永い後日談のネクロニカ短編シナリオ資料Part3

実験台の姿

ベビードールを産み続ける存在は一体だけではありません。


実験台にされ苗床された女性の多くは街にある修道院で働いていたシスター達です。


当時、どうしても街の住人達は外からやって来た研究者達を警戒し誰も研究に協力しようとしませんでした。


どうしても女性の理解を得る必要があった研究者達は、修道院の運営資金を援助するのを条件に修道院を通じて研究への全面協力と街の人々への説得を命じたのです。


元々この街は戦火の影響を受けていないのもあり、戦災孤児を修道院で預かり養っていたのですが、戦争の激化と共に資金不足となり、運営が危ぶまれていた修道院にとっては、逃すわけには行かない状況だったため修道院は研究に協力する事にしたのです。


元々この修道院は街の中心的な存在であり、街に住む人達の心のよりどころであった修道院の言葉の影響は絶大であり、気がつけば誰一人この研究を疑う者はいなくなったのです。


やがてこの研究は本格的に動き始め街の女性や近隣の街や村から多くの女性が集められ、最終的に集められた女性は数百人になったといわれています。


しかし、この研究の自体は人としての道や神の教えからは大きく外れた研究だったのです。


実験個体を産むための妊娠機関の永久機関化手術や身体の改造手術と実験薬の投与は女性達の身体を確実に蝕んでいったのです。


今まで普通の生活をしていた女性達の身体はこの無理な研究に耐えられる訳もなく、実験台となった女性達の身体はやがて崩壊し始め完全に実験個体を量産するための苗床となったのです。


そうなってしまったら女性達は祈るしかありません。
神に自分の愚かさを嘆き、これ以上自分と同じ被害者を出さないために苗床となった女性達は祈り続けるのです。

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