサル日本代表経験者だったり、県下トップクラスのダンス講師をそろえている。

 その、講師の質に見合う教室が展開できていないことが、収益につながってこない。


 これは、法人の代表者の自分の責任であり、その力のなさを痛感している。

 自分は、スポーツ部門から手を引くべきではないか?


 そして、地域づくりである。

 地域づくり事業のほとんどが、市からの受託事業で、自治会や自治会を超える地域の連合体に出向き、話し合いなどを通じた計画づくり、事業支援などを行っている。

 この事業は、正直、自分が中心というか、実際自分しかやってない。

 もちろんデータ収集などの作業を、アルバイトの方に頼むことはある。

 しかし、現地に出向いて、地域の方と一緒に考えたり、事業をしたりするのは自分で、ほかの理事も地域づくり部門は何をやっているかわからない状態である。

 また、1人でやっているものだから、この方向性が正しいのかどうか自己判断にゆだねられ、検証できない。

 そして、人件費が安く済むので、スポーツ事業の損失を地域づくりの稼ぎで穴埋めしているのが現状である

 
 このままでいいわけがない。


 法人を設立して間もなく6年となる。

 この地域を変えたくて法人を設立したが、理想とする地域になってるか、というと答えは「NO」である。



 その責任はすべて自分にある。

 一つには、「地域づくり」について、自分の理念と合致する人材を発掘、育成できずに独りよがりの事業になっていること。

 逆にいえば、自分の理念と合致する人材を探していること自体、同質性の罠に陥りやすいのに、「ぼくみたいなやつ」を探していること。

 

   自分みたいなやつでなくても、総務、人事、経理などの本質的な事務をきっちりできる人材はこの地域にも多分いて、その人材を登用できていないのがこの法人の一番の課題かもしれない。

 

 もう一つは、「地域はこうなったほうがいい!そのためにはこういう知見があって、こういうことをすれば少なくとも地域は変わっていく」という明確なイメージを言語化できず、地域に訴える事ができていないこと。

 そして、そのためには、もっと自分をつかって、この法人を広くアピールしていく必要があって、その方法を今考えているところである。


 もう2月も終盤に入った。

 3月は決算期。

 4月には法人の第7期に突入する。

 
 このままではゾンビ企業になってしまう。

 積まれた書類を整理して、今一度、戦略を練り直そう。 
 
  

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