osaka 25:00

レーベル25時のなんらか。

osaka 25:00

レーベル25時のなんらか。

最近の記事

2024 LIVE!

『豊田道倫廣島興行公演 ~「大阪へおいでよ」発売記念~』 2024年5月10日(金)広島・音楽喫茶ヲルガン座 出演:豊田道倫、ドッグフード買い太郎、山口ヒサシ open 19:00/start 19:30 ¥3000+1order https://organ-za.com 豊田道倫 『大阪へおいでよ』発売記念ツアー 「水夫の夢 vol.3」 2024年6月15日(土) 会場 ライブハウス秘密(福岡市中央区大名1-3-29 DAIMYO582ビル1F) (出演)豊田道倫

    • 「みーくんへ」 僕のマリ (詩集 『ゴッサム・シティからの葉書』レビュー)

       新型コロナが流行るもっと前、豊田道倫さんとはたまに二人で会っていた。ここでは彼を、みーくんと呼んでみる。当時わたしは執筆活動を始めたばかりで、自分で本を作って売ったり、ブログやネットプリントを主戦場としていた。初めて作った百部限定の同人誌をネットで販売していたら、「豊田道倫」という名前そのままで買ってくれた。存在はもちろん知っていたので、「えっ」とうれしくなったのを覚えている。彼はわたしを、仲間内の飲み会に誘ってくれた。目黒の鳥貴族に行ったのは、後にも先にもそれきりだったけ

      • 空港行きのバス停の前で

         空港行きのバス停の前で  女は空を仰いで、目を瞑った。   白とピンクの服しか着ていない。キャリーバッグも白で、買ったばかりなので綺麗だ。  空港行きのバス停の前で  男は煙草を吸いながら、さっき見た映画のつまらなさに唾を吐いた。  めし屋と飲み屋と床屋以外の商売は全部、絶対、金を払う者をバカにしているというのが彼の持論だった。  空港行きのバス停の前で  女は一度だけ寝た男のことを思い出していた。  ずっと歳上の男はかなりの遊び人だったが、キスは下手だった。自分のキス

        • 凶弾

          彼は倒れた時、ほんの少し前と同じく、わずかに笑みを浮かべていたという。 まるで、何も苦しんでいないかのように、そのまま死を迎えた。 父親が亡くなったのと同じ年齢で。 彼は撃った銃弾で、男を仕留めたと、確信したと同時に取り押さえられた。 その瞬間、自分の行為が結局何も意味がなかったことを身体の奥で思い知った。 母親の心は、永遠に返ってこない。 彼は妻を愛していた。 子のいないファーストレディを守った。 彼も妻も、子供が好きで、子供と写真に収まる時はいつも優しい笑みを浮かべて

          豊田道倫 『BAD CITY POP 2022』を終えて、メールインタビュー(by 麓健一)

          (麓)豊田さん、「BAD CITY POP 2022」、お疲れ様でした! お呼びいただきありがとうございました。  僕は東京でのバンドも観てますが(音のデカさ云々でなく)His BandのTokiyoさんと角矢さんにまた別のタフさ、凄みを感じました。 そこにみのさんのベースが這うように鳴ってるバランスが面白くて。 本当はタフとか凄みとかっておじさん形容をあんまり使いたくなくて、おじさんにない強さ。豊田さんは今のバンドの音の魅力をどこに感じてますか? (MT)mtvBAND

          豊田道倫 『BAD CITY POP 2022』を終えて、メールインタビュー(by 麓健一)

          豊田道倫と彼のレトリック ~MT presents BAD CITY POP 2022 @心斎橋 CONPASS(2022/08/14)豊田道倫 & His Band ライブ評~

          暗いステージにHis Bandのメンバーが現れ、ノイズを奏で始める。 向かって左にベースのみのようへい、右にギターのTokiyo Ooto、正面後ろがドラムの角矢胡桃。みのさんはベージュのゆるっとしたシャツでエレクトリック・ベースの長い(長く見えた)ネックを抱えて揺れ、Tokiyoさんは帽子をかぶってスキニーなシャツとパンツでおしゃれをしていた。角矢さんはジーンズにピンクのラグランの半袖T、長い金髪。 そこに豊田道倫が出てきて歌い始める。 さっきまでステージやフロアを現場監

          豊田道倫と彼のレトリック ~MT presents BAD CITY POP 2022 @心斎橋 CONPASS(2022/08/14)豊田道倫 & His Band ライブ評~

          whatmam メールインタビュー(by 豊田道倫)

          (MT)シュウトくんがodd eyesのヴォーカリストであり、whatmanとしてDJ活動をしていることは知ってましたが、今回CONPASSのイベントにDJとして参加してくれることになりました。どうもありがとう! 今年は1月に出たodd eyesのアルバム『原題』(https://oddeyes.bandcamp.com/album/- ) 。bandcampとアナログでのリリースでしたが、反応や手応えはいかがでしょうか? (whatman)新しい作品に関しての反応はほとん

          whatmam メールインタビュー(by 豊田道倫)

          中田粥+Water a.k.a マリヲ メールインタビュー(by 豊田道倫)

          (MT)今回、CONPASSのイベントに参加してもらえることになって、嬉しいです。どうもありがとう! メールインタビューはユニットを代表してマリヲくんとのやり取りですが、リラックスして答えて頂けたらと。よろしくお願いします。 中田粥+Water a.k.a マリヲ名義のカセット作品『シャインのこと』(https://kayunakada.bandcamp.com/releases)。 自分の「戦火の中を-2022」の MVをカメラマンの倉科直弘くんに撮影をお願いした時があり

          中田粥+Water a.k.a マリヲ メールインタビュー(by 豊田道倫)

          『春のレコード』感想文 : Weekday Sleepers

          豊田さんとはWeekday Sleepersの「Keep Left」の監修をお願いしてから知り合い、それ以来twitterのDMで色々とやりとりをするようになった。 厳しい意見も聞けるありがたい存在であり、音のセンス、アイデアに長けている人でもあるので自分のアルバムが完成しては聞いてもらって感想をもらうのが楽しみの一つである。また、完成したばかりの2mixを送ってくれて、それを私がAIマスタリングして送り返して、豊田さんから「AIは今ひとつ」と感想をもらったり。そのほかにもM

          『春のレコード』感想文 : Weekday Sleepers

          『春のレコード』へ : 辺口芳典

          〈春のレコード〉を鳴らして、はじめて自分の歌をカセットデッキで聴いたときのこと思い出した。自分の歌といっても、小学生のときに気に入ってたポップスかなにかの歌をカセットで録音して、それを聴いたってだけのことなんだけど、そこにはなんともいえない奥行きがあった。これおれの声か?っていう戸惑いの気持ちや恥ずかしさはあったけど、そういう自意識を抜いてしまえば、そこには体温のようなものがあった。“あったかさと明るさ” それが歌なんだなって〈春のレコード〉聴きながらそう実感した。窓から、初

          『春のレコード』へ : 辺口芳典