鯰
いつか笑い話になればいい、とよく思っている。
誰かに頼んだわけでもないのに気づいたらこの世に生まれていて、悪いこともせずただじっと息をしているだけなのにお金がかかる。一人で生きることはほぼ不可能で、別の人と関りを持たないといけない時が必ずある。普通の人なら安心だけど、平気で悪態をついたり尊厳を踏みにじってきたりする人に当たることもあるので、そんな時は最悪だ。
何かを望んでもうまくいくことの方が少なく、望んだとおりにならず悲しんだり諦めたり悔しがったりして涙を流すことがほとんど。それでも、一瞬の癒される時間や報われた出来事に、救われた気持ちになって、なんだかまだ死ぬのは惜しい気がしてこれまで生きている。
気を楽にして話せる人たちと、お酒を飲んで食事をする時間が私は一番幸せ。「もしこれでうまくいかなくても、そこでの話のネタにしてやろう」と思うことで実行できた出来事がいくつかある。
一時がどん底でも、時間がたてば少しずつ浮上することもある。浮かべなくても、案外その場所が居心地よくなったりするかもしれない。人生が成功だ失敗だというのは外からの評価で、自分が納得できていればいいと思う、何事も。
死ぬ間際にこれまでを振り返って、「ああいい人生だったなあ」と少しでも思えたら万々歳だな。とたまに思ったりして、適度にだらけながら私は今日もやるべきことをやっていく。
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