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【初心者、中級者向け】「良い」デッキの作り方【ポケモンカードゲーム】

お久しぶりです、りぜと申します。
この記事はいつものデッキ解説ではなく、「デッキを作る上で大切なこと、意識したいこと」に焦点を当てた記事になります。

トレーナーズリーグやシティリーグなど人によって目標は様々だと思いますが、デッキのリストが決まらないときやどのように組めばいいのかわからないときにこの記事か参考になれば嬉しいと思い筆を執りました。

最後までよろしくお願いいたします





採用するカードには理由を持たせる


長いのは嫌いので先に結論を書きます。
デッキを作る上で一番大切なことは『カードの採用理由を自分の言葉で説明出来ること』です。

これだけだとわかりにくいので例を挙げて説明しますね。
例1、リザードンex

筆者が最近使っているリストです

このリストはある部分にこだわって作っています。
(少しでいいので考えてたらスクロールしてください。)





考えられましたか?

正解は『盤面作りの再現性、安定性』です。

これが如実に出ているのが「ロトムV」と「森の封印石」をそれぞれ2枚採用しているところです。

このリストを作る上で真っ先に考えたのは「リザードンex」というデッキの性質です。

リザードンというデッキはカースドボムやカウンターキャッチャーを絡めた制圧力の高さが強力なデッキな反面、序盤の安定感に難を抱える。
一方でバーニングダークやブライアの存在から多少の出遅れであれば充分に巻き返しが可能なデッキでもある。


思考の過程

思考1→今の環境では出遅れたが最後、『ファントムダイブ』を被弾して盤面が壊滅したりと非常に苦しいゲームを強いられることが多いと考えたので、高い再現性で盤面を作れるようにしたい。
特に攻撃出来ない1ターン目を3ドローに充てることが出来る「ロトムV」を出して手札を整えつつパーツを集めたい。

進化デッキの相棒



思考2→盤面作りの再現性を第一として考える場合、たったの1枚で理想の盤面を作ることが出来る「プレシャスキャリー」が適しているのではないかと考えた

あったかいカード



思考3→「プレシャスキャリー」にさえアクセス出来ればヒトカゲ、ポッポ、ヨマワルやロトムVを確実に並べられるが、1枚採用のロトムVがサイド落ちしていると「即席充電」が使えないため手札が増えず、盤面作りに支障をきたす可能性が高いと感じた。
1枚採用のカードがサイド落ちする確率が約10%なことに対して2枚採用のカードが2枚ともにサイド落ちる確率は約0.85%であり、2枚目を採用すればゲームプランに「即席充電」を安定して組み込めるようになるため2枚目を採用


思考4→毎回のゲームで安定してロトムVを場に置けるようになったことで、「プレシャスキャリー」と同時に「ペパー」からアクセス可能でロトムとくっつきの良い「森の封印石」の価値が上昇した。

Vstarパワー『スターアルケミー』は欲しいカードにアクセス出来るので、序盤のパーツ集めに加えて温存できれば「ボスの指令」や「カウンターキャッチャー」などのゲームを決めるカードに触れて強力である。

上記のサイド落ちの確率の話からわかるように2枚目を採用することでゲームに安定して絡められるようになるので、より安定した盤面形成が可能になると考えて2枚目を採用。

ミュウ時代お世話になりました


「安定して盤面を作るためにサイド落ちをケアする」という理由でロトムと封印石の枚数を増やしたことが思考の流れから分かったと思います。

他にも「ネオラントV」は「ハイパーボール」から「ペパー」にアクセスして「プレシャスキャリー」+「森の封印石」でサーチ出来る(ハイパーボールが初動札になる)という理由から採用していたりします。


例2、サーナイトex

筆者が使っているリストその2

このリストで意識している部分は『輝くゲッコウガを強く使うこと』です。

思考の過程

思考1→エヴォリューションの返しにキルリアを取られることが多く、エネルギーが手札にあればリファインとほぼ同じ働きをしてくれる上に事故率を下げてくれる『輝くゲッコウガ』を採用したい

便利屋


思考2→『輝くゲッコウガ』を採用しても場に出せなければ意味がなく、ボウルタウンやなかよしポフィンに対応していないのでゲッコウガをサーチ出来るネストボールは2枚取りたい


思考3→「隠し札」を使うためには手札にエネルギーが必要で従来のサーナイトのエネルギー配分(超7悪2)ではゲッコウガを有効活用するのが難しいので、エネルギーの総数を増やしてより使いやすくする


思考4→ゲッコウガを採用した分クレセリアが抜けてしまい『ファントムダイブ』に対して弱くなってしまったので抗えるように「月明かりの丘」を採用

祝:再録決定

思考5→月明かりの丘を使うには超エネルギーが必要なので効果を使いやすいように超エネルギーを増やして超8悪2の配分にする

こんな感じで、自分が採用しているカードの理由と枚数をしっかりと言葉に出来ると納得のいくリストに仕上げられることが多いです。



自分の中でラインを設ける


これも自分が意識していることです。

現在のポケモンカード、とにかく自由枠が少ないです。
ボムギミックなどで構築の枠が圧迫されることが多いので、デッキスロットが限界の中で日々試行錯誤されていると思います。

リザードンだったらミストエネルギーを入れたい、サーナイトだったらクレセリアが欲しい、おまもりの2枚目を入れたいなど様々なことを考えると思いますが、メタカードにデッキ枠を割くあまりデッキのメインとなる部分を疎かにしてはいけません。

前提としてデッキパワーと事故率は比例します。
やりたいことを詰め込んだデッキは最大出力は高くなりますが、安定性(出力の平均値)が犠牲になっています。

1試合だけならそれでもいいかもしれませんがCLのDay1は9試合、シティリーグの予選は6試合あるので安定性を犠牲にしたリストではどこかで事故を起こします。
戦績を語るに必要なのは1回の勝利ではなくアベレージです。

そのために意識することは「ボールやサポートなどの初動札の最低枚数を決めておくこと」です。
ひとり回しツールで確認するのも良いですし、少しずつリストを変えながらジムバトルに出てどのラインまでなら許容出来るかを感覚で把握するのも良いと思います。

そこで決めた最低ラインはどれだけデッキスロットがカツカツだったとしても削らないようにしましょう。

必要な初動札の枚数を確保した後でミストエネルギーなどのメタカードの採用を検討するべきであり、メタカードのためにボールや必要なパーツを削っては元も子もありません。

サーナイトだったら「ペパーナンジャモ4-4+ポフィン4+ハイパーボール2+ネストボールとボウルタウンを計3枚」のようにデッキが回るための、最低限ポケモンを並べるときに支障の出ないラインを必ず守って構築作りをしましょう。


毎試合1回使うカードは2枚目の採用を検討する


これは先ほどリザードンのときにも説明しましたが、「ゲームプラン上必ず使用する」と感じるカードは2枚目を採用した方がいいことが多いです。

わかりやすいのは「サーナイトex」の「わざマシンエヴォリューション」、「ミライドンex」などのアグロデッキにおける「イキリンコex」などがこれに該当します。

サーナイトexは基本的に「なかよしポフィン」+「エヴォリューション」でラルトスをキルリアに進化させてリファインでデッキを回していきます。
基本的には1回しかエヴォリューションを使用しませんが、その1回の「エヴォリューション」が宣言出来ないとキルリアが準備出来ずにデッキが機能不全に陥ります。

ミライドンexやドドロクツキexにおいても後攻1ターン目から「ごっつぁんプリファイ」や「カラミティストーム」を狙う上でサポート権を使用せずに山札を引ける「イキリンコex」が使えたかどうかは攻撃の再現性に関与します。

そのカードのサイド落ちが死活問題になる場合、たとえ枠が無くても2枚目を採用してケアした方が結果的にデッキ自体の強度が高くなります。

1枚採用のカードが6試合(シティリーグ予選の試合数)してサイドに一度も落ちない確率は53%なのに対して、2枚採用するだけで95%になるそうです。

必ず1回は使うカードを2枚採用しておくことは何試合もする上でサイド落ちに怯えなくて良いので精神的に楽です。



+1枚採用の思考


例3、ロストギラティナ

有名プレイヤーが作成したリストです

これは有名プレイヤーが去年シティリーグで使用して話題になったロストギラティナのリストです。
懐かしいカードがたくさんありますね。

このリストはギラティナVを4枚採用しているところが斬新で以前まではギラティナラインが3-3が主流だったのが4-3が主流に変わってしまったという画期的なリストでした。



皆さんご存知だと思いますが、ロストゾーンのデッキで最も重要なカードは「アクロマの実験」です。

対面のロスト全員後1アクロマしてくる

このカードをいち早く使えるかで早期に到達出来るロストの枚数が変わってしまいます。

このリストが出る前では「ポケギア3.0」でアクセス率をあげたりといったアプローチを取るプレイヤーが多かったのですが、このプレイヤーはギラティナVの持つ技『アビスシーク』に目を付けました。

進化前とは思えない強さ


比較すればわかりやすいと思いますが、この技はやってることがほぼほぼ「アクロマの実験」です。

つまりアクロマが使えなくても『アビスシーク』が宣言出来ればアクロマを使った時とほぼ変わらず、ギラティナVを増やすことが事故率の低下に繋がっています
それに伴いギラティナとくっつきの良い「ジェットエネルギー」が3枚採用されています。


枚数を増やすことでゆとりが生まれるため、ロストゾーンに送っても良いカードが増えて花選びやアクロマの選択肢が簡単になっています。

ギラティナが3枚採用だと1枚ロストゾーンに送った段階でもう1枚がサイド落ちしているとゲーム中に使える数が1枚となってしまい盤面展開が窮屈になってしまいます。

4枚目があることでギラティナを複数体並べやすかったり1枚は迷わずにロストゾーンに送れるので結果としてリソース管理がしやすくなっています。

今の環境に話を戻すとリザードンexの「炎エネルギー6枚目」やタケルライコの「いれかえカート2枚目」や「草エネルギー7枚目」などがこれに当てはまると思います。

ネヅナチ選手のタケルライコ

シティリーグやCLなどの緊張する舞台に参加する場合、+1枚の採用がリソース管理を楽にしてくれるかもしれません。
不安なときはエネルギーやリソース札を多く取ることも凄く大切だと思います。




おわりに


今回の記事で私が伝えたかったこと、それは『入賞リストや有名プレイヤーのリストを思考停止で丸コピしてませんか?』ということです。

それはあくまでも「その環境、そのタイミングにおけるベストなデッキ」であって今の環境やタイミングにおけるベストであるとは限りません。

「デヴォリューションが増えたからミストエネルギーを採用しよう」、「ドラパルトexが増えているからクレセリアを採用して対策しよう」これらを『自分の頭で考えられる人』が勝てる人であり成長出来る人です。

最初は難しいし、考えるのは面倒くさいかもしれません。
しかしこれをしないと上手くはなれません。
入賞リストを見て自分なりに採用理由を考えてみることから始めていき、少しずつ自分の採用カードに理由を持たせられるポケカプレイヤーになりましょう。
(人に相談したりするのもいいですが、その際に「○○という理由で採用しようと考えてるけどどう思う?」と自分の考えを述べられると100点です)

・プレイに自信が無いから炎エネルギーの6枚目を採用する
・サイド落ちすると困るから2枚採用する

これらは立派な採用理由のひとつです。

自分のプレイ練度に合わせてチューニングすることは決して悪いことではありません。

ポケカの強いとか弱いは関係ありません。
自分なりにたくさん考えて目標に向けてデッキを組もうとしてる人を私は応援したいし、私の記事がそんな人達にとって参考になれば幸いです。

リストはただ単に見てコピーすればいいわけではなくて、デッキ製作者がデッキに込めた意図を読み取るためのものだと思っています。

大切なことは正しいかどうかではなく、自分なりに考えて向き合っているかどうかです。
間違えたならそれを経験にして再調整すればデッキ作りが上手くなっていきます。

皆さんが納得のいく60枚を作れますように。
読了ありがとうございました。





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