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【読書】誰かがこの町で 著者佐野広美

一昔前は、自己啓発本ばかり読んでました
四捨五入で50年生きてきて、成果を振り返ると…
最近では「人間とは?生きるとは?生き様とは?」
にシフトしつつあり小説もいいもんだなと感じます
で、新聞広告で目にしたこの本をゲット

帯に敏感に反応して入手へ

多少ネタばれますが、

21年前の「誘拐」殺人事件
19年前の一家「失踪」事件
現在の 老女殺人事件    が、

一家失踪事件の真実を追いかける現在の視点、
我が子が「誘拐」され殺されなんやかんやで
一家「失踪」事件が起きるまでの約20年前の視点、
が交互に描かれやがて一本の線で繋がっていく

現在から真実に迫っていく描写と
約20年前の真実の描写が交互に記載
(最初これどうやって繋がるんや?と思った)

リコール隠しに結果として同調した者…
学校のイジメに同調してしまった者…
親の圧力で真実から目を背けた者…
地元の名士の自己保身から…
ある町の安全安心幻想に囚われた者…

社会にありがちな陰湿な世界に寒々しさを感じた

形は違えど
会社で長く働いていると
わけわからんローカルルール、
暗黙の了解事項、
明らかにおかしいのに戦友とかいって酔いしれてる
存在意義のわからん組織、
もの言えばほぼ非国民状態に追いやられる組織、等々
思い出すと胸が締め付けられます…

でも最後には
悲しさや つらさも覚えたが、
一筋の希望も見いだせて満足度高めです

江戸川乱歩賞ということで内容は確かと思います。

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